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王様と私

★Story

舞台は19世紀中ごろのシャム王国(現在のタイ)。国王は子供たちの家庭教師にと、未亡人のイギリス人女性アンナとその息子を招く。すべてが物珍しい中で、初めてと顔を合わせたアンナは、"贈り物”として若い娘タプティムが王に届けられるのを見て驚く。(タプティムには実はルンタという恋人がいた。)

アンナ親子には王宮の外に私邸が与えられるという約束だったが、一向に果たされない。再三の要求には、アンナを見下して暴言を吐く。アンナはイギリスへ帰ろうとするが、第一王妃チャンが部屋にやってきてどうかとどまるようにと懇願。愛情を感じつつある王子や王女たちのためにも、アンナはシャムに残ることを決心した。

少しずつ心を開いていくアンナ。ある日、イギリス特使の一行がやってくることに。アンナはヨーロッパ風の晩餐会を開いて、シャムの近代化を示すよう助言をする。大急ぎで準備が執り行なわれた。

晩餐会のだしものとして、王立舞踊団の舞踊劇がタプティムの司会で上演された。劇の後のタプティムの講釈には憤るが、それでも夜会は大成功に終わった。成功を祝いつつ、「イギリス式」ダンスを踊ってお互いを意識しあう2人。しかし、タプティムルンタと逃げようとして捕らえられたという報告が入る。

タプティムにムチ打ちの刑を処するに対して、アンナは「それは野蛮人のすること」と言い放つ。 アンナのことばと"王の威信”との間でゆらぐ。一方アンナは、今度こそイギリスに戻ろうと決心した。

イギリス行きの船の出航を待つアンナのもとに、チャン夫人と第一王子がやってくる。重態に陥ったからの感謝の気持ちにあふれた手紙をうけとり、アンナは王宮に引き返す。アンナの前では、第一王子への王位継承を告げた。死を恐れぬの真の偉大さに深く感動するアンナ第一王子の西洋思想を採り入れた新しい政策宣言を聞きながら、は皆に見守られ、静かに息をひきとった。

★感想

実はミュージカルを見たときは、「イギリス人家庭教師と王様が恋に落ちるらしい」くらいしかストーリーを知らなかった!ぶっつけ本番の、しかも歌ってる英語など完ぺきにわかるはずもなく、何とな〜く理解しながらの観劇となりました。

感想を言えば。。。。。。。「ショー」としてはレベル高し。象が描かれた真っ赤で美しいカーテン、黄金の王宮、ため息の出そうな見事な民族衣装、確かに、確かに美しい。でも、内容がわからないからイマイチ感動できなかった(笑)。最後なんて、「え、これは死んでるの?それとも眠ってるの?」なんてレベル。

まず最初、カーテンが開く前に、頭ツルツルの僧衣の男性が数人、ゆっくり歩いてくる。何か持っていて、何してるのかなぁ、と思うと、会場内にほのかな香りがただよってきた。ああ、お香をたいているんだぁ。この趣向は多いに気に入りました。異世界に誘われるようで・・・。

アンナ役の女性の声はとってもすばらしかった。高く美しい声というより、ハリのある知的な声。まさに「アンナ」という女性のイメージにぴったりでした^^。王様も頭ツルツルで細身のアジア人。かなりコメディタッチのキャラクターで、声はややダミ声。これはあきらかにわざとなんでしょうが、あの歌い方は私はあまり好きになれなかったな〜。確かに感じは出てるんだけど、あえて音痴な歌をずっと聴くのもやなもんです(笑)。しかも、「アジア人だから英語の発音まずいです」という演出。同じアジア人でも、かえって聞き取りにくいわ^^;!

アンナが子どもたちに対面するシーンが印象的。かなりの人数が登場、しかもみんなちゃんとアジア人。一人一人登場してアンナにあいさつするんですが、芸がこまかい。やたらいばってる子、アンナの手をにぎりしめて離さない子、違う方向に走っていっちゃう小さい子、1度出てまたひっこんじゃう子などなど、会場がほのぼの沸きましたよ。それぞれ母親が違うわけで(妾さん)、それぞれの衣装が華やかなこと限りない。

全体的にいえば、悲劇というよりは断然コメディ。王様が覚えたての「エトセトラ」を連発するのもかわいかったです。

さてさて、晩餐会も見せ所。準備段階では、すその膨らんだ西洋風のスカートをせっせと作る女性たち。ころんでかぼちゃパンツが見えてしまうという演出も(!)。そして何といっても舞踊劇のシーン!ミュージカルの一部でありながら、これだけでも十分完成度の高いショーなのです。古典劇というか踊りというか、何しろあまりにすばらしい!もう、これだけ見ていたい、と思うぐらい。時間もかなり割いてました。・・・・・・・だから、かえってもったいないなぁと思ったんです。こんなに時間あったら、本編の方をもう少し充実させても良かったんではないか、と。舞踊劇に負けちゃうぞ、と。

何だかんだいっても、ダンスのシーンは感動しました。ここも見所!王様が英国式のダンスを教えるようアンナに頼むんですよね。華やかなドレスをまとったアンナ、その美しさに心をうばわれる王様。お互いの気持ちがぴったりよりそっている。ううむ、思わずうっとり。

そしてタプティムの騒動があり、ラストへ向かうわけなんですが、ここがあっさりしてるんですよねぇ、あまりにも。だから、どうなったんだろ、て感じで会場を後にしたのです。友達と感想を語りあったところ、「確かにきれかったね」「うん、ショーとしては良かったよね」・・・・・・・ってこれ、ミュージカルなんだけど。

 

 

★おまけ

日本に帰国してから、ビデオで「アンナと王様」見ました。実はそれまで、舞台がどこかも知らなかったのです。「中国とタイを足して2で割った感じ。カンボジアかもしれん」とか思ってましたよ^^;。ミュージカルとは若干内容が違いますね、大筋は同じだけど。アンナ役の女性、ジョディー・フォスター声とか雰囲気とか似てたなぁ。王様のチョウ・ユンファがこれまたいいっ。本来ならばかなり「イタイ」あの横分けおっちゃんヘアーもかっこよく見せてしまうあの存在感!ミュージカルの生のすばらしさは認めるとしても、映画の方が感動したかもしれません^^;。