<52nd Street>(Billy Joel)

1978年発売
(曲目)

  1. Big Shot
  2. Honesty
  3. My Life
  4. Zanzibar
  5. Stiletto
  6. Rosalinda's Eyes
  7. Half A Mile Away
  8. Until The Night
  9. 52nd Street

 市民生活の匂いを醸し出すピアニスト、とでもBilly Joelを呼べば良いのでしょうか。  もう一人の偉大なるピアニストElton Johnと比較した時に、感じることです。同じピアニスト であり、ロックン・ローラーである両者ですが、その作風には、かなり異なる面があります。 Elton Johnの方は、作曲だけで作詩はしないという面があるのでしょうが、どちらかと言うと、 生活の匂いというものを感じさせず、作品をおとぎの世界の出来事のように感じさせるところが、 あり、市民生活、特に労働者の生活を生き生きと描くBilly Joelとは、対照的です。
前作”The Stranger” でスターへのきっかけをつかんだ、Billy が、その人気と実力を 盤石のものとしたのが、このアルバム”52nd Street”です。これは、まさにニューヨーク市民の 生活を描いたもので、”My Life””Honesty”のような、ポップなナンバーもありますが、全体的に 大都市ニューヨークの息遣いを、緊張感あるハードな音で表現しており、まさにニューヨークを知り つくした者が作った傑作と言えるでしょう。
 気候も温暖で住みやすいウェスト・コーストよりも、やはり自分は、ニューヨークを愛しているという 彼のニューヨークに対する思い入れが伝わってくる1枚です。この後、Billy は、数々の名アルバムを 出しましたが、私は、この”52nd Street”にBilly の心髄を一番感じます。

   

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