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レ・ミゼラブル

★Story★

長〜いお話なので、途中場人物がすっとんでいてもお許しくださいませ。

パン一切れを盗んだため19年間も牢獄に入っていたジャン・バルジャンが、「仮出獄許可証」付で出所。泊めてもらった僧侶の家で、銀の食器を盗んで警官につかまりそうになるが、僧侶は彼をかばい、さらに彼に燭台を与える。ジャンはこのとき、人間の愛に触れ、以後は人々のためになることをしようと決意した・・・・・・・とここまでは有名なんですよね。でも、味わいはこれからなのだ!

時はたち、すっかり実業家として成功したジャン。その工場で働いていたファンティーヌは1人で子供を養っていた(他の人に預けて送金)が、ケンカでクビになり娼婦に身を落としてしまう。ジャンはこのことを知らなかったのだが、ファンティーヌは彼を恨んでいた。そして再会する二人。ジャンは自分の行いを悔い、死の床にあるファンティーヌに「娘のコゼットは私が育てる」と誓う。

コゼットは、安宿を営むテナルディエ夫妻にこき使われていた。彼らは自分の娘のエポニーヌだけをかわいがっている。ジャンは森でコゼットに出会い、夫妻にお金を渡しコゼットを引き取った。

彼を執拗に追いかける刑事ジャベールから逃れるため、二人は転々としながらも時はたち、舞台は10年後、パリ。

窃盗団に落ちぶれたテナルディエ、そして娘のエポニーヌは、革命を夢見る学生マリウスに恋していた。しかしそのマリウスは、街でコゼットにひとめぼれ、エポニーヌに彼女を探すように頼む。一方革命軍のリーダーは、バリケードを築き、ついに革命を起こそうとしていた。エポニーヌのおかげでコゼットと再会するマリウス、一方人影から刑事ジャベールに見つかったと勘違いしたジャンは、再びコゼットと旅立つ決意をする。

マリウスと一緒にいたくてバリケードに忍び込んだエポニーヌに、マリウスは残酷にもコゼットへの手紙をことづける。エポニーヌは、旅支度をしているジャンに手紙を渡す。バリケードでは、革命をつぶすために乗り込んだジャベールが、スパイであることがばれて捕らえられる。

そこへ銃撃戦に巻き込まれたエポニーヌが戻ってきた。体中血だらけだったエポニーヌは、愛するマリウスの腕の中で、息を引き取る。

一方手紙を読んだジャンは、娘が恋をしていることを知り、青年マリウスの手助けとなるようバリケードに志願兵として乗り込む。 そこで捕らわれのジャベールを、ジャンは逃がしてやる。何か裏があるのかといぶかしむジャベールに、ジャンは「君に恨みなんかない」と語り掛ける。

そしてついに戦闘が始まったが、学生たちは次々と死んでいく。傷を受けながらも一命を取りとめたジャンは、かろうじて息があるマリウスをかついで下水道へと逃げ込む。下水道ではテナルディエが死体から金目の物を盗んでいたが、ジャンを見つけてあわてて消える。

そして、ジャベールジャンの姿を見つけた。ジャベールは悩んだ末ジャンを見逃してしまう。そして、今までの自分の信念をふりかえり、彼はセーヌ川に身を投げる。

マリウスは、はかなく散った友人たちへの思いで苦しんでいたが、コゼットの愛によって立ち直り、ついに2人は結婚。ジャンコゼットに過去を知られることを恐れて、マリウスだけに真実を話して姿を消していた。結婚式で、マリウスは男爵に化けて潜り込んだテナルディエに「ジャンは人殺しだ、下水道で死体を運んでいた」と聞く。

マリウスは、自分がジャンに助けられたことを知り、結婚式の途中でコゼットとともにジャンの元へ急ぐ。しかしそのジャンは、すでに死の床についていた。「あなたは十分よくやってくれた」 とファンティーヌが手を伸ばして迎えに来て、コゼットマリウスに見守られ、ジャンはやすらかに息をひきとる。

★感想★

感動の嵐です!正直、最初はあまり話も知らないし、何か悲劇チックだし、見るつもりはなかったのです。でも友達のつよ〜い勧めと、前もって教えてくれた内容のおかげで、「まあ、せっかくだから見とこうかな」と劇場へ。

これが・・・・・これが・・・・・こんなに感動するものとは!英語がちゃんと分からなくても、舞台からはパワーがばしばし伝わってくるし、ぼろぼろ泣ける。カーテンコールで、全員が立ち上がって拍手が鳴り止まないのも、この「レ・ミゼラブル」だけでしたよ。

舞台セットも見ものでした。決して華やかではないのですが、バリケードやさびれた町の様子など、妙にリアル。町を歩くシーンでは、舞台セットがまわって景色がまわり、人物は足踏みしてるだけ、というもの。もちろん、それで人物が町を歩いているように見えるんですよ。学生たちの行進のシーンも、その場での足踏みなんですが、ちゃんと進んでいるように見える。

でも、やはりこのミュージカルの見所は人間!演技と歌のデキ映えがすばらしい。ジャンの太く響く声、コゼットのどこまでも高く美しい声・・・。力強くもけなげなエポニーヌの張りのある声も印象的だったな。彼女が死んだときはほんっと泣きました^^;。学生たちが死んでいくシーンも、息もつけない、という感じで涙ボロボロ。

ストーリーでははずしちゃったんですが、子どもも登場してるんですよね。戦いの中、弾がなくなって困る若者たち、するとその少年が「僕が小さいから、とってきてあげる」とバリゲードの外に出るんです。そして銃で撃たれてしまう。彼は死のふちで、拾った玉を入れた袋をバリケードの向こうへ放り投げるんです。バリゲードの上の方にいた人(う、誰だっけ^^;)がそれを受け取るんですが、それもかなり高いセットなんですよ。少年は倒れながらもナイスコントロールでちゃんと放り投げる。だってね、ここで失敗したら場が盛り下がってしまうじゃない!?ちゃんと練習してるんだな〜といらんところで関心^^。

刑事ジャベールも、いい味出してた。最後、まさか自殺してしまうとは思いませんでした。「オレはまちがってたのが、どうなんだ・・・」みたいなこと言ってたような。(英語自信なし)自殺の際、もちろん上から飛びこむわけですが、背景が上に流れて「落ちてる」のを表現。ほおおおなるほど。

全体的にシリアスな内容なのですが、笑えるのがイジワルなテナルディエ夫妻。旦那さんはいわゆるいや〜な感じのおじさん、奥さんはでぶっちょの肝っ玉母さん系。かなりコメディチックです。最後の結婚式のシーンでは、「お前らまだおったんか〜」ってね(笑)。ただ、カーテンコールではものすごい拍手をもらってました。なかなかに重要なキャラですね。

ラストはやはり最高でした。ファンティーヌが真っ白い衣装を見て迎えにくるわけですが、白いライトがあたっていてとても神秘的。光がすうっとうかびあがって、ジャンも天に召されるわけです。

ああ、見て良かった!ただ、他のミュージカルと違って、「もう1度見たい」というのがなかった。この感動があまりに強くて完結したため、そう気軽に何度も見れない、という感じです。