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カイコの産卵
カイコの産卵。 交尾が終わって数時間経つとカイコは産卵を始め、約3日間、産卵します。
卵が産卵管から出る瞬間(光沢がある)。産みつけられる卵は糊状の分泌物で被われているため紙にもくっつく。
産卵管には粘液腺が開口していて、粘液腺からの分泌液が卵にくっつくため、産卵瞬間の卵には濡れた光沢があります。
分泌液は産卵した卵が、産卵場所にくっつきやすいように糊の役割をします。
カイコの産卵数は、1腹/500〜700個。 約3日間、産卵します。
卵を産んでない場所を産卵管で探りながら、卵が重ならないようにひとつ一つ産みます、
産卵床: 円の直径40mm、高さ20mmの丸い箱。
その中に交尾後の♀を入れると、ランダムに産卵する個体(上)と、
先ず、全周に産卵した後、中心に向かってキチンと並べて産卵する個体(写真右)がいます。
この個体は2-3時間で500卵産み、ところ狭しと重ねて産卵したため、ふたつ目の産卵床に移すと、約200個産卵、合計約700個産卵。

産卵数は、交尾時間差には関係ありません。
蛾尿を排泄する前に交尾した個体は、産卵数が減ります。


カイコの卵

家蚕(屋内飼育)カイコの卵には、産卵した年に孵化する卵、越年して孵化する卵との2種があります。
前者を非休眠卵、後者を休眠卵といいます。

カイコの卵
大きさ : 長径1.3mm  短径1mm  厚さ0.5mm
形   : 平らな楕円形
産卵数 : 1蛾(ガ)1腹: 約500粒(個)
孵化日数: 約2週間


非休眠卵
非休眠卵の色は黄色。
産卵した年に孵化する卵。

カイコの卵を蚕種と呼びます。
品種によっては、年1化と2化あるいは3化があります。

カイコの品種改良は、エックス線照射や複数種の掛け合わせなどによって、科学的に行われています。
たとえば、黄白(おうはく)という品種は、中国03号・04号×日本03号・04号の4種を掛け合わせた品種です。
このように科学的につくられた品種の卵は、死んだり、卵を経て伝わる病気や、育成不良が発生など、
遺伝的に健康なカイコが生まれない可能性が高い訳です。

そこで、農家では、それぞれの養蚕時期に合わせて休眠卵を購入します。

休眠卵

休眠卵の色は黒色。
産卵した翌年の春に孵化する卵。


農家の蚕期に合わせて蚕種を配布するため、
産卵から2日後に低温(5℃)で眠らせた卵を希塩酸に浸し、浸酸処理して目覚めさせます。

蚕期は、春蚕期(4月中旬〜6月中旬)から夏蚕期、初秋蚕期、晩秋期などがあります。

♂も♀も羽化から約2週間後に、カイコの一生は終ります。
カイコの一生は50〜60日前後。
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