人と鳥の前肢・下肢の骨格 構造と名称

人と鳥の前肢 骨格構造と名称
鳥のつばさ
鳥の前肢(まえあし)は,飛ぶために翼へと変化しました。
ヒトは手で物をつかんだり,土を掘ったりしますが,
鳥は嘴で巣材をくわえてきたり,足で巣穴を掘ったり,巣穴の卵を嘴と足で回転させたりして,
前肢のように嘴と足を使っています。
ときには,翼を使ってバランスをとり,転ぶのを防いでいます。


初列風切は,
ふつう11枚ですが,鳥の種類によっては9-12枚あります。
羽の数え方は,内側から1番,2番,3番と順に数えます。

次列風切は,
鳥の種類によって,さまざまな枚数があり,6枚から37枚まであります。
羽の数え方は,外側から1番,2番,3番と順に数えます。

三列風切は,
次列風切の内側の一部を三列風切という場合や,風切羽と胴体のすき間を補う働きをする
上腕骨についている羽をいう場合があるため,「三列風切」という用語は統一されていません。

飛ぶために,どのように進化したか
飛行するために軽くする必要から,いくつかの骨は癒合(ゆごう)し,不要な骨をなくしました。
ヒトも鳥も前肢は,1. 二の腕・前腕 2. ・上腕 3. 手の3つに分かれます。緑文字はヒト
手は,1. 手首 2. 手のひら 3. 指の3つに分かれます。
手首を構成する手根骨は,ヒトの場合は8個で,鳥はとう骨側手根骨と尺骨側手根骨の2個の骨で軽量化しています。
また,手のひらを構成する中手骨は,ヒトの場合5本ですが,鳥は1個の手根中手骨だけです。
は,ヒトの場合5本ですが,鳥は3本です。
前肢(まえあし)の骨格数  人と鳥の比較
骨  格  名
手首を構成する手根骨
8 個
2 個(とう骨側手根骨と尺骨側手根骨)
手のひらを構成する中手骨
5 本
1 個(手根中手骨)
指を構成する指骨
5 本
第1指
2 個
3 本
第1指
1 個
第2指
3 個
第2指
2 個
第3指
3 個
第3指
1 個
第4指
3 個
第4指 無し
第5指
3 個
第5指 無し
鳥は、骨を癒合・減少することによって軽量化しました。
骨の補強

鳥の骨は,癒合・減少によって軽量化し,さらに骨をパイプ状の中空にして軽量化したうえ,
強い気流に耐えて飛ぶために補強をしました。
補強は,筋交いを中空の中に入れて丈夫な骨に進化しました。


人と鳥の下肢 骨格構造と名称
ダイサギの肢(limb)
下  肢

「あし」は,脚(leg)と足(foot)を合わせて,肢(limb)と呼びます。
前肢(上肢)に対し,後肢(下肢)といいます。
鳥は前肢を翼に変えたため,前肢で行うことを嘴や下肢で行います。
したがって,鳥の歩行は,動物では希な.... ヒトと同じように2本脚で歩きます。

下肢は,柱脚(ちゅうきゃく),軛脚(やっきゃく), 自脚で構成されています。
人の下肢は,柱脚が腿(もも),軛脚が脛(すね),自脚が足にあたります。

鳥の下肢は,柱骨の大腿骨,軛脚の脛骨・腓骨,自脚のふ骨・蹠骨,趾骨です。
ふ骨・蹠骨が癒合して,ふ蹠骨になって,非常に発達しています。

潜水採食する鳥(カイツブリ)は,脛骨突起が非常に発達しています。

木にとまる鳥の趾(あしゆび)は,すべての趾が地面に接する位置にあり,第1趾が長い。
鳥の足は,趾骨だけが地面に接し,趾(あしゆび)の数は4本が基本形です。
第1趾は後向きについているために後趾,第2指は内趾,第3趾は中趾,第4趾は外趾と
呼ばれています。 鳥類の第5趾は退化したため,ありません。
木にとまることのない鳥の第1趾は,他の趾よりも高い位置にあり,短い。
第1趾が退化した鳥もいます。

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