1979年発売
(曲目)
1970年代の後半、イギリスでは、既存の音楽に飽きたらない若者の間で、パンク・ロックが
一大ム−ブメントとなりました。それは、やがて、より新しい音楽を産み出す起爆剤となり、
1978年から80年にかけて、イギリスから、ニュ−・ウェ−ブといわれる新しい音楽の波が
世界に広がっていきました。Crash 、Pretenders、Boomtown Rats らとともに、そのニュ−・ウェ−ブの
中心となり、アメリカでも大成功をおさめたのが、このPoliceです。
Rock Groupとしては、最少単位の3人編成ですが、レゲエのリズムを取り入れる新しさ、切れのあるスピ−ディ−な
サウンドは、まさに新しい時代の音楽を感じさせ、若者を熱狂させました。
出したオリジナル・アルバムは、全部で5枚しかなく、活動時期も短かったですが、80年代前半に
しっかりと足跡を刻み付けました。このアルバムは、その中の2枚目で、私は、一番キレのある
アルバムだと思います。
Policeというと、まず、Sting が中心人物としてあげられますが、このアルバムでは、Stewart の曲が
3曲、3人の共作が2曲あり、全アルバムの中で、最も3人のバランスのとれたアルバムということが
できるでしょう。
シングルとなりギタ−のアルペジオではじまるMessage In A Bottle を聞くと、おわかりでしょうが、
ドラムとベ−スで醸し出すリズムが、それまでの一般のロックよりも細かく、それがよりシャ−プな
印象を与え、この曲や、次のインストゥルメンタル・ナンバ−のアルバム・タイトル曲の
Regatta De Blanc、It's Alright for You、Contact といったアップ・テンポの曲では、スピ−ドあるニュ−・ウェ−ブの
サウンドを強烈に印象づけます。アップ・テンポ以外の曲のWalking On The Moon、The Bed's Too
Big Without You では、Sting のはりのあるボ−カルが平板になりがちな曲調に鮮やかな彩りを
与えています。Stewart の曲のOn Any Other Dayや、Does Everyone Stare は、ややコミカルな色彩を
帯びており、アルバムの音楽性に幅の広がりをもたらしております。
現在は、3人ともソロ活動に専念しており、グル−プとしての活動は、停止しているのが残念ですが、
彼らの足跡をもう一度たどってみるのには、このアルバムは最適でしょう。