上高地 の ケショウヤナギ ・ 化粧柳
「上高地といえば、ケショウヤナギ」「ケショウヤナギといえば上高地」と親しまれている
ケショウヤナギは1属1種の貴重な種
ケショウヤナギについて
ケショウヤナギの若木の木肌はシラカバのように白く、小枝は晩秋から春にかけて紅く、
美しくお化粧をしたように見えることから、化粧柳と名づけられました。
上高地には10種ほどのヤナギがあります。
ヤナギ科には、ヤマナラシ属、オオバヤナギ属、ヤナギ属、という3つの属がありますが、
ケショウヤナギは、どの属にも該当しない、1属1種の貴重な種です。
ケショウヤナギの分布と上高地
ケショウヤナギの海外の自生分布地は、朝鮮 北中部から中国 東北部、
バイカル湖以東のシベリア、カムチャツカ、サハリンなど。
国内では北海道 日高と十勝地方にも隔離分布していることがわかって、
日本で唯一の自生地となっていましたが、
1927年(昭和2年)に上高地でも自生していることが、学者によって発見されました。
以来、ケショウヤナギの国内での自生地は北海道と上高地を含む梓川流域のみ、といわれてきましたが、
最近の調査によって、本州の山岳地帯に隔離分布していることがわかってきました。
「上高地といえば、ケショウヤナギ」「ケショウヤナギといえば上高地」と親しまれている
ケショウヤナギは現在も、上高地を代表する木に違いはありません。
上高地といえばケショウヤナギですが、大正池付近では見あたりません。
中ノ瀬園地から横尾までの河原・川岸のみに自生し、山の斜面では見つかりません。
新緑で美しいケショウヤナギ
上流域から運ばれてきた土砂が堆積すると河原ができ、川はゆるやかに蛇行します。
ケショウヤナギを含むヤナギの仲間は、どの木よも早く河原で発芽・生育し、
やがて、ハルニレなども進入して森を形成してゆきます。
梓川は、槍ケ岳 南斜面の水源から、河童橋をくぐり、大正池に流入し、
上高地を出て渓谷を流れ、松本市で奈良井川と合流する犀川上流部までが梓川。
やがて、千曲川に合流したあと新潟県に入り、信濃川を経て日本海へ注いでいます。
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