春の彼岸を過ぎ、日照時間が長くなるにつれて
換羽(かんう)= 羽毛の抜け換わりがはじまり、
真冬、純白だった羽毛の色は、頭部・首・胸から黒褐色に換わってゆきます。
腹部・足・翼は通年、白い羽毛で、目・嘴・爪・尾羽は通年、黒色です。
|
||||||
採食中のメス | ||||||
|
||||||
採食中のオス
|
||||||
ライチョウの採食生態 高山帯のお花畑(雪田植生)やハイマツ林のふち、雪の少ない風衝植生で、地上をゆっくり歩いて採食し、 ときには飛翔して離れた餌場へ移動。 5-6月、ダケカンバ、ミヤマハンノキ、ウラジロナナカマド、樹木の芽などを採食し、 7月、雪田植生の若葉、つぼみ、花などを採食し、 8-9月、草の実や樹木の実や葉などを採食し、 冬期、脚や嘴で雪をかき分け、コケモモ、ミネズオウ、ガンコウランなどの常緑わい性灌木の実を |
||||||
縄張り
繁殖期は、オスの縄張り活動によって、ライチョウの群れは分散します。
3月下旬になると『縄張りを作って』ゆき、オスが作った縄張りで、番(つがい)が生活をします。
縄張りの中で、巣づくり・交尾・産卵・抱卵・孵化・育雛(いくすう)...などの繁殖(子育て)と
採餌・休息などの生活の全てが行われます。
縄張りの順位が高いほど、繁殖と生活のより良い縄張り環境が持てるため、
好条件の縄張りを取り合う縄張り争いや、
形成した縄張りへ接近・侵入して餌を食べるオス・メスに対しても威嚇(いかく)し、
"縄張りの順位"を 争う縄張り争いを行い、より良い縄張りとなる自分の餌場を確保してゆきます。
縄張りの広さは、つがいになったオスで10,000平方メートル。
一夫二妻で15,000平方メートル(Cramp & Simmons, 1980)。
メスを迎える繁殖期のオスの羽毛は『繁殖羽・婚姻色』で、一年のなかで一番美しい。
黒色の地に波模様の細かい褐色黄斑の斑点があり、全体が黒褐色に見えます。
まだ白い羽毛も混じっています。
縄張りが解消すると、婚姻色は薄らいでゆきます。
繁殖期になると繁殖可能なオスの肉冠は興奮しなくても顕著になり、
閉じられていても大きい肉冠を観察できます。
肉冠を閉じてもバーダーの写真のように全く見えなくなりません。
メスをもてないオスを『あぶれオス』といい、その肉冠は貧弱でした。
あぶれオスの縄張は、6,000平方メートル(Cramp & Simmons, 1980)、
雪原にねぐらをもちます。
警戒の見張りをするオス
|
|
||||
|
|||||
縄張りを持つオスは、つがい構成されると、
縄張り内にある岩やハイマツの上で360度見渡し、『警戒の見張り』をします。 繁殖期になると、見張りの回数が著しく多くなります。 縄張りを持つ順位が高いほど、縄張り内に見晴らしの良い岩などが持てます。 |
|||||
|
|
Nature Photo Gallery = S.Ochi`s HomePage に掲載の写真・記事の無断転載を禁じます。
すべての著作権は、越智 伸二に帰属します。
Copyright(c) Shinji Ochi. No reproduction or republication without written permission.