俳句会誌「朝」
平成24年9月号(7月投句)
病棟の灯りてしんと明け易し 青葉冷え心音響く手術室
退院の空の青さよ桐の花 潜り戸に覗き穴あり梅雨の晴
10月号(8月投句)
畦川の瀬音激しや夏蓬 送電の鉄塔高き梅雨の明
朝涼や孟宗竹の真直ぐなる 絶妙の大道芸や夏旺ん
三渓園の竹林
11月号(9月投句)
筑波嶺の風の織りなす稲田かな 干戈なき日本に生きて終戦日
海桐の実コクリコ坂に鴎飛ぶ 鬼怒川の透くる流れや盆終る
大佛次郎記念館 港の見える丘にて
12月号(10月投句)
葉月なる休耕田の草の丈 十六夜や樹下のベンチの濡れてをり
港には港の匂ひ鳥渡る 柔らかき筑波山の風や豊の秋
毬江画伯の染色画 鴎飛ぶ
BGMは より
「タイスの冥想曲」 ジュール.マスネ作曲の歌劇「タイ-ス」の間奏曲(1894年)から。
4世紀末のアレクサンドリアの堕落した娼婦タイスを救おうとする若い修道士が
逆にタイスの肉体に魅惑されて堕落すると言う、この修道士の姿を描いたと言う。