Review:炎のターゲット/BONFIRE

ドイツのLAメタル指向のバンドBONFIREのデビューアルバム。
86年の作品で年代は古いが、曲が素晴らしく、わずか9曲(うちインスト1曲)だがすべて良い曲だ。
音は結構古臭く、曲も今時流行らない曲なんだが、何だか無性に聴きたくなる時がある。
80年代の単純なリズムにのせた素直な曲は、懐かしさすら感じさせる。

ジャーマンメタルのような男臭さを匂わせながら、アメリカンロックを演奏してくれるが、
だがこの湿った音はやはりヨーロッパのミックスってのがミエミエ。
スコーピオンズによく似たこのヴォーカルも、ドイツならではのものである。

アメリカが一番だったこの頃、彼らもアメリカ進出を目指し、何度も渡米したそうだが、
なかなか相手にしてくれなかったらしい。そんな思いを深く感じさせてくれる9曲目のL.A.や
80年代フィーリングたっぷりの5曲目 LONGING FOR YOU、8曲目 NO MOREはふと忘れた頃に
必ず聴きたくなる名曲というか迷曲なのである。

このアルバムの次に、アメリカの大物プロデューサーを立ててポップな路線に走った彼ら。
nomは2枚しか聴いてないので、よく分からないが、このファーストアルバムは、
何も迷いがない。最高に素直な曲調をぜひ楽しんで欲しい。

98.07.13

戻る