私が小学校4年時、授業で針穴写真機 = ピンホール・カメラを教わり、自分で作ってみたくて...

 厚紙で長方形の箱を二つ作り、シリンダーとピストンのように外箱に入れた内箱をスライドさせるだけの
簡単なものですが、外箱と内箱の隙間がなく、かつ動くように作るのは小学生にとって難しいことでした。
中を黒く塗った外箱・内箱がどうにか出来、外箱の先端には針で穴をアケ、ピント面となる内箱の先端には
半透明なセロファンをつけたファインダを作って完成。
ファインダを覗きながら内箱をスライドさせてゆくと、セロファンのピント面に逆さの像が見えた。

 今度は、このピンホール・カメラにフィルムを入れて本当に写真を撮ってみたくなり、
カメラを改造してグレードアップしました。
 まず、ボール紙の材料で作ったボディを、ベニヤ板に・・・そして、針穴を虫メガネのレンズに交換して、
ファインダをスリガラスに・・・グレードアップ(?)。
もちろん、中は墨で真っ黒に塗ってあります。 簡単な手作りのシャッタもレンズ前面につけました。

 町の写真屋さんに訳を話して、暗室で6×6のフィルムを1枚1枚に切っていただき、
自宅に持ち帰ったフィルムを暗室代わりの押入で、 ピント面に当たるところにフィルムを装填。
心が浮き浮き・・・はやく何かを撮りたい・・・

 手で動かすシャッタなので、日中は撮れない・・・しかし、友達たちに「写真を撮ってくれ」
と言われて困らさられた。
 光源は裸電球、しっかりカメラを固定し、息を止めて、上下作動の手動シャッタをすばやく動かし、
机上の本立とバラの花を撮りました。
 フィルムを写真屋さんに持って行き、現像の結果は、ボケているし、露出オーバー・・・でガッカリ。

そんな失敗を、何度も何度も何度も・・・繰り返し。

 ある日、写真屋さんからうれしいアドバイス・・・「絞りを作るといい」と教わった。
早速、いただいた印画紙袋(遮光紙)を、まーるく切って絞りを作り、また、押入でフィルムを入れ、
撮ってみましたが・・・絞りが大きく明る過ぎて、またも露出オーバーで失敗。

 絞りを小さくなるように作り直して、撮影し、現像をお願い・・・
こうして、写真屋さんのところに何度もお邪魔しているうちに、その場で現像してくれるようになり、
即、結果を見ることが出来るようになりました。

 きょうは、店のおじさんが暗室からなかなか出てこない・・・
ドキドキしながら、現像を待った待った・・・
ニッコリ笑いながら「やったね、今度は、ちゃんと撮れているよ」といって、
ネガといっしょに一枚の写真を 手渡してくれた。
「写ってる! 撮れた!」。
そのときは感激・感激・大感激 !!! (子どもですから) 。
 感動したことは、今も忘れられません。

そう、いつもはフィルム現像だけ。今回はプリントもあったので時間がかかつて待ったのでした。

ピンホールカメラ その写真です。

この写真は歳月が経ち、文字や輪郭が不鮮明になりました。

それ以来、私に写真の趣味が。
現在、私は自然風景や、野生生物を撮影しております。
私に「自然が好き?」「写真が好き?
」と問えば、私は「自然が大好きなので、それを撮っている」....と。

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