確定申告－住宅借入金等を有する場合の特別税額控除－
１．住宅借入金等特別控除とは
　住宅借入金等特別控除とは、住宅ローン等を利用して住宅を新築や購入または増改築した場合で、一定の要件に当てはまるときは、その新築等のために金融機関等から借りた借入金等の年末残高の合計額を基として計算した金額を、その住宅を居住の用に供した年以後の各年分の所得税額から控除するものです。


２．適用要件
　居住者が次のいずれかに該当する場合において、その家屋及びその敷地の取得等のための一定の借入金または債務（利息に相当する部分は除きます。）の金額を有するときは、その居住の用に供した年以後６年間（平成１１年１月１日から平成１３年６月３０日までの間に居住の用に供した場合には１５年間、平成１３年７月１日から平成１５年１２月３１日までの間に居住の用に供した場合には１０年間）の各年のうち、その年分の合計所得金額が３０００万円以下となる年については、その年分の所得税額から控除額を控除できます。
Ａ 居住用家屋を新築して、その新築の日から６月以内にその者の居住の用に供した場合。
Ｂ 新築住宅または既存住宅を取得して、その取得の日から６月以内にその者の居住の用に供した場合。
Ｃ その者の居住の用に供している家屋の増改築等（工事費用の額が１００万円を超えるものに限ります。）をした場合。


３．居住用家屋の範囲
　床面積が５０㎡以上（増改築等の場合は、その増改築後の床面積）で、①～③に当てはまるものです。
Ａ 新築住宅の建築
Ｂ 新築住宅または既存住宅（耐火建築物以外の建物の取得の場合には、その取得の日以前２０年以内、耐火建築物である場合には、その取得の日以前２５年以内に建築されたものに限ります。）
Ｃ 居住用家屋に係る増築改築等（工事費用が１００万円を超えるものです。）


４．借入金等の範囲
・借入金：民間の金融機関（銀行、保険会社等）、住宅金融公庫、地方公共団体、勤務先等
・債務：建設業者、宅建業者、都市基盤整備公団、地方住宅供給公社、勤務先等


５．控除額（平成１１年１月１日～平成１５年１２月３１日までの間に居住の用に供した場合）
　居住用家屋およびその敷地にかかる借入金等の年末残高（５０００万円を限度とします。）に一定の控除率を乗じて計算します。

平成１１年１月１日～平成１３年６月３０日までの間に居住の用に供した場合
１～６年目・・・1％
７～１１年目・・０．７５％
１２～１５年目・０．５％

平成１３年７月１日～平成１５年１２月３１日までの間に居住の用に供した場合
１～１０年目・・１％


６．注意事項
Ａ 住宅借入金等特別税額控除は、その年に納める所得税額を上限として控除されます。
Ｂ 住宅借入金等特別税額控除の適用を受けるためには確定申告を行わなければなりません。ただし、給与所得者（サラリーマン）については初年度のみ確定申告を行えばよく、２年目以降は年末調整で控除を受けることができます。
Ｃ 場合によっては、受けられないこともあります。


７．手続き－必要となる書類等－
・ 住民票の写し。
・ 家屋の登記簿謄本や抄本、登記事項証明書、建築工事の請負契約書、売買契約書等で、家屋の取得年月日、床面積、取得価格等を明らかにする書類又はその写し。
・ 上記家屋の土地も、その住宅借入金等で購入している場合には、土地の登記簿謄本や抄本、登記事項証明書、売買契約書等で、土地の取得年月日、取得価格等を明らかにする書類又はその写し。
・ 金融機関等から交付された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」
・ 中古住宅を取得し、以前の所有者から一定の債務を引き継いだ場合、「債務の承継に関する契約書」の写し。
・ 家屋の増改築などをした場合には建築確認通知書か検査済証の写し、又は、建築士から交付を受けた増改築等工事証明書。
・ 源泉徴収票（サラリーマン）