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時差のせいか、夜中の2時ごろに目が覚めた。せっかくだし、おフロにでも入ろうかな。バスタブは寝そべれるほどの広さ、なんともうれしいこと。バスタブを泡でいっぱいにして、ゆったりとくつろぐ。疲れがふっとんだ感じだ。少し上気してほてった体をベッドの横たえ、ガイドブックを読みふける。だいたいの予定はたててきたものの、やはり変わってくるもの。それも楽しみなのです。 うとうと、眠ったり、起きたりしているうちに、もう8時ごろ。さあ、朝食をとりに行こう!レストランの広いことったら。これもイエローを基調としていて、上品な趣き。もりろんビュッフェ形式なんだけど、その豪華さには目を見張るばかり。ベーコン、ハム、チーズ各種、卵。パンもいろんな種類で、パウンドケーキやらコーンフレークもある。そして色とりどりのフルーツ、ジュース。何を食べようか目移りして大変!いろいろとお皿にのせ、オレンジジュースとコーヒーを。朝から贅沢だこと。さあて、満足したところで、そろそろ出かけよう! やや肌寒い空気で、人影もまばら。まずは、オペラ座に向かう。あちこちに豪華な建物の一部がのぞいている。どれが王宮かな?どれが美術館かな?そう考えるだけでわくわくした。今回のホテルは、メインに行きたいところからは徒歩の距離なので、何となく精神的にも余裕がある。セセッシオンの「金色のキャベツ」を越え、オペラ座に到着。決して華美ではないが、威厳を感じさせてくれる建物だ。今、用があるのはこのオペラ座ではなく、すぐ横の国立劇場連盟。ここでオペラのチケットを買うんだ。かなり緊張したけど、無事GET!帰る前日、22日の7:30からで、題目は『ナキソスのアリアドネ』バルコンの中央の方で、450S。なかなかよさそうでしょ?超デラックスな天下のオペラ座でオペラを見れる、というだけでドキドキする。ウィーンの旅をしめくくる、最高の思い出になりそうだな^^。 チケットを大切にしまい、ショッピング天国、ケルントナー通りへ。さすがに人々でにぎわっているが、ごちゃごちゃした感じにならないのがウィーンの魅力のひとつだな。いろんなショップが建ち並び、それぞれのウインドーをにぎわしている。まず、ウィーン伊勢丹をのぞいた。けっこう小さいながら、さすがに高級感にあふれている。私が見たかったのは、ウィーン名物、プチ・ポワン。細かい刺繍を織り込んだ高級品だ。花をあしらったブローチやペンダントがかわいい。これくらい小さいのなら買えそうかな。ひとつくらいは欲しいもんね。 次に立ち寄ったのが、リンクシュトラーセン、ガレリエン。こちらは広いショッピングモールだ。おしゃれな店が競う合うように立ち並んでいる。ジュエリー、雑貨、本屋さんなど、目にも楽しい。だけど、今日はあくまでも下見。さらっとのぞいて、いよいよ今日のメイン、自然史博物館へ向かう。 博物館の辺りはすばらしい建物が多すぎて、けっこう迷ってしまう。荘厳なつくりの大きな建物、これは王宮だろうな。ああ、こちらも心底楽しみ楽しみ。どちらかというと、パリの建物に似ているんだけど、やはり上品さにおいては格別に勝っている。白を基調とした、イエロー、オレンジ系のウィーンの建物を見ると、なぜだか落ち着ける。中庭のようなところで、馬車の列を見た。観光客用の持ち合い場所だろうか、つやつやした馬たちが美しい。通りのあちこりで馬車とすれ違うが、カツン、カツンというひずめの音がほんとに耳に心地いいな。その横にそびえたつ立派な建物、これが美術史美術館、今回の旅の最大の目的のひとつだ。さすがに外観も豪華、早く訪れたい気持ちでいっぱい。 自然史博物館と美術史美術館は向かい合わせに立っている。反対方向に歩いていったつもりが……フォルクス・ガーデンの方へ行ってしまったみたい。(なにせ自慢になるほど方向音痴なのです・・・。)これはこれで気持ちのいい空間、やっぱり緑は気持ちいいねえ。 ぐるっとまわってやっと到着。12時をちょっとすぎたぐらいかな。