1982年発売
(曲目)
Fleetwood Macは、Mick FleetwoodとJohn Mcvieが中心になってできたグループで、
60年代から活躍している実力派のベテラン・グループです。後にサンタナでヒットした
”Black Magic Woman”は、このFleetwood Macのオリジナルです。このグループが脚光を
浴び出したのは、70年代の半ば近くになった時で、リンゼイ・バッキンガム、クリスティー・マクヴィー、
スティーヴィー・ニックスがメンバーとして参加してからです。アルバム”Fleetwood Mac”がヒットして
からは、日の出の勢いで、アルバム”Rumors”では、全米チャート31週間トップを続けるという
偉業を成し遂げました。私も、彼らの代表作を選ぶに当たっては、この”Rumors”も当然、候補として
考えましたが、じっくり考えた上でこの”Mirage”を選びました。”Rumors”がどちらかと言うと、クールな
乾いた感じを抱かせるのに対し、この”Mirage”は、暖かでしっとりした感じを与え、聴くものをなごませて
くれます。殺伐とした、現在には、この”Mirage”の暖かさがより必要であろうとも考えました。
とにかく、どの曲もシングル・ヒットができるメロディーの良さがあります。先程、話した途中参加の3人
は、作曲能力もあり、ボーカルもできる才能のある人たちでしたので、それが、このグループを大きく飛躍
させた要因でしょう。3人の作曲家、それにボーカルがあれば、かなりバラエティーに富んだ曲作りが
出来る可能性が生じますが、彼らは、その能力を最大限に生かし、素晴らしい曲を次々に生み出していきました。
このアルバムからシングル・カットされた”Hold Me””Gypsy”は、その代表でありましょう。特に、私は、
”Gypasy”でのスティーヴィーのボーカルが好きです。決して美声とはいえない(むしろ悪声であろう)鼻にかかった
クールな声が、この曲調にぴったりです。この2曲以外の曲も、出来は決して劣るものではなく、このアルバムは、
数少ない1枚を通して聴けるものです。
最近、このメンバーで、”Dance”というニュー・アルバムを発表して健在ぶりを示しているFleetwood Macですが、
次は、是非、このメンバーでの全曲新曲のオリジナル・アルバムを作っていただきたいと思います。