駅立ち食いそばの定義・用語説明



駅立ち食いそばの定義

「駅立ち食いそば」とは、駅の構内(改札口内)にある立ち食いそば店の事を指します。椅子席はあっても構いませんが、あくまで立ち食いがメインの店に限ります。大都市圏外の駅の場合、改札口外の店も含みますが、駅舎内(出口を出ない)に限ります。
立ち食いそばを語る時によく見られるのが「街のそば屋と全然違う」という意見。それは当然です。天ぷらやつゆは自店で製造する店も結構有りますが、麺だけは十中八九どの駅立ち食いそば店も事前に製麺所で茹で上げた(蒸し上げた)麺を使い、お店では湯通しで済ませています。しかし、これは限られたスペースしか使えず、なおかつ提供スピードが重視される駅立ち食いそばにとっては致し方ないことでしょう。

最近、街中の立ち食いそば屋では生麺を茹で上げ提供する店も増えてきましたが、鉄道事業者からは厳しく制限されたスペースしか使えず、かつ乗り換えの合い間や次の電車を待つ僅かな時間に提供する事を主目的とする「駅立ち食いそば」では、生麺から茹で上げたそばを提供する事は相当に難しい事です。

そもそも「立ち食いそば」は駅構内より始まったという説があります。「駅立ち食いそば」こそあくまで本来の立ち食いそばであり、通常のそば屋と同じものとは一切考えていません。無論、代用品でもありません。先のような意見は「カップヌードル」を食べて「あのラーメン屋と全然違う!」と言う事と同じくらい見当違いな事です。

「駅立ち食いそば」ならではの美味い立ち食いそばを追い求めていきたいと考えています。



用語説明

この「駅立ち食いそばのページ」でよく使われる用語について説明してみました。


 価格
評価基準としている天ぷら(かき揚げ)そばの場合、大都市圏では350円、地方では370〜380円を標準価格と考えています。400円以上する場合、当然価格なりの内容でないと厳しい表現となってしまいます。逆に300円ちょっとで済んでいる場合は、多少味に粗い所があっても優しい表現となっています。
 化調
化学調味料のこと。そもそも単価の安い駅立ち食いそばの場合、つゆの味を安定させるために使うことは認められるが、使い過ぎは当然マイナス。
 関西風
つゆの種類。薄口醤油に昆布、いりこ等でだしをとったもの。基本的に関東風よりだしの味、塩味が効いている。だしの風味を生かしたものほど良い印象となる。
 関東風
つゆの種類。濃口醤油に鰹節メインでだしをとったもの。鰹節の風味と醤油のさっぱり感を生かしたものほど良い印象となる。
 小海老
かき揚げ天ぷらによく入っている海老のこと。桜海老、またはオキアミである場合が殆ど。これが入ると風味が増すので良い印象になる。
 天ぷら
立ち食いそばの場合、「天ぷら」と言えば「かき揚げ天ぷら」のことを指す。自店揚げから納入品、果ては冷凍品・乾燥品まである。店の姿勢・ウデがハッキリと出易い。ちなみにポイントは「サックリ感」と「内容の充実度」。衣の美味さもキーです。なお、「かき揚天ぷら」のない店に限り、海老天ぷらで評価しています。
 名古屋風
つゆの種類。濃口醤油に鰹節でだしをとる所までは関東風と同じだが、そこにみりん(甘味)が効いた味。全体的に味が濃く、バランスを取るのがかなり難しいが、上手く出来るとハマリ易い。
 生麺
製麺所、若しくは店内の製麺機で打った生の麺を店内で茹で上げて提供している麺の事。駅立ち食いそばの場合、注文毎に生麺から茹で上げるとなると提供スピードが極めて遅くなり全く実用に耐えなくなるので、実際は一度生麺を店内で茹で上げた状態で準備してある場合が殆んど。注文後再度湯通しをされて提供される。無論、麺の提供レベルで言えば最高なのだが、広いスペースが必要となるため駅立ち食いそばの場合稀である。
 箱麺
製麺所で茹でた(蒸した)あと、一玉づつパックされずにケースに何十食と入れられた状態で店に用意してある麺のこと。大抵ケース丸ごとの冷蔵が出来ず麺の保存があまり効かないので、箱麺採用の店は当然麺の回転がよい事が条件。回転が良いということは茹でたてに近い麺を提供しているといえ、美味い麺である場合が多い。但し、箱麺で麺の回転が悪い店は麺が乾燥してしまい目も当てられなくなるので、諸刃の剣ともいえる。
 袋麺
製麺所で茹でた(蒸した)あと、一玉づつビニールパックされた状態で店に用意してある麺のこと。袋麺の場合、茹でた(蒸した)麺をそのままパックするので、当然ながら麺が柔らかくなり易い。冷蔵が出来るので、地方などそれほど麺が回転しない店に向いている。
 冷凍麺
茹でた(蒸した)あと、一玉づつ冷凍された状態で店に用意してある麺のこと。茹で上がりを急速冷凍されているので、安定した麺品質となりやすい。ただし、街の製麺所が製造する事は稀で、殆んどが大手業者の納入品となる(例:シマダヤ、東洋水産等)ので趣味的には物足りない。独特のコシを生み出し、好みが分かれる。そばの香りはあまり感じられなくなる。うどんの場合はコシが最重要視されるので、冷凍麺は下手な茹で麺の何倍も美味い。

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