1995年発売
(曲目)
80年代後半以降、女性ボ−カルの進出ぶりはすさまじく、Whitney Houston、Mariah Carey、
Janet Jackson、最近では、Celine Dion等、枚挙に事欠きません。しかし、その中で、この2−3年間の
うちで、もっとも衝撃的だったのは、このAlanis Morisetteの登場でしょう。この”Jagged Little Pill”
は、全米で千数百万枚を売る大ヒットアルバムとなりました。
Whitney やMariahのような、正統派と異なり、過激な歌詞を体一杯使ってエネルギッシュに歌う(叫ぶと
言うほうが適当かもしれない)Alanisは、Janis Jopplin の再来ともいわれ、私達に心地好い衝撃を
与えてくれました。
このアルバムの1曲目の”All I Really Want”から私達をノック・アウトさせてくれます。正統な歌唱法とは
およそ無縁な、ただ、体に生じる全エネルギ−を思いのたけぶつけているというこのパワーの凄さに愕然とします。
Whitney やMariahのような優等生の歌に慣れ過ぎていた私には、品はないが物凄くエロティックで露骨なセックス・アピール
を振りまく娼婦の毒牙にかかるとでもいうような、新たな毒々しい世界に完全に引きずり込まれました。
続く”You Oughta Know”や”Hand In My Pocket”でも同様なAlanis節が聴かれます。静と動が目まぐるしく入れ替わり、
平板な曲はほとんどなく、聴くものを飽きさせません。
このアルバムが出てもう2年がたち、そろそろニュー・アルバムを期待したい時期となってきました。
今後、彼女がどのように成長していくかに興味が尽きません。