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RP(容認発音)とアクセント


RP(容認発音)って・・・・

RP(Received Pronunciation:容認発音)とは、もともとは、英国の南東部の教養ある人々、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、パブリック・スクールで話されていた英語です。

1920年代にBBCがニュース発音の発音として採用 、その後「BBCイングリュシュ」とも呼ばれてきました。しかし、1970〜80年代にかけて、地域の特性を出して放送するような流れがやってきます。今や、BBCアナウンサーも自分の出身地のアクセントを使う傾向があり、正式なRPが聞ける機会はめっきり減ってしまいました。

サッチャー元首相が、訓練して自分の発音をRPに変えたのは有名な話です。それでも、あせったときは、元のアクセントに戻っていたらしい(笑)。

イギリスでは、ひとこと話すと、その人の社会階級とか出身地が分かってしまうとも言われています。20世紀の初め頃までは、この種の英語を話さないと、政府や軍などでも、上層部の位を得ることができなかったのだとか。

でも実際、これは中〜上流階級のアクセントで、英国全人口の3〜4パーセントしか話さないといいます。ああ、その中に入ってみたかった(笑)。


☆パブリック・スクール・アクセント

パブリック・スクールとは何ぞや?public(パブリック)というからには公立かな、と思いきや、イギリスの公立校は「state school」、私立は「independent school」。この私立校約2500校のうち、約230校が校長会議のメンバーで、パブリック・スクールと呼ばれるのです。イートン校とか、ラグビー校とか、つまり名門中の名門ですな。

このパブリック・スクールでは、13から18歳まで中高一貫教育が行われ、有名校ではだいたい全寮制です。学校によって独特のスラングがあるようですが、こういった学校で話される英語がパブリック・スクール・アクセント。「アクセント」といっても、発音だけではなく用法等も含まれす。たとえ労働者階級の出身でも、全寮制という閉じた世界だし、笑いものになるのがいやだから、みんなパブリック・スクール・アクセントに直す傾向にあるようです。



☆オックスフォード・アクセント

「パブリック・スクール・アクセント」と同様に、RP(容認発音)の一種。「パブリック・スクール・アクセント」と同じ意味で使われることもあります。

ちなみに、ケンブリッジでも「オックスフード・アクセント」が使われているんですけど、「ケンブリッジ・アクセント」という言葉はないようですね。オックスフォードとケンブリッジを合わせた「オックスブリッジ」という言葉があり、「オックスブリッジ・アクセント」という言葉は使われるみたいです。なんだか不公平な気がしますが(笑)。

といっても、オックスフォードの学生全員は「オックスフォード・アクセント」を話しているわけではありません。パブリック・スクール出身者は約半分だし、留学生も多いし。大学生といえばもう大人、パブリック・スクールと違って、みんな無理になおそうとはしないようです。