花粉症 スギ花粉 花粉症のメカニズム 顕微鏡写真
すべての花粉は花粉症を起こす可能性があり、なかでも花粉症の原因となっている代表的な植物は、スギ、ヒノキ科。
ハンノキなどのカバノキ科、カモガヤなどのイネ科、ブタクサ、ヨモギなどのキク科などの植物が知られています。

人体は、異物・花粉(抗原=アレルゲン)が体内に入ると、マクロファージと呼ばれる細胞が「抗原」の侵入を感知し、
体内で「抗体(IgE抗体)」を作って 異物を体外へ追い出そう・侵入防止しよう、とするための反応を起こします。
この働きの過剰な反応がアレルギーです(個人差あり)。
花粉が原因となって現れる症状を花粉症と呼び、花粉症の4大症状は、くしゃみ・鼻みず・鼻づまり・目のカユミです。

スギ花粉が目や鼻の粘膜に付着すると、アレルギーを起こす物質である抗原(アレルゲン)が花粉から溶け出します。
この抗原を追い出し・侵入防止のために体内で抗体が作り出され、そのIgE抗体が*肥満細胞の表面に付着・蓄積されます。
肥満細胞からアレルギーを起こす*ヒスタミンや、*ロイコトリエンという物質が放出されます。

* 肥満細胞は、細胞の中にヒスタミン、ロイコトリエンなどのアレルギーを起こす化学物質を含んでいます。体の肥満とは関係ありません。

*ヒスタミンの働きによって、知覚神経が刺激されて発生した、くしゃみ・鼻水で花粉を体外へ追い出す役目をします。
*ロイコトリエンの働きによって、まぶた・鼻の粘膜の血管を膨張させて鼻の穴を狭くしたり、広がった目の血管から
出る分泌物で花粉の侵入を防止しています。そのため、粘膜がはれて目のかゆみ・鼻づまりが起こったりする訳です。
杉花粉の顕微鏡写真
スギ花粉の大きさ: 直径30〜40μm(3/100mm)
スギ花粉の形状:  パピラ・突起(写真左下)がある。
          花粉は、周囲を殻に包まれている。

スギ花粉の採取方法は、次の方法で収集しました。
スライドグラスとホールスライドグラスにワセリンを薄く塗って、
雨に当たらない場所に一日間置いて集めました。
ホールスライドグラスは、花粉を湿らせるとき好都合。

衣服や目鼻などに飛散した当初、
乾いている状態のスギ花粉
 花粉症のメカニズム
1. 水で湿らせたスギ花粉の写真。
花粉が目や鼻の粘膜に付着して湿った状態。
2. スギ花粉が目や鼻の水分で濡れると殻が割れます。
割れ目から花粉の内容物が飛び出した瞬間の写真。
水分によって殻が割れ、内容物が飛び出したスギ花粉の写真。
3. さらに殻が割れて花粉の内容物にのって、
抗原(アレルゲン)も飛び出しました。
内容物の中に強い抗原性があって、
アレルギーを起こします。
4. 花粉の内容物はさらに流れ出て
アレルゲンが広がります。
花粉が目や鼻の粘膜に付着して水分を吸うと花粉は移動し、たちまちの内に殻が割れて、
アレルギーを引き起こす物質である抗原(アレルゲン)が花粉から溶け出します(大きい円)。
この抗原を体外へ追い出し、侵入防止のために体内で抗体が作り出されます。
抗体が肥満細胞の表面に付着・蓄積されます。
5. 花粉の内容物は、さらに流れ出て大きく広がります。
内容物は殻から離れて移動していきます。
6. 殻から離れて移動していった内容物は。
  体内でつくられたIgE抗体が花粉、
  肥満細胞と結びつき、
  肥満細胞からアレルギーを起こすヒスタミンや
  ロイコトリエンという物質を放出します。
スギ花粉の殻が水分によって割れ、花粉・内容物が飛び出すと・・・

肥満細胞からアレルギーを起こすヒスタミンや、ロイコトリエンという物質が放出されるため、
ヒスタミンの働きによって知覚神経を刺激されて、くしゃみや鼻水が出たり、
ロイコトリエンの働きによって目や鼻の血管を膨張させるため、粘膜がはれて目のかゆみ・鼻づまりが発生します。

花粉の殻が割れて内容物が飛び出す現象だけでも、花粉症の様々な症状が起きそうです。
花粉症の方には厄介な花粉ですが、現在、無花粉杉も栽培されています。
やがて、スギ花粉症に悩む方が減少することを願っています。

花粉症の方は、ゴーグルやマスクを着用して花粉侵入の防止をお勧めします。
私は、子どもの頃にスギの実を細い竹筒に詰めて飛ばす杉鉄砲を作って遊んだ経験があるせいか、
お陰様で現在も花粉症にはなっていません。

 もう一つの 顕微鏡写真
乾いている状態のスギ花粉の写真
衣服や目鼻などに飛散した当初のスギ花粉。
1. 水で湿らせたスギ花粉の写真。
花粉が目や鼻の粘膜に付着して湿った状態。
2. スギ花粉が目や鼻の水分で濡れると殻が割れます。
割れ目から花粉の内容物が飛び出した瞬間の写真。
3. さらに殻が割れて花粉の内容物にのって、抗原(アレルゲン)も飛び出しました。
内容物の中に強い抗原性があって、強いアレルギーを起こします。
4. 花粉の内容物はさらに流れ出てアレルゲンが広がります。
5. 花粉の内容物はさらに流れ出て大きく広がります。
やがて内容物は殻から離れて移動してゆきます。
体内でつくられたIgE抗体が花粉や肥満細胞と結びつき、
肥満細胞からアレルギーを起こすヒスタミンや
ロイコトリエンという物質を放出します。
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