1981年8月発売
(曲目)
1975年にデビュ−したJourney が、真のス−パ−・グル−プとして大ブレイクしたのが、
このアルバム"Escape"であります。最初は、ギタリストのNeal Schonを中心としたインストゥルメント
重視のグル−プでしたが、Steve Perry がボ−カリストとして加わってからは、ボ−カルの比重を高め、バラ−ドにも
食指を広げてファン層を広げていきました。そして、このアルバムから、キ−ボ−ドの
Jonathan Cain が加わり、彼の作曲能力の高さが生かされ、よりハ−ドで優しいという相反する要素を
見事に両立させた素晴らしい、80年代を代表するアルバムが出来上がりました。
オ−プニングのDon't Stop Believingは、聴く者をいきなりJourney マジックに引き込んでしまう
明るいポップなナンバ−。少し甘いが苦みのあるチョコレ−トといったところか。シングルとしても
大ヒットしたWho's Cryingは、これこそ新しいJourney の一面を見せ付けた大傑作。渋いバラ−ドで
ラストのNealのギタ−・ソロは泣かせます。ハ−ドなロック・ナンバ−も光っております。
Keep On Runnin' では、スピ−ド感あふれるサウンドが爽快です。また、Escape、Lay It Down、
Dead Or Alive と続くハ−ド・ロックでは、Nealの卓越したギタ−・テクニックが様々な場面で聴かれ、
また、Steve のハイ・ト−ン・ヴォイスでのシャウトは素晴らしく、特に、Lay It Down での
ヴォ−カルは絶品です。最後のOpen Arms は、これだけで聴くと、ちょっと甘すぎると感じるでしょうが、
非常なハ−ドなナンバ−のあとで聴くと、ほっとするのです。まさしく、こってりした料理の後のデザ−トの
ようなものなのです。
優れた演奏者と、ボ−カリストと、作曲者と、三拍子そろえば、良いものができるのは、至極当然の
ことでしょう。
最近、再び、この時のメンバ−で再結成され、"Trial By Fire" いうアルバムが発売されました。
時間は、だいぶ経ちましたが、以前と変わらぬJourney のサウンドが聞けてうれしかったです。是非、
この"Escape"に負けない素晴らしいアルバムを出してほしいものです。