グインサーガ 枝サーガなど

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グインサーガには、直接本編と関係はないが、同じ世界観、つながった世界を持つ作品群が存在する。
これらは「枝サーガ」と呼ばれており、ここに紹介する。

■ トワイライト・サーガ1 カローンの蜘蛛(99/9/12)(角川文庫)
■ トワイライト・サーガ2 カナンの試練(99/9/12)(角川文庫)
■ パロスの剣(99/9/12)(角川文庫)
■ グインサーガハンドブック1(ハヤカワ文庫)
■ グインサーガハンドブック2(ハヤカワ文庫)
■ グインサーガハンドブック3(ハヤカワ文庫)
■ 魔境遊撃隊 第一部(99/9/12)(角川文庫)
■ 魔境遊撃隊 第二部(99/9/12)(角川文庫)
■ ローデス・サーガ1 南から来た男 上・下(2000/1/23)
■ マルガ・サーガ 凶星
■ ローデス・サーガ2 眠り姫の夜
■グイン・サーガPERFECT BOOK(別冊宝島シリーズ 宝島社)
■グインサーガ オフィシャル・ナビゲーションブック(早川書房)

トワイライトサーガ1
カローンの蜘蛛

辺境の「赤い街道」を行き惑う、類稀なる美少年と若き勇者の二人連れ。それは、パロスの闇王国の王子、ジェイナス神の申し子ゼフィ―ルと、草原の国トルースの貴族ヴァン・カルスの世を忍ぶ仮の姿であった。
神の禁忌に触れ、贖罪の放浪を続ける二人の行手には、美しくも妖しい神秘の数々が待ちうけていた・・・・・・。
〈語り部〉栗本薫が豊かなイマジネーションで紡ぎだす、剣と魔法の物語。”トワイライト・サーガ”開幕。(角川文庫カバー裏解説より)

トワイライト・サーガ2
カナンの試練

黒髪に銀冠をとめ、肌は絖(ぬめ)よりも白く、絹の旅衣を纏った世にも稀に美しい、パロスの闇王国の王子ゼフィ―ル。そして彼と奇妙な運命の糸で結ばれた、草原の国トルースの公子ヴァン・カルス。ジェイナスの許しを請うために、二人の旅は果てしなく続く。三千年の昔に栄えていたカラクダイの古代帝国の廃都”カナン”に封じられた謎を巡って展開される美しくも妖しい幾多もの神秘。異形の者たちが蠢く未知の次元に、彼等はいったい何を見るのか―。
現代の語り部が豊かなイマジネーションで紡ぎだす、剣と魔法の物語。(角川文庫カバー裏解説より)

パロスの剣

パロス第四王朝末期。時の君主アルディウスに一人の美しい王女があった。名はエルミニア。玲瓏にして燃える瞳。白馬を駆り剣に闌け、凛然と痩躯に男装を纏う佇いは、神話に顕れる美少年の姿だった。十八歳を迎え、結婚を父アルディウスより厳命されるが、時まさに隣国カウロスとの国交に揺れ、宮廷は叛徒の策謀に喘いでいる。運命の扉は、洗濯女フィオナとの出会いに開く。恋か。自由への希求か。エルミニアは渦巻く陰謀の中、秘法の剣を手に王国の存亡をかけ、栄光という名の、悲劇という名の闘いの途を独り疾る。
現代の語部が紡ぎだす運命の物語。感動に彩られて書下ろしで堂々の登場。(角川文庫カバー裏解説より)

魔境遊撃隊 第一部

作者のぼく、栗本薫は、友人の紹介で、気付いた時には奇妙な探検隊の一員にされていた。渡った島は南太平洋の巨石遺跡のあるセント・ジョセフ島。奇妙な出来事が続くなか、この島には、恐竜目撃の話も伝わっている。
超古代文明の謎、海底王国の存在の謎・・・・・・etc.はたしてこの島でいったい何が起きようとしているのか?
冒険と怪奇、驚愕と戦慄・・・・・・眩い限りに広がる幻想の世界Part1。(角川文庫カバー裏解説より)

魔境遊撃隊 第二部

ぼくこと作家・栗本薫は、美少年・印南薫が率いる探検隊の一員として、遥か南太平洋上の孤島で巨石文化の残る、セント・ジョセフ島まで来てしまった。
しかし、この島には不気味な謎と出来事があまりにも多い―半透明の怪鳥の目撃、奇妙な殺人事件に死体行方不明事件、そしてあらわれたゼリー状の怪物に巨大な太古の恐竜・・・・・・。危機から危機へ、冒険から冒険へ、物語はいよいよ佳境へ・・・・・・!
眩いばかりに広がる幻想と冒険の世界Part2。(角川文庫カバー裏解説より)

ローデス・サーガ1
南から来た男(上・下)
―APOCALYPSES AUSTRAL―

ケイロニア、12選帝候の1人、盲目のローデス候ロベルトは、ナタール河の岸辺に少数の共を連れてやってくる。
そこでロベルトは、奴隷商人の元を逃げ出してきたブライによって誘拐されてしまう。ブライは遥か南方、ランダーギアよりもさらに南に位置するゴアから奴隷として連れてこられたのだった。
誘拐されたロベルトは、その美貌故にブライによって犯される。しかし、ブライは、ロベルトの慈愛と自己犠牲の精神に直面し、いつしかロベルトに強い敬慕の念を抱いていくのであった。

その後、ロベルトは隣領ベルベディアによって救出されるが、ロベルトの幼馴染であったベルベディア選帝候ユリアスはロベルトに道ならぬ想いを告白する。さらに、兄ユリアスに対し狂気とも言える愛欲を持つユリアスの弟レグルスが、ロベルトに執拗に迫るのだった。
***
本作は、グインサーガの世界を舞台にしたヤオイ本である。ヤオイの定義はイマイチよくわからないが、「男性同士の恋愛を描いたもの」ってところか、多分。んでも、作者栗本薫がそー言ってるんだから、これはヤオイ本なのである。
なので?露骨な性描写がふんだんに登場する。
本作は、グインサーガの始まる数年前の出来事として描かれており、他の枝サーガとは違って、完全に世界が「グインサーガ」と一致する。しかし、作者栗本薫は本作をグインサーガの外伝とはしないで、ローデスサーガとして発表した。さらに、書店(一部を除く)では販売せず、天狼星On Line(http://member.nifty.ne.jp/tenro_tomokai/)による通信販売としている。極めて異色な同人色の強い1作となっている。

さて、私は本作を読んで、ちょっと残念だった。正直言えば、グインサーガでやって欲しくなかった、といったところか。って、本作はグインサーガではない、ローデスサーガだ、と言われてしまえばそれもそうだが、この直結した世界を、私には無視することはできない。
グインサーガの世界では、男色はそれほど珍しくないこととして登場する。しかし、それを前面に出したエピソードや表現はなかった(と思う、伏字で出ることがあるが・・・^^;)。んでも本作では露骨な表現が著しい。ってそのために一般書籍扱いしていないのだと思うが、逆にいえば、露骨な表現がしたかったから一般書籍扱いにしなかったといえよう。
んー、極めて好みの分かれる作品だと思った。

というわけで読んでみたローデスサーガ。ストーリーがどうの、キャラクターの魅力がどうの、という前に、「男性性器がどうの」、「どこそこに手突っ込んで痛がって」だのってゆー展開に嫌悪感を隠せないのであった。