PowerGames/HEADSTONE EPITAPH

以前紹介したHEADSTONEが改名してHEADSTONE EPITAPHになっての3rdアルバム。
プロデュースは前作と同じPINK CREAM69のデニス・ワード。
バンドはシンプルな4人構成で、北欧っぽいジャーマンメタルを聴かせてくれる。
ヴォーカルはQUEENSRYCHEのジェフテイトタイプ。ギターは、IMPELITTERIと似た速弾き。

前作ではいいフレーズのソロやメロディを持っていながらどこか物足りない感じがしたが、
今回のアルバムでは見事な成長を遂げている。
メロディやソロは前作のままドラマチックさを増している。
正に期待した通りの仕上がりになっていて、とっても嬉しかった。

典型的ジャーマンメタルの1、2曲目から前作よりも練り込まれていて、
ギターソロの物足りなさが解消されている。とにかくギターソロのセンスがよくて、
単なる速弾きではなく、抑揚をつけて聴き所を持たせている。このソロがHEADSTONEの魅力。
3曲目からミドルテンポの曲が続くが、これもソロで聴かせる。4曲目はJUDAS PRIESTのカバー。
そしてこのバンドの御家芸ともいえる6曲目。このタイプの曲をやるバンドは今少ないと思う。
初めは壮大なシンセだが、徐々に盛り上げてきて、予想通り途中から16分音符のカッティングギター。
歌が始まるとテンポが上がり、今回はサビでテンポを落とさずジャーマンメタルらしく仕上げてきた。
前作もこのパターンはあったが、やっぱりメチャクチャかっこいい。
ソロに至るまでの緊張感のある展開、そして速弾きのソロから低いコーラスのソロへ向かう。
5分40秒の曲だが、詰め込められる物をすべて詰め込んだような素晴らしい曲だ。
そして7曲目はバラードだが、ここにもバンドの成長が見られる。
8、9曲目はミドルテンポながら、きちんと聴き所のある曲に仕上げてある。
10曲目は前作には見られなかったアップテンポでサビが明るくなる曲。曲のバラエティが増えた。
そして11曲目はこれもお得意の北欧っぽい曲でうまくまとめてある。

前作でBURRN!で評価された通り、このバンドに個性といった物はあまり見受けられない。
ただ良い曲を良い演奏に載せているだけである。構成美、様式美とも言うべきか。
たくさんのバンドが溢れる中で、これだけ期待したメロディを奏でてくれるバンドは数少ない。
そんな古典的なところにHEADSTONE EPITAPHの個性を感じる。
まだまだ成長の余地があるので、この路線のままさらなるパワーアップを期待したい。
99.06.13

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