俳句会誌「朝」

      

       平成24年1月号(11月投句

      海鳥に鉄鎖の重き秋の暮れ   葡萄食む元気でをるを褒められて

    山間の日を撥ね柿の実のたわわ  家苞に金木犀の香を束ね

    

        氷川丸の鉄鎖

        

     2月号(12月投句)

     高階に沈む落暉やそぞろ寒   竹林の深閑として冬の寺

      金色の阿弥陀三尊初しぐれ   竹林の透き間の雨の冬めけり

     

京都天竜寺の竹林

        

   3月号(1月投句)

      水烟る浄土が池や枯れ深し   霜月の伽藍金堂静もれる

      伽藍まで銀杏落葉の嵩踏んで  霜月の白雲に乗り逝き給ふ

                             (俳友 高階 謙さんの逝去を悼む)

      

称名寺の阿字が池

        

  4月号(2月投句)

     耳朶に寒さ沁み入る切通し   左義長の火の粉の勢い被りけり

     シリウスの瞬く空やどんど焼き   どんど果つ波音闇に高まれり

     

大磯の左義長

    

BGMはより戴きました
LizstのLacampanellaはあまりにも有名、フジ子ヘミングがカーネギーホールで
「奇跡の.カンパネラ」と演奏した