1975年5月発売
(曲目)
お気に入りのアルバムを紹介するにあたり、第一弾としてはこのアルバムしかないであろうと
ずっと考えていました。1000枚近いコレクションの中で、文句なく一番好きで、一番良く
聴いたアルバムです。このアルバムは、Elton Johnのまさに絶頂期の1975年に発売された
アルバムで、全米アルバムチャ−トで史上初めて、初登場第1位を獲得した輝かしい歴史を
持つアルバムですが、内容も、それにふさわしいまさにファンタスティックなものとなっております。
このCaptain Fantastic は、Elton John自身で、Brown Dirt Cowboyは、相棒で作詞者のBernie Taupinを
あらわしたもので、二人の青春記念碑的なアルバムとなっております。まさに、それまでの二人の集大成が
このアルバムということが言えるでしょう。
私に一番大きな影響を与えたミュ−ジシャンは、もちろんBeatles でありましたがBeatles は解散してから
聴きましたので、リアルタイムでの感動は、Elton John から一番得たわけです。その意味で、Elton John
とともに、私は、成長していったということが言えると思います。まさに、70年代の初めから中頃に
かけてElton Johnは飛ぶ鳥を落とす勢いでした。出すアルバムは、1位になるし、シングルも必ずTOP10 に
入ってきました。毎週、全米TOP40 で彼の曲が何位になっているかを楽しみにラジオで聞いたものでした。
このアルバムでは、Elton のRock'n Roller としての面と、バラ−ドに見られる吟遊詩人的な面がうまく調和
しているということがいえましょう。この次のアルバムの”Rock Of The Westies"では、Rock'n roller としての面
が前面に出過ぎ、その次の”Blue Moves" では、逆にバラ−ド中心というように、この後のアルバムでは、その
調和が崩れて、その後の長い停滞期に入って行くことになります。私が、思うに、このアルバムであまりに完璧なもの
が出来たので、逆にそれが、プレッシャ−となっていったのかもしれません。
このアルバムに含まれている全10曲は、どれも素晴らしい出来栄えで、音も非常に分厚くなっております。
静かなギタ−の音色から始まるややカントリ−・タッチの色彩のあるアルバム・タイトル曲、シングルで出しても
大ヒットしたであろうポップなメロディ−を持ったBitter Fingers、Rock'n Roller としての面をあらわす
Meal Ticket、 エレクトリック・ピアノがほんわりとした暖かさをかもし出すマイルドなナンバ−のWriting、
Elton お得意のバラ−ドのWe All Fall In Love Sometimes、 最後の分厚いコ−ラスが感動的な
Someone Saved My Life TonightとCurtains。まさに、優しさと厳しさの両方を兼ね備え、 多種多様の音楽のエッセンスを
完璧に調理し尽くした、究極のアルバムです。
まだ、聴かれたことのない方は、だまされたと思って是非、一度聴いてみて下さい。素晴らしいポップの楽園に引きずり
込まれるでしょう。