<RSI>

 RSIは、オシレーターの一種である。オシレーターには、他に、ストキャスティックス やモーメンタム等があるが、その中で、RSIは、もっとも、一般的に使われている。
 オシレーターというのは、買われ過ぎ、売られ過ぎをチェックする指標であり、 本来これを単独で用いるものではなく、他の、トレンドをはかる指標を補完する役割が 主である。だから、その役割を理解しないと、大きな間違いを犯すことになる。

 

[RSIとは]


 RSIとは、(Relative Strength Index--相対力指数)過去、X日間のうち、前日比上昇 した日の上昇幅を合計したものを、上昇した日の上昇幅と下落した日の下落幅の絶対値の 合計で割ったものである。

 
             前日比上昇した日の上昇幅の合計
RSI=------------------------------------------------------------------------
    前日比上昇した日の上昇幅の合計+絶対値(前日比下降した日の下落幅の合計)

 例えば、10日間のRSIを求める場合、上昇した日の上昇幅の合計が500であり、 下落した日の下落幅の合計が300であった場合、RSIは、500/(300+500) で、62.5%となる。このRSIの数字は、最大で100、最小で0となる。
 通常、70以上で売り、30以下で買いと言われるが、画一的な使い方は危険で ある。

[RSIの使い方]


 まず、X日間のXをいくらにするかである。良く、マーケットで使われているのは、 9日、14日あたりか。
 私は、短期で7日、中期で25日、長期で90日のRSIを使っている。短期の7日 では、トレンドに早くついていけるが、時々、ダマシがでてくるので、中期の25日と 併用している。
 ただ、先程も述べたように、RSIは、あくまでもトレンドの行き過ぎを示唆する もので、トレンドを決めるものではない。だから、私は、エリオット波動をトレンドを はかる手法として、主におき、RSIは、相場の行き過ぎの注意報という観点でとらえて いる。あくまで、補完的な役割なのである。その補完的な役割も効く時と効かない時 がある。
 例えば、相場が、底をうって、上昇トレンドに入りかけた場合や、長いもみ合いの レンジから上下どちらかに放れた場合は、RSIが効かないケースが多い。
 具体的には、95年2月に長いもみ合いから上に放れた債券相場の場合。
RSI7日では、一般に売りゾーンといわれている70%を18日連続、その後も 15日連続で超えた。RSI25日でも、なんと34日連続して超えているのである。  70%を超えた時点で、売っていれば大変な損を被ったのである。特に、日本の 債券市場は、機関投資家(サラリーマン投資家ともいう)しか参加しておらず、リスク をとれる投資家が全く存在しないので、相場が一方に振れやすい。債券市場では、過去 の大相場では、RSIが10日以上連続することは、珍しくなく良くあることなのである。 だから、債券相場では、トレンドがはっきり出た相場では、RSIの高水準が数日続いて いるというだけでは、売ってはならないのである。
 一方、RSIが効きやすい相場は、あるレンジ内でのもみ合い相場である。今年の 2月から4月にかけては、債券相場は、もみ合い相場であった。この期間、RSI7日 で、20%以下で買い、80%以上で売りとすると、

 
  (2.20)117.50  買い
 (3. 4)118.51  売り  +1.01
 
 (3.26)118.45  買い
 (4. 1)119.82  売り  +1.37

と好結果が得られている。
 しかし、その債券相場も8月上旬から、レンジを上に放れてきており、しばらくは、 RSIが効かない状況になってきている。
 このように、現在の相場トレンドによって、RSIを使い分けなくては、いけない ことが、おわかりになられたであろう。
 最後に、RSIと債券相場のおもしろい関係について。
長期のRSI90日の値と、債券相場の高値、安値が妙に符号しているのである。
 例えば、

 
  (87. 5.12)118.55    78.20
 (87.10. 5) 94.80    34.15
 (90. 9.28) 87.15    35.08
 (94. 1. 7)118.30    68.90

ここで、左の日付の日の債券相場の終値と、その日のRSI90日の値をだしているが、 この日は、いずれも終値ベースでの最高値、最安値をつけた日であるが、その日の RSI90日の値も同様に、最高値、最安値をつけている。これは、単なる偶然以上の ものがあると考えるのは、私だけであろうか。

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