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1997年  3月21日(金)

朝食では、珍しくフルーツをとる。フレッシュなオレンジでビタミン補給。う〜ん、さわやか。今日のプランは、残しておいた美術史美術館の後編。ホテルのすぐ近くだし、場所もわかっているので、いつもよりゆったりとした朝を過ごせた。トムとジェリー、ミツバチマーヤなどのアニメを楽しむ。(もちろん、ドイツ語なんてさっぱりわかんない。)

外にはやわらかな雪が降っていた。マリア・テレジア像や、今は水の枯れた泉を眺めて開館を待つ。傘の上で雪のとける音がして、何とも風情があるよね。 さあ、いよいよ入館。何度見ても、この豪華さには目をみはってしまう。階段を上りながらも、目は天井画、壁画にくぎ付けだ。全く、世界の遺産と言っても過言じゃないと思う。今回見るのはネーデルランド、ドイツ絵画のコレクション。ネーデルランドの絵画は、独特な情景描写や人物像の魅力があって、これまたたまらないんだ。ファン・アイクやブリューゲル、デューラー、クラナハ、ファン・ダイク、ファン・デル・グールなど、名高い画家の絵画がめじろおしで息もつけない。とにかく、絵画は近くから見るのと遠くから見るのとでは趣が違うから、両方味わってこそ、その本当の良さが実感できる。そしてこのダイナミックさ、色の深さは、画集では表せないもんね。

私が思う、ネーデルランド独特の精密描写にも、ほんとに脱帽だ。比喩的な意味ではなしに、心臓がどきどきして苦しくなる。ルーベンスの絵は、特別に3部屋も占めるほどの充実ぶりだった。しかも見事な大作が多く、“魂がふるえるほどの感動"。神話主題や肌のやわらない色、美しい女性など私の好みに合致して、かつて以上に好きになってしまった。このルーベンスのコレクションを見るだけでも、ウイーンに来る価値があるというものだ。 楽しみにしていたフェルメール、レンブラントの絵が少なかったのは少し残念。しかし「本物」をこの目で見れただけでも、感動はひとしお。いつか、オランダにも行かなくちゃね。ああ、今更ながら絵画のすばらしさを感じて胸がいっぱい。絶対、一生関わっていきたい!

すっかり堪能した後、はりきってショップに向かう。画集を手にとり、ポストカードを選ぶのが何とも言えぬ楽しみだ。最期に、心行くまでこの豪華な装飾の空間を心に焼き付け、世界最高峰の美術館を後にした。

あまった時間で、例によってショッピング。お世話になっているデパート『ショテッフル』で、目をつけていた『エリザベード』のビデオを買った。ドイツ語で、しかも全3巻!だって、どうしても欲しかったんだもの。私の宝物にするんだ。目で見るだけでも十分見ごたえはあると思うけど、いつかドイツ語もマスターしたいな。

ショッピングモールの地下の食料コーナーにも立ち寄る。今日は昨日にもまして豪華なディナーを楽しんでしまおうという魂胆だ。白ワインとパン2つをかかえ、ホテルに戻る。そう、実は、初のルームサービスに挑戦なのだ。ウイーンでどうしても食べたくてたまらなかったハンガリー料理、グラーシュ。「野菜や肉をパプリカソースで煮詰めるだけ煮込んだシチュー」その説明だけでもよだれが出そう^^。

ホテルで一通り落ち着いた後、キンチョーしつつルームサービスのダイヤルをまわす。注文した後もそわそわ、そしてついに登場!しかも、銀色の丸いフタつきで、何とも豪勢。まるで上流階級。何と、パンがたくさんついていて、初めはガク、っとなったが、少し香辛料の香りがくつすぎて、食欲をそそらない。やっぱりパンを買っておいて良かった。灯りを落とし、ワインをつぎ、さあ、いただこう!フタをはずすと、お皿にのっているのは、じっくり煮込まれたシチューに牛肉、トマト、ポテトのケーキ(?)がそえられている。何ともいえないおいしそうな香り。スプーンですくい、口にすると、濃厚なコクが口いっぱいに広がる。「おいしい〜〜〜〜〜〜〜〜。」ビーフシチューをさらにコクを豊かにしたような味で、パンともよく合う。あつあつのポテトもたまらなくおいしい。ワインを飲みつつ、すっかり夢心地だ。お肉もじっくり煮込まれてて、口の中でとろける。ああ、幸せすぎ・・・。

おなかもいっぱいになり、ほろよい加減で夢の世界へ・・・。