師匠について

 

師匠は、50年代生まれのイギリス人です。イングランドのミッドランド出身です。ミッドランドとはいいますが、かなりウェールズに近いほうです。RPでもなくエスチュリーでもない、まあスタンダードなイギリス英語を話されます。RPを話される大将とはアクセントも性格も対照的です。

師匠は、特に裕福な家庭に育ったわけではないのですが、子供のころは訛りのない(or少ない)英語を話したので、よく「Posh T**」とからかわれたそうです。師匠によると、「よくテレビを見ていたので、その影響かも知れない」とのことでした。そのころは、かなりRPよりの英語を話されたようです。

その時は、それにしても「Posh T**  といわれるほどのもんかい?」という感想を持った程度でしたが、のちに納得しました。師匠が里帰りされた時に地元のパブ等で撮影されたビデオを見せていただいたときのことです。アクセント(訛り)が強くてほとんどなにいってるかわかりませんでした。師匠も地元の人たちと話されるときは訛りまくってました。RPよりでなくて今の普通のときの師匠のアクセントでも十分Poshに響くんじゃないかと思ってしまうほどです。

師匠に初めて会ったころ、私がRPを習いたいといったら、師匠はかなり批判的でした。ロンドン大学のサマーコースでお世話になったジェフ先生もそうですが、「おれは、RPなんて話さない」という強いポリシーを感じました。師匠やジェフ先生が育ったころはにはエスチュリーなんてものはなかったわけですから、当時の一般の庶民の感覚ではアクセントは上流とそれ以外にスパッと分かれていたのでしょう。これからは、エスチュリーを話す教師が増えてくるかもしれません。いろいろな意味で師匠やジェフ先生のようにビシバシしごく味のある先生は出てこなくなるのではないかと思います

 

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