奥多摩の数馬という所に行って来た。
東京とは思えない山奥にその温泉はある。数軒の茅葺き屋根の大きな民家は2〜4百年の歴史を持つ。それぞれ温泉宿として営業しているのだが、その内の一つ「三頭山荘」という所でお昼を食べた。22種類の近くで採れた山菜を小皿に持ったものを名物にしている。のびる、あけび、うど、ふき、柚子、どれも素晴らしい香がして、ご飯が進む。さらにサービスで、ジャガイモやいんげん、そしてただ輪切りにおかかを乗せただけなのだがキュウリがみずみずしく、香と歯ごたえが素晴らしかった!
奥多摩湖を周り、青梅で一休みと思い車を停める.昔の映画の看板で町おこしをしているこの町は興味深かった。
まず、3館共通の博物館のチケットを購入。 5時で全館閉まるのだが、着いたのはもう既に4時半。「それぞれ小さいので 、すぐ回れるでしょう、5時過ぎても待ってますよ」と、お菓子屋さんも兼ねる昭和幻灯館の係の女性が言ってくれたのが嬉しかった。
まず、赤塚不二夫会館に入る、「おそまつ君」、オンタイムの僕には懐かしい漫画がたくさん展示してある。タモリを発掘した赤塚不二夫は友人も多く、売れてからは、付き合いの良さからか、はたまたプレッシャーからかアル中になってしまったが、その絵は、かなり丁寧なタッチで書かれていた。
次は昭和レトロ商品博物館、当時の懐かしいグッズが並んでいるだけだが、2階がどういうわけか雪女の展示部屋、怖々はしごのような階段を上ると、訳が分かった、小泉八雲の雪女の伝説は、ここ青梅で生まれたのだそうだ。余りありがたくはないが、蒸し暑い夏の夕方、少しだけ背中が寒くしていただいた!?
そして、最後の昭和幻灯館、5時まであと少しというところだったが、約束どうり待っていて下さった。
ここは、昭和初期の町並みを再現したジオラマが展示してある。案内役は永井荷風、「 墨東奇譚」の世界がそこにある、これは山本高樹氏作成の
実に精密なジオラマ、だがそれだけではなく独自の物語がそこにはある。これは本当に見応えのある作品だった。
駅前にいた女子高校生に、この辺でおいしい食事ができる店を聞き、お薦めの天徳という天ぷら屋さんに入る。上天丼を注文すると、小さなエビ2本とキス、それ以外何も乗ってない丼が出て来た。最近は、ふたからはみ出るくらいたくさん天ぷらがのっている丼が多い中、ちょっと眼が点になったが、味は悪くなかった。そういえば、昔はこれでも充分嬉しかったものだ、、、、、、食べ物屋さんでも昭和レトロが味わえる!?
食後の珈琲は昔のタバコ屋さんを再現した喫茶店に入る。ご主人の本業はインテリアだそうだが、「東京にも店出したいんだけどねー、家賃高そうだから」とおっしゃる。そうその通りですよ!とおもわず汗が出た。
帰り際お土産に、なんとキュウリとインゲンを戴いた!?昼の食事の話をすると、「そう、スーパーで売ってるものと全然違うでしょ!」と嬉しそうに言って見送ってくれた。
最近どこかにぶらりと出かける度に、素敵な出会いがあってなんだか幸せな気分になる。海外に出かけなくたって、日帰りでも充分旅気分は味わえるものなのだ。
左上:墨東奇譚ジオラマ俯瞰 右上:同ジオラマ仰瞰
左下:昔からあるらしいトンカツ屋さん 右下:三頭山荘22品盛
三頭山荘:http://park17.wakwak.com/~mitou/
青梅のミュージアム情報:http://www.tachikawaonline.jp/museum/ome_af/
2007年8月2日
青梅市レトロ散歩
青山表参道アーニーズ日記