平成17年4月2日
昨日エープリルフール版をアップしました。エープリルフール版のことは告げずに、ただ4月1日の更新をご覧下さいとメールした方々からしか反響がありませんでした。その中の数人の方には、お詫びのメールをお出ししたのですが、お一人『おいっ!』とだけ書かれた返事をくださった方がおられました。怖かった。
それにしても、エープリルフール用のネタとはいえ真剣に作ったのに反響がなくて残念。いっそ、このまま本当にホームページ閉鎖にしようかなと思いましたが、常連様方の暖かいメールで辛くも思いとどまりました。
かねてから、一度やってみたかったエープリルフールのお祭り騒ぎでしたが、反響が少なくてがっかり。chikashiオリジナル・リスニング力・アップ・テクニックは、半分冗談みたいノリでしたが、結構いいセンいってると思ったのにな。私は、密かに続けて、絶対リスニング力をアップしてやるぞ。ふんっ!
平成17年4月3日
リンクを1件見追加しました。「イギリス英語 -
好きこそ物の上手なれ」です。イギリス在住の翻訳者・打田さんのサイトです。相互リンクです。英語の上級者を目指す人を対象の英語上級者サロンで、いろいろ参考になる情報があります。「勉強法について」のページに書いてある「地道に努力すること」は、基本ですが重要だと思います。
「地道に努力すること」。まさにその通りなのですが、実行は難しいです。前にいろいろな格闘技をやっている仲間が集まって、あーされたらどーする・こーされたらあーするとみんなで蘊蓄をたれていたとき、ある人の言葉にはっとしました。剣道をやっている友達が言った言葉ですが、「これは基本だから難しい」。基本は、少し上達すると軽く見過ごしがちですが、疎かにすると足下を掬われかねません。さすが剣道家。日本の古き良き精神をよく理解しています。
空手も柔道も世界に広まりましたが、テレビ等で垣間見る分では、良い意味でも悪い意味でもスポーツ化したと思います。もちろん空手家や柔道家の中には日本古来の精神性を重視されている方もおられるとは思うのですが、インターナショナルになればなるほど日本カラーが薄れて競技中心になるのは避けられない傾向のような気がします。それに比べ、剣道や弓道はフェンシングやアーチェリー(respectively)があるので、日本 的な武道とインターナショナル競技の棲み分けができるのではないかと思います。個人的には、カラーの柔道着だけは、止めてほしかったと思う。さらにもう一つ個人的には、「戦わずして勝つ」とか「神武不殺(しんぶふさつ)の精神」の方が、世界的に広がっていってほしいと思う。
閑話休題。「イギリス英語 - 好きこそ物の上手なれ」の管理人さんのブログもとても参考になります。ブログの場所は、打田さんのサイトの中のどこかにありますので捜してみて下さい。変にイギリスかぶれしていないし、妙に浮ついたところもないので、好感が持てます。変に感化されて顰蹙のエープリルフール版をアップした作者といたしましては、見習わなくてはならないところが一杯です。
最初の基本の話しに戻りますが、打田さんの言われるとおり、中級者以上なら「勉強法を考える暇があったら少しでも多くの英語に触れることです。ささっ、時間を無駄にしないで早速取り掛かりましょう!」です。得てして理屈っぽい男性は、往々にして「手段が目的化」しがちです。しかし、研究を生業としている学者ならいざ知らず、一介の院生も含めて一般の学習者は、上級者を目指すなら地道な努力あるのみです。
※本エッセイは、インターネットに蔓延(はびこ)る一部のアカデミックまがいの戯論(けろん)を排除しようとするものではありません。まがいもの理論は、似非治療法やインチキ健康食品と違って、医師法や薬事法のような取り締まる法規がありません。商品販売に悪用したとしても詐欺での立件は難しいのではないかと思います。それに、例えまがい物でも、公共の福祉に著しく反しない限りは、日本国憲法にある思想・信条の自由の精神によって最大限尊重されるべきだとは思います。なんといっても、(一応)日本は法治国家ですから。でも、『信じる者は(足下)掬(すく)われる』(あるいは『信じる者は騙される』)ですから。信者にチョンで儲(もう)けですから、みなさん気をつけましょう。