こちらも、圧倒されそうなほど豪華にそびえたっている。“博物館"とはいうものの、内部の作りは宮殿さながらだ。吹き抜けの階段に、なんとも美しい天井画。展示物を見ていいのか、装飾を見ていいのか、思わず迷ってしまう。まず、動物のコーナーでは、大きな大きな恐竜の化石。もちろん実物大に組み立てられており、こんなのが地球上を徘徊してたのかと思うと興味をそそる。剥製のコーナも興味深かった。ただ、恐ろしいほどの数の動物たちがずら〜っと並んでいると、さすがに少しコワイ。鳥類コーナーは楽しかったが、ヘビなどはちょっとパス。くまやライオン、キリンなどなど。ほ乳類コーナーはまるで動物園。熱帯コーナーでは、効果音つき。つくりもまるでジャングルにいるような鮮やかな緑で、本物の魚たちが水槽で泳いでいる。いつか、こういう地域にも行ってみたいなあ。 一階のフィルムボックス(?)もおもしろかった。望遠鏡のようなものをのぞくと、3Dの景色が見える。山や海など、大自然の恵み。秘境のような景色もあり、まるでどこでもドアみたいね。 そして、楽しみにしていた鉱物コーナーへ。いろんな原石がずらっと並んでいる。ドイツ語なので、分からない石の方が多かったけど、ごつごつした岩石のところどころに、宝石の元らしいちろちろしたきれいな色がのぞいている。赤や緑や青、オパールの虹色など。何よりもすごかったのは、強大なクォーツの結晶。私の背丈以上のものもある。透明な水晶や、紫、ピンクなど、色のすけたものまで…見とれてしまう。ほんのひとかけらほどでも、水晶パワーなんて騒がれたのに、こんな大きかったら、どれだけパワーを秘めているんだろう。かたい水晶に手を触れてみると、心なしか温かみすら感じる。カットされら石もあり、こちらはいわゆるジュエリーそのもの。ルース好きの私には、こたえられないシロモノ。色とりどりにキラキラ輝く宝石たち、大きいのから小さいのまで。やっぱり宝石ってすばらしい!115kgのトパーズや、宝石を使った装飾品など、神秘の限りだ。 そして、何よりのメインは、マリア・テレジアが作らせたという、宝石のブーケ!ガイド・ブックに書いてあって楽しみにはしてたものの、正直宝石の色もあせてしまっているだろうとあなどっていた。ところが、実際に目にすると、目がくらみほどの豪華さ。なんてきれいなんだろう・・・。。色とりどりの石が組み合わさっていて、これまた色とりどりの花を作りあげている。思わず立ちすくんでしまった。見れば見るほどすいこまれていきそうだ。なんとも言えない感情がこみ上げてくる。それこそが、石の魅力なのかもしれないね。恐いくらい、ひきつけられる。 博物館を出たのは、まだ3時前。ずいぶんと風が強く、冷え込んできたな。自然史博物館と美術史美術館の間にそびえたつのが、女帝マリア・テレジア像。女性の権力者って、やはり憧れるものだ。規則正しく刈り込まれた木々がとてもきれい。整然とした美しさだ。さて、この後はどうしようかな。少し寒いけど、町歩きしようか。もちろん地図は見ながら、それでも歩きたいように。 造形美術アカデミー絵画館、キュンストラーハウス、樂友教会など、美しい建物をめぐる。中でも、一番目を引いたのがカールス教会。かのマーク・トゥエインに「これほど古典と近代が美しく共存している場所はない」と言わしめた建物。グリーンの大きなドームに2つの巨大な柱、あちこちにそえられた天使像、どれをとっても上品で美しい。内部はそんなに広くなく、荘重ながらおちついた様子。また…、あの重くのしかかる感じ。静かな教会の中で、人々の足音だけが響いている。 土曜日のみの市場、ナッシュマルクトを少しのぞいた後、スーパーマーケットでポップコーンとオレンジジュースを買った。ぱらぱらと雨が降っている。まだ5時前だけど、今日は早めにホテルに戻ろうかな。ホテルのすぐ近くのショッピング街、マリアヒルファー通りを通ると、明るくにぎわっている。ショッピングも今から楽しみ。 ホテルでは、のんびりとくつろぐ。ああ、このひとときがなんとも言えない。今日も、知らず知らず眠りに落ちていた。 |