迷走録 2003年5月

 

平成15年5月25日

昨日久し振りに師匠のレッスンを受けた。前回は4月12日だったので、1月以上も間が空いてしまった。今回は前回からのレッスンの間に、それぞれ何年振りかに音信不通であった元某英会話学校の(別の)生徒の近況を持ち寄って、前半はその話題で盛り上がりました。

師匠は、Nさんがイギリスから出した絵はがきを持ってきてくれて、わたしに読ませてくれました。(個人情報等が全くない、単なる旅の報告なので、読ませてくれました。師匠はパーソナル・データの保持には十分配慮していますので、為念。)そして、なんと師匠は、はがきをさしだして文歩的誤りを探せとのたまった。ほぼ毎行ごとにエラーがあるすざましいものでしたが、わたしには、とても自然な英文のように思えました。それで、師匠にそういうと、ちゃんと内容が伝わってくるいい手紙だと同意してくれました。

それから、話しは、大学の教員や学習者(大学生や院生に限らず)の日本人の書く変な英文に移りました。わたしも最近、信じられないような変な英文にたびたび出会ったので、いくつかを持参して、自分が正しいかどうか師匠に確認してみました。(変なというのは、例えば教授なのに、意味は充分正しく通じるが、このレベルの人なら使わないで欲しいという、ぎこちないスタイルで書かれたものも含む。)それ以外にも、ネイティブ(教養のある人なので、文句は内容と態度だけですが、・・・。)の書いたもので、こいつの英語はお仕着せがましく傲慢だというのも、持っていって、どうしてそう感じるか例を挙げて説明してみました。師匠は、一応(ネイティブの文も含めて)全てに同意してくれました。特に、ネイティブの傲慢な文に対しては、しばらく真剣に考えこんでいましたが、「Very uncomfortable!」ということで、意見が一致しました。

まあ、わたしもNさんも英語については、ほとんどゼロのところから、師匠にたたき込まれたので、師匠の気に入るような文章が書けるのは、ある意味当然かも?問題にしているのは、文法的なこととか、内容のレベルでなく、直訳でなく英語的に自然な流れであるかという点です。これは、最初につまずくとなかなか乗り越えられない人もいるようです。実際、CAEのクラスにも、ひとりそういう人がいました。知識はあるし、(英語だけでなく)勉強一般についても(わたしなんぞは、遠く及ばないような)優秀な方だったのですが、・・・。

なんだか、偉そうなことを書いていますが、わたしや師匠のスタンスが絶対だという気持ちは毛頭ありませんし、わたしの英語力なんぞは、こんなことを書くのもおこがましいくらいお粗末なものだということも、重々承知しています。ただ、こんなレベルのわたしから見ても変な英文が多いということがいいたかったのです。

スタイル自体についていえば、いくつかの有名なスタイル・ブックも読んだことがありますが、なかには師匠のようなスタイルを悪例としているものもありました。まあ、いってしまえば、スタイルというのは、細かな点になってくると、単に好みの問題という気もしてきます。わたしも、例えば、この迷走録では、「です」「ます」体の一致とかは、完全に無視して、自分の気持ちがなるべくストレートにだせるように書いています。こういうのも、人によっては許せないような駄文なんだろうなあとは思います。

レッスンでは、そこから延々、悪口やゴシップで盛り上がりました。帰りがけに、わたしの英語が、進歩したかどうか聞いてみたのですが、今日は内容に集中してしたので、全然気が付かなかったとのことでした。(このやりとりを聞きながら、それで判断して)それでも、イントネーションも含み、話し方が格段にナチュラルになったといってくれました。徐々に英国から帰国直後のレベルに戻りつつあるというコメントがもらえたのは、うれしかった。しかし、肝心のイギリス英語度については???ということでした。

次回は、イギリス英語度検分のために、考えながら訥々と話すような難しい話題でなく、話の弾むようなトピックでいこうということになりました。次回までに、いいトピックを探して、イギリス英語度をアップさせなくては!

 

平成15年5月18日

アマゾンUKで購入したビデオが今日届いた。Get Ahead - A Short Cut To Straight A's Paul McKenna - New Hypnotherapy Series - Accelerated LearningPass That Examの3本を購入したのだが、 New Hypnotherapy Series - Accelerated Learning は、アメリカ英語だったGet Ahead は、最初にトニー・ブザンが出てくるところと、生徒の感想等がイギリス英語なだけで、後はほとんどアメリカ英語でした。Pass That Exam の方は、イギリス英語でした。しかし、これでは、わざわざイギリスから取り寄せた意味が、・・・。

3本とも、3分の1から半分ほど見ただけですが、メインのところは、意味はほとんどわかります。説明なので、普通の会話よりはゆっくり・はっきり話されているのと、レクチャー形式の英語に慣れているせいだと思います。ほとんどのところは英語ということを意識しなくて内容を追っていけました。映像が理解を助けるつくりになっているという要因もあるとは思いますが、・・・。ただ、知らない表現等があるとところだと思いますが、時々理解の流れが止まってすっぽり空白ができます。それから、トニー・ブザンと Pass That Exam の開発者の話しでは、早さに追いつけないところが結構あったし、さすがに学者の説明は語彙や文の構造も難しいので内容を追うことに困難を感じます。

しばらくは、ネイティブ向けの実用ビデオでも見て、英語力のブラッシュアップでもしようかなと思います。実用ビデオを10本くらい(何度も繰り返して)見て、楽にこなせるようになったら、次はTVドラマに挑戦しようと思います。レクチャーには慣れていますが、ネイティブ同士の日常会話で使われる表現については蓄積がゼロに近いので、TVドラマは少なくとも初めのうちは相当苦労すると思います。今まで、TVドラマを字幕なしで楽しめたという記憶がありません。1話30分くらいのドラマでもきびしいのに映画を楽しんでみることができる日が来るのは、いったい、いつの日のことだろう?道は遠い!!

