大賀蓮

2000年前の古代ハス
大賀ハス
〜 千葉公園 古代のロマンを永遠に
大賀ハス
古代蓮 大賀蓮記念碑
大賀ハス
 分 類 水生植物 スイレン科/ハス属/   別名:*ハチス
 
花 期 6月下旬から7月中旬。 朝、開花して午後は閉じる。
 形 態 花 径: 240〜280mm。 中から大型。
     花弁数: 細長い舟形の花弁が15〜20枚ほど。一重咲き。
     花 色: 鮮やかなピンクで非常に優美。
     葉・花茎長: 800mmから1,000mm。
     葉の大きさ: 350から450mm前後。
     葉の表面にはミクロの毛があって、水をはじく性質がある。
 
増え方 地下茎で増える。
 
分 布 全北区、東洋区など(インド、中国、日本、北アメリカ)。
     日当たりの良い池や沼、水をはった田などの粘土質を好む。


 
* ハチスは、花托が蜂の巣に似ていることから蜂巣=ハチスと呼ばれる。
   
    
大賀蓮記念碑 記念碑に刻まれている文

昭和26年3月、
千葉検見川東京大学グランド地下より発見された3粒の蓮の実は、
蓮の権威者大賀一郎博士に依り、約2000年前のものと鑑定され、
その年の5月発芽し、翌年7月18日見事に開花した。

その後、此処千葉公園に移植され、毎年、薄紅色の美しい花を開いている。
また、ここから世界各地にも送られ、友好親善を深めている。
この蓮の永久に生命あらんことを念じて止まない。

    昭和58年7月18日

    撰文 千葉蓮の会会長
    杉大郁太郎
    千葉市・千葉公園

大賀ハス発掘から発見の経緯、開花の経緯

1948-1949年(昭和23-24)、元・東京大学総合運動場(当時、東京大学検見川厚生農場 = 落合遺跡)で、
慶応義塾大学の調査団によって丸木舟を3隻と、オール6本が発掘され、ここは「縄文時代の船だまり」と推測した。

1951年(昭和26)3月、植物学者・大賀一郎博士(1883-1964)は、地元の花園中学校の生徒たちと共に遺跡を
発掘調査した。
3月30日、花園中学校女子生徒(西野真理子)が、千葉市検見川(花見川区朝日が丘町)、地下約6メートルの泥炭層から
最初にハスの実1個を発掘した。
4月06日、2個のハスの実を発掘し、発見したハスの実は、合計3粒になった。

ハスの権威者・大賀博士は、それらの年代を明確にするため、ハスの実、丸木舟の一部などをシカゴ大学へ送って
年代分析・鑑定を依頼した。 その結果、それらが弥生時代(約2000年前)のものであることが判明した。

1951年、大賀博士は発見した3粒の発芽を試みたが、2粒は失敗に終わり、5月、残りの1粒が発芽に成功した。
1952年(昭和27)7月18日、早朝、伊原氏宅(醤油製造)の庭で、ピンク色の見事な花(古代ハス)が咲いた。

1953年(昭和28)8月5日、千葉市弁天池に移植し、4〜5本が開花した。
1954年(昭和29)6月8日、千葉県天然記念物に指定された。

以来、大賀ハスは「世界最古の花」として、海外でも大きい反響を得た。
その古代ハスは千葉県千葉市千葉公園から日本各地をはじめ、世界各国へ根分けされ、友好親善を深めている。
なお、大賀ハスは、「千葉市の花」にもなっている。

古代ハス群落 ハスの花
夜に開花するスイレンを除き、ハスもスイレンも早朝開花し、
午後には花弁を閉じるという共通性があります。
大賀ハス・古代ハスは、開花・閉じるを3回くり返し、4回目の開花後、花弁を閉じることもなく、散ってしまいます。
初開花から散るまでの間、花色は鮮やかなピンクから次第に白色へと変化して行きます。(写真 左下の白い花)。
ハチス
花弁の中央には蜂の巣に似た花托(かたく)があることから、
ハチスと呼ばれているハスの実や、地下茎(蓮根 = レンコン)も、食料となります。
千葉公園 千葉公園の桜
千葉公園は桜の名所でもあり、ソメイヨシノ、シダレザクラが咲き、古代ハス・・・と四季折々の花が楽しめます。
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