『“お笑い界の勝ち組企業”吉本興業は
女性にモテる人材をつくる』


<その2>
      おぼこ
 第六は「幼」です。
 いわゆる「オボコ」さが必要だということです。オボコさは、女性の母性本能をくすぐるようでして、「何でも知っている」「何でもできる」「スタイルなんかも完全すぎる」では、母性本能をくすぐらないそうです。要は、「私が助けてあげなければ・・」と思われる人になると良いということです。


      せりふ
 第七は「科白」です。
 それも喧嘩の仲裁には入れるくらいの科白が言えると最高です。喧嘩の仲裁に入ることができるということは、両者を公平に裁くことができるということです。両者を公平に裁くということは、常識をタップリ身につけていなければなりません。
 そのためには勉強を常日頃から疎にできないということです。あと、世話好きというのも欠かせないでしょう。


      ちから
 第八は「力」です。
 これは、「力持ち」という意味ではなく、簡単に言えば「健康」です。
 例えば芸人・タレントなんかの場合、22〜55才位の間にチャンスがくるケースがよくあります。先ず、そのチャンスを上手にものにするということが大事なのですが、いわゆる「売れる」ようになりますと大変ハードなスケジュールになってきます。
 睡眠は日に2〜3時間というのが何日も続く・・移動の連続・・食事も不規則・・病気になる・・脱落・・というケースをあげればキリがない位みてきたそうです。

 この健康で重要なことは、本人=「核となる」人だけでなく、まわりの人間・・例えばマネージャー・両親・配偶者・兄弟等も含めて健康でないと本人=核となる人まで潰れてしまいます。そのよい例は選挙です。周りの人達のサポートやアシストも大切なのです。


      きも
 第九は「肝」です。肝っ玉です。
 つまり決断できるかどうかなのです。決断を要するということは、人生においていろいろの形であらわれてきます。始める決断・止める決断、その他人生は決断だらけです。
 ホンダの本田宗一郎氏は、「1%の成功は99%の失敗の上になりたつ」と述べておりますが、特に失敗したとき、「如何に早く止めるか」の決断は非常に大切です。

 止めると決断したとき、重要なことがあります。それは、始めるときいろいろ人にお世話になっているはずです。アドバイスをくれた人、金を出してくれた人、いろいろバックアップしてくれた人等、因果関係のある人が、数多くいるはずです。これらの人達に止めることの説明をすべきです。それが因果関係のあった人達への礼儀でしょうし、もう一度立ち上げるとき助けてくれるかもしれません。少なくとも足を引っ張られることはないでしょう。

 失敗に屋上屋を重ねる愚は避けなければなりません。


             ひょうばん
 最後の第十は「評判」です。

 世間の評判というものは、大変大切で且つ恐いものです。評判を落とさないためには、いわゆる「日頃のオコナイ」が大事です。



§「もう一つは笑顔」§

 さらにもう一つ加えさせてもらいますと、それは「笑顔」です。
 笑顔を絶やさないようにすることが大事です。それも「作り笑顔」でない笑顔を・・。
 「作り笑顔」はすぐバレて、かえって相手を不快にしてしまいます。


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 今回は、吉本興業株式会社の経営戦略・人材の育成ということでしたが、いかがでしたか?デジタル時代といわれて久しいですが、デジタルの時代になっても、人を育てるのはやはり人なのです。
 どういう人を育てるか?それはその企業によってさまざまだと思いますが、接客業ということでしたら、今回の内容は何かしら参考になることがあると思います。

 女性にモテる、女性に好かれるということで長々と紹介してきたわけですが、これは人にモテる、人に好かれるというふうに置き換えてもいいかと思います。豊臣秀吉が「人たらし」であったという話は有名ですが、人に好かれるということは決して悪いことではないと思いますので、何かしら参考にしていただければ幸いです。


(注)本文は、FP STATION「お笑い界の勝ち組企業 吉本興業は女性にモテる人材をつくる」・みずほ総合研究所 第19期大坂経営研究会 講演要旨 「吉本流人材育成 『人を見つける、人を育てる、人を活かす』」を参考に作成しております。



『“お笑い界の勝ち組企業”吉本興業は女性にモテる人材をつくる』

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