24自販機 バカコンビ

第7話

桐生「俺もこの間ドライブ中に自販機コーナー見つけたよ、茨城なんだけどさ。
すごく雰囲気がいいんだよ、ハンバーガーとそばうどんの自販機があったかと思う。
自販機の置いてあるところは静かな感じで、奥には80年代の筐体の大きいゲームが
2,3台置いてあった。動いていたらゲームもやりたいね。」

太田「今度一緒に行こうよ、年始の挨拶周りか。」
桐生「じゃ正月は休んで2日に行くか、確定ね。」
太田「自販機コーナーって意外なところにあるよね、群馬だと国道以外に県道にもいっぱいあるし。」
桐生「探すのも楽しいよね、この道ありそうって思うとつい寄り道してしまうね。」
太田「目的地と逆の方向の県道ずっと真っ直ぐ行ってたりする、引き込まれてしまうよ。」
桐生「この冷え具合、自販機コーナーならではだね、外と大して変わらないんじゃない?」
太田「そろそろ帰るかね、故郷に別れ惜しいけど。」
桐生「どうせ年始にすぐ行くでしょ。」

そして外に出ると今までにない冷え込み、辺りは暗く自動車も通らない。
自販機コーナーの薄暗い明かりと遠くに市街地の明かりが見えるだけ。

桐生「深夜のこの雰囲気いいよね、ここだけまだ昭和だね。」
太田「最近自販機コーナーだいぶ減ってるけど、ここはいつまでも残ってほしいね。」
桐生「いやぁ、やっぱ外はすごい冷える、早く車乗ろう。」

国道を飛ばし我が町埼玉に戻ると、深夜でもギラギラした灯りが目に入る。

太田「コンビニやファミレスの明かりがまぶしい。」
桐生「少し前までいた群馬が恋しいねぇ。」

疲れきった二人はこの後出会う数々の自販機コーナーを通過し、
家に着くとすぐ暖かい布団で眠った。