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カブトエビの利用・保護

カブトエビの天敵

それぞれの生き物は、それぞれの場所で 密接なつながりをもって生きています。
つながりの一つに、食物連鎖
*=しょくもつれんさ(食べたり、食べられたり)があります。

カブトエビを おそって食べる天敵(自然界の害敵)は、水田に棲む(すむ)ゲンゴロウ、ヤゴ、カエルなどと、
水田に飛んで来るカモメの一種のウミネコや、ユリカモメ、サギ類などの鳥類などです。

食物連鎖
ミジンコや微生物を食べるカブトエビは、ヤゴやカエルや鳥類などに食べられ、鳥類は猛禽類に食べらます。
そのように食べたり、食べられたりが鎖のようにつながっていることを、「食物連鎖」といいます。

猛禽類(タカ・ワシなど) 鳥類(サギ、カモメなど) ヤゴやカエルなど カブトエビ ミジンコなどの微生物

海鳥のウミネコは、普段は海岸の近くで食べ物を探して食べていますが、海が大荒れになると魚を採食でないため、
海岸から10kmも内陸部へ飛んで行って、水田などでカブトエビや、オタマジャクシなども食べます。
ウミネコがカブトエビを一分間に数十匹も食べたときもあるそうですが、この
食物連鎖は自然界のきまりで、
生物の数は増えすぎず、減りすぎず、ちょうど良いバランスに保たれています。
食物連鎖によって、カブトエビが絶滅に追い込まれることは、まずありませんが・・・
人々は、カブトエビが2億年も生き抜いてきた生息環境を、わずか20-30年間で埋立や農薬などによって破壊して
しまいました。 カブトエビがもっとも恐れている実の天敵は、生息地の環境を破壊する人類かもしれません。

カブトエビの利用 「田んぼの草取り虫」

2億年も前から現代まで、ほとんど姿を変えていないカブトエビは、水田で働いてくれる有用な動物です。
稲作農家で
は、「田んぼでカブトエビが雑草を食べてくれるので、稲がよく育って都合がいい・・・」と、
カブトエビを「田んぼの草取り虫」と、呼びます。

そのカブトエビが「ると、稲の生長を妨げる雑草を食べてくれb驍スため、農薬・除草剤を使わなくてよい。
また、カブトエビは泥を掘る性質があるため、掘り返された泥が水に混ざって水を濁らせます。
水が濁ることによって太陽の光は水中まで十分に届かないため、光合成できなくなった雑草は衰退します。

現在、「新しい米づくり」「環境にやさしい米づくり」「カブトエビと米づくり」など、
カブトエビを利用した水田が見直され、
生物の専門家や農業の方もカブトエビを研究しています。
農林試験場で「田んぼの草取りに必要なカブトエビは、どれくらいの広さに何匹いたらいいのか」と、
調べたところ、
「1平方メートル当たり、30匹のカブトエビがいれば、十分、草取りできる」という結果だそうです。

しかし、残念なことに、カブトエビの生息数は、日本で減少しています。
広い水田の草取りには、たくさんのカブトエビが必要ですが、その数が少なければ食べきれない雑草が
残るため、農家の方は除草剤などを使用し、様々な生物が水田から姿を消してしまいます。

生物がすめない環境では、わたしたちも生活できなくなります。

生物資源の恵みを持続可能な利用

私たちの生活は、衣食住、紙、医療、燃料などにいたるまで、生物の恵みを受けて成り立っています。
カブトエビの生態を利用して、水田を除草することは、典型的な例です。

しかし、人間の経済活動によって、海も、湿原も、川も、水田も、里山も生態系が失われてきました。
2000年に入って、1日100種以上の動植物が絶滅している、といわれています。
彼らが最も恐れているその影響は、いずれ私たちの生活にも及ぶことになるのです。
動植物がすめない環境は、人間も生きていくことができない環境です。

世代を超えた自然の利用を考え、生物を減少させず、維持可能な利用 をしていくことが大切です。

カブトエビの保護と、その対策。

日本での生息数と生息地が危機

人類の活動、身近な生き物の生息地を、埋め立てなどで著しく減少させてしまいました。
また、水質汚染まで加わえた、その結果は、日本に生息するカブトエビも激減しました。

生物の絶滅数
恐竜時代は、1,000年に1種、絶滅していたと推測。
恐竜時代以後 〜人類が登場する以前までは、3〜5年間に1種、絶滅していたと推測。
人類が登場して以来、急激な速さで種の絶滅が進んでいて
1970年代は、1日1種が絶滅し、
1980年代は、1日50種以上が絶滅し、
2000年に入り、1日100種以上が絶滅している、といわれております。


私たちは何をすれば、いいの?

地球上の生物は生態系という一つの環のなかで深くかかわりあい、つながって生きています。
無理な開発を避け水質汚染をおこさないことです。

1. 生物保護については、あらたに生物を絶滅させることのないように、保護・増殖をしていく。
2. 環境問題については、生物の棲める自然の豊かな環境保全と、失われた環境の再生をしていく。
3. 
環境教育については、自然観察会・自然教育などに参加して、生物を観察・研究し、生物のつながり、
            生物と人のつながりなどを理解することで保全につなげる。
 

生物多様性保全に果たす 自然教育の役割

保全のための活動








 理 解 ・生物の種類
     ・生物たちのつながり
     ・自然のしくみ
     ・人と自然のかかわり
      自然教育
自然とのふれあい
 


多様な生物を育む自然は、教育・芸術・観光など、人間にとって有用な価値の源泉となります。
カブトエビは、田んぼの草取りに役立っている有用な生物です。

生物にたいして感謝の気持ちをもって、自然をいたわり、自然環境保全をしていくことが大切です。
自然環境保全は、一部の専門家だけに任せるのではなく、「私たち一人ひとり」がしていくことです。
「次世代の自然の利用」を考え、生物や環境を減少させず、維持可能な利用をしていくことです。
世界のカブトエビ 4種 生息地

オーストラリアカブトエビ Triops australiensis
 
生息地 オーストラリア大陸。 日本には生息していない

アメリカカブトエビ Triops longicaudatus
 
生息地 北アメリカ、太平洋諸島。 日本では中部地方以西。
 
1916年、香川県で最初に発見された。
 外国では雌雄が見つかっているが、日本では雌しか見つかっていない。

アジアカブトエビ Triops granarius
 
生息地 中国、インド、南アフリカ。 日本では西日本。
 
雌雄が生息し、交尾をする。

ヨーロッパカブトエビ Triops cancriformis
 
生息地 ヨーロッパ、北アフリカ。 日本では山形県酒田市。
 
日本では雌しか見つかっていない。


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