売れ筋の発音教本にも、有名な音声学者以外のものは、音声学的説明が間違っているものは多いです。主流でない音声学者や音声学者らしき人の書いたものもにも、かなり勉強している院生でも聞いたことないようなことを、出典もなしに堂々と書いていることがあるので、一応念のため疑ってかかりましょう。私は、トンデモ発音教本も含めて、否定的実験結果がなければ、どんな学習法も方法自体は否定しませんが、アカデミックな装いで(例え著者の善意によるものだとしても、結果的に誤っている)嘘の解説を書くのだけは止めて欲しいと思います。
平成17年4月11日
前回、
空手も柔道も世界に広まったと書きましたが、それで思い出したことを、一つ。彼らは、柔道着や空手着のことを「ギ」と呼ぶそうです。ネットで見てみると、The
traditional karate uniform is called a "Gi", pronounced gee.等の記述も見られます。でも、日本語ネイティブとしては、海辺や川辺を「ベ」といったら変なように、相当おかしいのだが、・・・。
濁音一字の大和言葉の名詞は思い浮かばないな。一瞬「蛾」が頭に浮かんだが、これとて「我」の音が「ガ」なので、「蛾」は大和言葉ではないのかも知れないような気がしてきた。こういう語感は、ネイティブでないとむずかしいのだろうな。
逆に、普通の日本人には、英語の語感がむずかしかったりする。英語の音声現象の規則性やパターンの修得の程度をチェックしてみるのにおもしろい例があったので、清水克正著『英語音声学 理論と学習』(勁草書房)から引用してみる。次の擬似的な単語から英語に属するものと属さないものに分けなさい。
flib, slin, vlim, smid, fnit, vrig, plit, tlit, brid, bnin
みなさん、どうですか?全部今のところ英語にない単語のはずなので、どれも見たことないはずです。私は、やってみましたが一つ間違えました。
『英語音声学 理論と学習』には、「英語の話者は、一瞥して上記のうち vlim, fnit, vrig, tlit, bnin は英語の単語に属するものではないことを判断する。換言すれば、英語の話者は、単語の語頭に/vl-/, /fn-/, /vr-/, /tl-/, /bn-/ などの組み合わせが現れないことを知っており、英語の音声の組み合わせには一定の制限があることを示している。」と説明されています。 (借用語等例外はありますが、単音節の語なら例外は、ほとんどないと思います。日本語から英語になった津波 tsunami は、英語では通常、語頭で /ts/ と発音しないので、スナミと発音する人もいるそうです。)
さて、私が間違えたのは、 smid でした。 間違った後で自分で考えてみて、一瞬「/sm-/の組み合わせなんてあるか?」と思いましたが、「そういえば、smell があるな。でも少ないのでは?」と思い直して辞書を見たら、山ほどありました。small, smile 等中学レベルの単語もあります。そこで、次には「いやいや/smi-/(スミ:スマイでなく)の音の組み合わせがないから、俺様は英語じゃないと思ったのだ。」という間違いを認めたくない気持ちが浮かび上がってきました。でも、smith 等数語がありました。残念。でもでも、smith を含む単語以外はほんの数個でしかも口語や文語と書いてあったものなので、まあ知らなくて当然かという気持ちもしました。まあ、なんとなく少しだけ語感がよくなりだしたかなという気もしないではないですが、・・・。文語と口語の習得という課題も浮き彫りにされたような気もします。
前回、前々回に続き格闘技ネタです。興味のない人すみません。今回は中国拳法です。 Kung
fu は、日本では普通カンフーと言っています。英語の発音について2冊の発音辞典で調べてみると、LPDの方は、
英米の区別がなくて、
/kʌŋ fuː/ が一番目で、2番目に
/kʊŋ fuː/
です。EPDでは、イギリスは/kʊŋ
fuː/,
/kʌŋ fuː/
の順で、アメリカが
/kʌŋ fuː/,
/kʊŋ fuː/,
/gʊŋ fuː/
でした。たぶん
kung fu
という単語がイギリスで一般に注目されたのは、ブルース・リーの映画が最初ではないかと思います。映画では、リーは「クンフー」と発音しています。イギリス人は最初に耳で聞いた
ひとが多いので、クンフー派がアメリカより多いのではないでしょうか?
