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 講 演 会


「死別を体験した子どもたち」 ――心のケアとサポート――
講師: シンシア・ホワイトさん (ダギーセンタートレーニングディレクター)

日時:1999年11月13日(土) 13:00〜16:00
場所:東京いきいきらいふ推進センター視聴覚室
新宿区神楽坂河岸1−1 セントラルプラザ6階


グリーフ(GRIFE:悲しみ、悲嘆の意)について3つのことをお話ししたいと思います。
(1)子どもがグリーフを経験するのか。
(2)みんながどうサポートしていくのか。
(3)死や病気をどう話題にしていくのか。
 グリーフとは、悲しみ、悲嘆、死だけでなく家族の病気、離婚、別れもグリーフです。ここでは、死や病気にともなうグリーフを考えたいと思います。

 グリーフはパワフルでとても大切な経験です。自然なことであり、健全なもので、グリーフ経験をどうサポートするか(が重要です)。カウンセリング、アドバイスが必要なのではなく必要なのはサポートであり、何かをする力を感じることで、困難に対処していけるのです。愛することができる年齢はグリーフ体験がわかる年齢であり、グリーフは、一人、一人その人に必要のある体験となっています。グリーフは終ることがなく、その人と共にいることがサポートで、グリーフを体験することによってエネルギーを与えてもらえます。

 大人は言葉で表現できますが、子どもは言葉で言い表せないことが多く、行動することで表現しています。子どもは、受容してくれる人がいる場合、語ってくれます。


ダギーセンター(グリーフケエアをしている施設)の紹介
 世界で100以上の施設があり全米で28ヶ所、日本ではルーテル大学に『てとてとて』というサポートグループがあります。
 
ダギーセンターの火山の部屋でエネルギーを発散させていて、殴ったり、放り投げたり、レスリング、重量挙げ、パンチ、フッティング等、抵抗によって自分のエネルギーの強さを感じられます。

 ダギーセンターは、エネルギーの強さに合わせて安全に表現できる環境を提供しいます。(ぬいぐるみのくま、サンドバック等)。子どもは自分で遊びを選べることが大切です。 グリーフが大きくなると思考に障害が起き、空虚感、頭痛等、身体に変調をきたし健康に影響を与えます。


ダギーセンターのルール
・ルールを破ってはいけない。
・安全に表現できる場を作ること。
・他の人を殴ってはいけない。
・物にパンチをしても良い。

 ダギーセンターでは、遊びは子どもが決めています。 子どもが自由に話せる環境をつくり、自由にグリーフ、死を話題にできます。自己紹介をします。パスをしてもよいのです。もしパスをしないで話しをしとき、圧倒されパワフルな体験となります。 エネルギーは高くなり、最後まで紹介しきれないうちに遊びたくなります。遊ぶことも癒しとなります。

 スタッフが質問をしていき、お母さんが亡くなった時(思い出の絵や写真を持ってくる)お葬式はどうだったか、死、病気を話題にすることが第一のステップでただ聞くだけでいいのです。

 子どもの癒しには(サポートの大切さは表現しなおすことが役立つ)、「○○なのね・・・・・」と鏡でうつしかえることで、子どもは聞いてくれていると感じます。子どもの願いを聞いていく、そして一緒に行動することが大切です。2年経ってから出現する子も多く、行動、情緒面で問題の起きる子もいます。

 時間が経てば癒されるといわれていますが、サポートにかかわった人によって癒されていくのだと思います。どういう時にグリーフがおきるのか知ることが大切です。

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