自販機好きのためのIT講座



2. 3を押しても1のコーヒー牛乳が出る自販機、それはVLAN?

今ではもう珍しくはなくなった番号で選択するタイプの自販機。紙パックの牛乳自販機で特によく見かける。
1,2,3,4はコーヒー牛乳、5,6は牛乳、7,8は乳酸菌飲料、という風な感じで、最大20種類くらい入れられるのだが実際は売れ筋の何種類かということが多い。

この自販機でコーヒー牛乳を買おうとする場合、1〜4のどれを押してもいいのだが、3を押したのに1のコーヒー牛乳が出てきたりすることがある。
「オレ、3を押したはずなんだけど。」と思って自販機の方を見ると、だいたい書いてある”違う番号の同じ商品が出てくることがあります。”
「あー、そうなんだー」のような感じで、納得したかしてないか分からないままコーヒー牛乳を飲んでしまう。

これがどうVLANとつながるかというと、まずVLANというのはバーチャルLAN、、仮想LAN、、仮想地元ネットワーク、、ん、Local Areaは地元?。
ともかく、仮想のネットワークだな。
コンピュータで仮想化というのは、1つのものを複数のグループに分ける、或いはいくつかの物を1つにグループ化すること。
無いはずの物を存在しているように見せて、複数必要な物を1つで済ませたり逆に複数の物を1つとして使って冗長化もできる。

なので、VLANというのは1,2,3,4のボタンをVLANコーヒー牛乳として1つに束ねてしまうことなのだ。
そして、5,6はVLAN牛乳、7,8はVLAN乳酸菌飲料となる。
よって、VLANコーヒー牛乳から1本取り出してという操作に対し、1,2,3,4のどれかが出てくるというのは正しい動作なのだ。
実際のコンピュータのネットワークでは、L2スイッチ或いはL3スイッチという機器がこの動作をしている。
1,2,3,4ポートはVLAN 2 VLAN名はコーヒー牛乳、5,6はVLAN 3 VLAN名は牛乳、といった設定になる。

さらにVLANにはもう1つ機能がある。
今はもう無い栃木県足利市の自販機コーナーUFOを思い出してほしい。2台つながった軽食やパンの自販機があった。
あの自販機にも前述のコーヒー牛乳自販機のような機能はあるのだが、2台の自販機をつないでいる。
自販機間のケーブルでグループ情報を共有している訳だ。
これと同じような機能がVLANにもあって、トランクポート或いタグVLANという。
VLAN情報を2台以上の機器で共有するために使う。 例えば、
1台目 1,2,3,4はコーヒー牛乳 5,6は牛乳 7,8は乳酸菌飲料 9は(1台目と接続用)
2台目 1,2,3は清涼飲料水 4,5,6牛乳 7,8はオレンジジュース 9は(2台目と接続用)
という自販機をつないだとすると、
1台目と2台目の間では、1台目 タグ<コーヒー牛乳、牛乳、乳酸菌飲料>という設定をする、 そして、2台目 タグ<清涼飲料水、牛乳、オレンジジュース>という設定をする。
そうすると、お互いの自販機でどんな飲料(VLAN)を持っているか分かるようになる。
こうすることにより、何台でもVLAN情報を共有することができる。
1階と2階間で共有したり、時には離れた建物同士で共有することもある。
ちなみにタグではないところは、ネットワークでいうとアクセスポート或はアクセスVLANという。

このように、実はITの進化が自販機とネットワーク技術はどこかでつながっている、無理矢理感はあるけど。

下は以前栃木県のUFOに置いてあった自販機。そして、ボタンで選ぶタイプの自販機の例。

右はイメージ図、自販機をネットワークスイッチに見立てるとこんな感じ。



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2016.11.2