アメリカでは、カンフー映画がヒットする前から、中国拳法が行われていました。たぶんそれほどメジャーではなかったと思うので、最初に文字で見てカンフーと読んだのではないかと思います。あとは、グンフーという発音についての疑問が残ります。功夫は広東語だとグンフーと発音するそうです。太極拳は別にすると、 当時アメリカで主に知られていたのは南方系の中国拳法 のようなので、グンフーと発音されていたと思われます。アメリカでグンフーと発音する人は、最初にグンフーと耳で聞いた人たちが多いのではないでしょうか?ものの本によりますと、香港出身のブルース・リーは、元々は、グンフーと発音していたそうです。 映画に出る前にアメリカで功夫のインストラクターをしていた時代もグンフーと発音していたらしいです。生前にアメリカで出版されたリーの『基本中国拳法』には、GUNG FUと書かれているということです。
ここまでなら、ブルース・リーおたくなら知っていそうですが、さらに音声学専攻らしい蘊蓄を一つ。功夫は、北京官話(Mandarin Chinese)でも、アルファベットで表記すると gung fu なのです。でも、発音は英語に当てはめると /kʊŋ fuː/ なのです。これは、英語で(日本語でもですが)Kにあたる発音が北京官話には2種類あって、それぞれにKとGの文字があてられているのです。よって、ブルース・リーがGUNG FUと書いたものも、もしかしたら単に功夫をアルファベットで書いただけ で北京官話の /kʊŋ fuː/ のつもりだったのかも知れません。
英語の日本式発音でも、香港(Hong Kong)や卓球(の口語:ping-pong)は、ホンコン・ピンポン(respectively)ですが、キングコング(King Kong) は、キンコンでなく、キングコングです。これも、たぶんキングコングの方は、映画の宣伝のときに、宣伝する人が文字をみて発音を決めたからではないかと思います。 ばらばらに入ってきた単語の複合語の発音となると複雑で、team と teaching でチーム・ティーチングです。チーム・チーチングやティーム・ティーチングにはなっていないようです。将来的には、smooth がスムースからスムーズに改善されたように、ティーム・ティーチングに変わっていくかも知れませんね。さらに進んでティーム・ティーチンになったとすると、元の面影がさらに薄くなりそうです。
ノートパソコンのハードディスクが一杯になってきてスピードが落ちた。耐えられなくなってデスクトップを買った。USBオーディオ入出力デバイスも買った。DATもカセットもPCにコピーできる。これで、やっとイントネーションのピッチをソフトで分析できる。
USBオーディオ入出力デバイスに音声編集ソフトもついてきたので、いろいろなことができそうだ。とりあえず、基本単語5000と英検1級用の単語の音声を少しずつ、辞書のソフトからCDかMDに落としてみようかな。基本単語5000は、『ニュープロシード英和辞典』ので覚えている。辞書の左上にコラムがあって、そこに見開き2ぺ-ジにある基本単語5000に該当する単語が意味と使用頻度とともに載っている。付属のしおりを使うと英語を見て意味を言うという練習ができる。さすが学研の辞書だ。英和の中では、例文も一番気に入っている。すぐ飽きそうだけど、もし5000語全部を発音も正しく覚え直したら、かなり実力がアップするだろうな。
平成17年4月24日
英検対策用にCDを買いました。『英検1級2次試験スピーチ集&スピーチ添削サービス Club Sulis』http://www.clubsulis.com/で購入しました。これがなんと、イギリス英語なのです。イギリス英語と英検対策を兼ねそろえた教材はなかなかないと思うので、貴重だと思います。まだ、1回ざっと通して聞いただけなのですが、よくできているのではないかと思います。もう少し使い込んでみてから、また感想を書いてみようと思います。
3月に受けたTOEICの結果が届きました。前回より25点、前々回と比べると55点も下がってしまいました。しばし、悔しさに打ちひしがれていましたが、めらめらとやる気が湧いてきました。6月12日実施の英検1級と6月26日実施のTOEICの受験を決めました。この春は、もえるぞ!
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