 

平成15年5月11日

最近、昔買った ACCELERATED ENGLISH(ACE)を取り出して通勤の時に聞いています。Ann Cook 著 American Accent Training (Barons) で、ストレスとイントネーションを少し勉強したお陰で、イギリス英語も聞きやすくなりました。ストレスとイントネーションが耳に入ってくると、リテンションが格段に楽になるようです。個々の音とストレスやイントネーションを聞いているところは別なのかも知れません。とにかく、別世界に入ったような感じがします。気分いいです。

昔ギターを少しかじったときに、アルペジオを覚えたら、伴奏のギターのアルペジオが耳に飛び込んでくるようになりました。ベースやドラムも、友人のを少し触らせてもらったことがあるのですが、そのあとは、やはり良く音が聞こえるようになっていました。American Accent Training 練習した後は、イギリス英語、アメリカ英語に拘わらず、ストレスとイントネーションが(前より)よく耳に入ってくるようになりました。アメリカ英語に拒絶反応がないのなら、ストレスとイントネーションに行き詰まっている人は、一度試してみるといいかもしれません。

ストレスとイントネーションは、イギリス英語、アメリカ英語ともに特徴的なものもあるようですが、共通しているところも多いようです。アメリカ英語のほうが、強烈でかつ基本は単純なので、最初にまねするにはイギリス英語より簡単だと思います。また、 American Accent Training は良くできているので、飽きさせません。これでコツを掴むとイギリス英語のイントネーションも聞きやすくなると思います。ただし、これを試して、アメリカ英語が染みついてしまうようなことになっても、わたしに解消方法を聞かないでくださいね。わたしにとっても、未知の世界なのですから。

 

平成15年5月5日

5月3日の大学院の開校式とガイダンスの後の懇親会で、少しだけアメリカ人の先生と話しました。地名の「おばた」の「お」の発音を聞き取ってくれませんでした。地名なので日本語の発音でしたのですが、「よばた」だか「ゆばた」だか忘れましたが子音から始まる発音で2回も聞き直されました。それで「Oh」といったらすぐに通じました。彼はその地名を良く知っているのに通じなかったのは、日本語の「お」の発音が hot(英ホット・米ハット)の「オ」とも O(oh)(英アウ・米オウ)の「アウ」とも違っているからでしょう。ちなみに、LPDによると京都の正しい英語の発音は /ki @Ut @U/( SAMPA で記述。カナにすれば、キアウタウくらいの感じ?)だそうです。

自分ではイギリス英語で話しているつもりなのですが、今回も含めてネイティブからは誰にも、イギリス英語を話されますねといってもらえた試しがありません。ロンドン大学では発音クラスのジェフ先生からアメリカ英語の発音を学んだのかと聞かれる始末です。「おれの発音のどの辺がアメリカ風やねん!」と思って尋ねてみると、「Unreleased T」(語末のTの発音に際して、舌はTの位置に行くが発音しない)を使ったからだそうです。

おお確かに、「Unreleased T」を使っているやん。いつの間に。恐るべしアメリカ英語。確かに、よほど訓練していないと、「Unreleased T」を意識せずに普通の会話に使ってネイティブに正しく聞き取ってもらえるような日本人は少ないかも。過去の負の遺産ということですな。でも、意識して矯正したので、変なアメリカ英語を話す日本人には、『おれは「Unreleased T」も発音できるぜい』と自慢できるのさ。ふふふ。って、その前にネイティブからきれいなイギリス英語ですねといわれるようになるのが先か?いや、せめて「きれい」といわれなくても、イギリス英語を勉強したのですかと聞かれるようにならねば。

今度師匠のレッスンでどれくらい発音のイギリス度が上がったか聞いてみなくては、・・・。まあ、聞かなくても、師匠のお言葉は大体想像つくけどね。

 

平成15年5月4日

昨日(5月3日)、大学院の開校式とガイダンスと懇親会がありました。日本にいる教授陣は全て(イギリスとアメリカにいる各1名除く)出席され、科目の紹介をされました。アメリカ人が2人いて、英語で説明されたので、生で英語を聞く機会が持てて良かった。最近師匠の英語以外生の英語はほとんど聞いていないからなあ。でも、問題なく聞けました。ただ履修前に聞けるともっと良かったと思う。日程的には、仕方ないのだろう。実際、テキストがまだ1冊入荷していないのだから、この辺が限界なのでしょう。

テキストも、1冊を除き少し前に送られてきました。荷を開けると山のような分量です。しばらく、まじまじと見てしまいました。かつて、この山を見てノイローゼのような状態になってしまった方があるそうです。うーん、納得。また、やる気になってテキストを開いたはいいが、数行で眩暈がして本を閉じてしまった方もあるそうです。確かに、変形生成文法の英文テキストなんぞは、わたしにとっても、かなりきつそうです。

懇親会は、立食形式というのかな、軽食とアルコール類がありました。種類は多くなかったのですが、結構高級そうなものもあり美味しかった。エスカルゴ食べまくりました。満足。パテもおいしかったなあ。

担当教授がビールをたくさん注いでくださった(おいおい逆だろ!)ので、普段あまり飲まないビールを飲みました。会場でも結構酔いが回っていたのですが、後でへべれけになりました。きつかった。やはり教授の前では緊張していたのだろうなあ、・・・。

開校式も無事に終わり、これで名実ともに(ちゃんと勉強してるかって?)院生となったような気がしました。やるぞー!!

 

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