第7話 桐生「俺もこの間ドライブ中に自販機コーナー見つけたよ、茨城なんだけどさ。 すごく雰囲気がいいんだよ、ハンバーガーとそばうどんの自販機があったかと思う。 自販機の置いてあるところは静かな感じで、奥には80年代の筐体の大きいゲームが 2,3台置いてあった。動いていたらゲームもやりたいね。」 太田「今度一緒に行こうよ、年始の挨拶周りか。」 桐生「じゃ正月は休んで2日に行くか、確定ね。」 太田「自販機コーナーって意外なところにあるよね、群馬だと国道以外に県道にもいっぱいあるし。」 桐生「探すのも楽しいよね、この道ありそうって思うとつい寄り道してしまうね。」 太田「目的地と逆の方向の県道ずっと真っ直ぐ行ってたりする、引き込まれてしまうよ。」 桐生「この冷え具合、自販機コーナーならではだね、外と大して変わらないんじゃない?」 太田「そろそろ帰るかね、故郷に別れ惜しいけど。」 桐生「どうせ年始にすぐ行くでしょ。」 そして外に出ると今までにない冷え込み、辺りは暗く自動車も通らない。 自販機コーナーの薄暗い明かりと遠くに市街地の明かりが見えるだけ。 桐生「深夜のこの雰囲気いいよね、ここだけまだ昭和だね。」 太田「最近自販機コーナーだいぶ減ってるけど、ここはいつまでも残ってほしいね。」 桐生「いやぁ、やっぱ外はすごい冷える、早く車乗ろう。」 国道を飛ばし我が町埼玉に戻ると、深夜でもギラギラした灯りが目に入る。 太田「コンビニやファミレスの明かりがまぶしい。」 桐生「少し前までいた群馬が恋しいねぇ。」 疲れきった二人はこの後出会う数々の自販機コーナーを通過し、 家に着くとすぐ暖かい布団で眠った。 |