LOST CATHEDRAL/CROWN OF THORNS

今回はちょっと渋いCROWN OF THORNSのアルバムのレビュー。
CROWN OF THORNSはアメリカ人シンガーを中心とした4人組のバンド。
だがサウンドは完全にブリティッシュサウンドのヨーロピアンロック。
LOST CATHEDRALは98年5月発売の最新アルバムである。

サウンド的には、nomがよく聴いているパワーメタルではなく、どちらかといえば
大人向けの落ち着いたサウンドである。ギターもドラムもどこか寂しげな音で、
ヴォーカルももちろん湿っている。メンバーにシンセはいないのだが、
シンセはかなり効果的に使われており、曲をよりドラマチックに仕上げている。
曲はどこからどう聴いてもブリティッシュの曇った曲ばかりであり、秋から冬にかけて
一番似合いそうな感じだ。最新アルバムのくせに80年代っぽいフィーリングで、
この古臭さが何ともたまらない。20代後半〜30代のリスナーなら懐かしさを
感じるような曲ばかり。タイトル曲のLOST CATHEDRALや5.SECOND CHANCEなんて
15年くらい前のブリティッシュ・ロックといった感じで心を捕える。メンバーはほとんど
アメリカ人なんだが、まったくアメリカらしさはない。このアルバムは退屈な曲は
2曲くらいで、あとはすんなり聴きこめる曲ばかりである。

邦盤で5枚くらい出てるバンドなんで、そんなにマイナーな部類ではないが、
あまり人気がないらしい。渋くて良い曲をやってるのになぁ。文句を付けるとすれば、
無意味なギターソロが多いところくらいかな。
98.09.14

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