「朝」10月号〜12月号掲載

10月号(7月投句)

坂道のロシヤ教会雲五月    はまなすや独り歩きの煉瓦道

万緑や木漏れ日弾く切通し    早朝の池面の揺れや蓮開く

函館のロシヤ正教会               三渓園の蓮の花

11月号(8月投句)

蝉しぐれ兵士の墓の追悼記  トマト熟れ風吹き寄する小庭かな

紫に染まる筑波嶺秋暑し     盂蘭盆会蔓のからまる手水鉢

 

筑波山の日の出                  横浜英連邦兵士の墓の追悼記

12月号(9月投句)

妻の忌の雨のしとしと秋扇     新涼の煉瓦通りや海見ゆる

鳥渡る北の海峡暮れゆけり  オホーツクの海の匂ひや海猫帰る

知床より国後島を望む               羅臼港の海猫      

BGMはより

組曲「惑星」より「木星」 クスターブ.ホルスト(1874-1934:イギリス)の1916年の作品

木星ジュピターは古代ローマの至上の神でギリシャ・オリンパスの山々の守護神でもある。

国民的な行事や宗教的祝曲に結びつく儀式的な喜びを表現したものと言う