旅 日 記

道北の旅  利尻・礼文・サロベツ国立公園  8月

外国へ行かないで、国境まで行ってきました。
今年の暑さは、北海道の観測史上、初めてですって。
涼しいはずの北海道が暑かったのに、道北の人も驚いていました。
その道北の旅、利尻・礼文・サロベツ国立公園の旅日記です。

8月7日 
11時15分に全日空(ANA895便)で羽田空港を発ち、直行便で稚内空港へフライト。
機内から海上に浮かぶ利尻富士や草地牧場を見ながら、13時05分に着陸。

稚内空港から広大な丘陵地帯に放たれた、肉牛の稚内市営牧場を経て、
♪ハマナス揺れるーー宗谷の岬・・・♪を訪れました。
岬に立ったとき、「もうここから北には日本は無い、ここが最北の地かと・・・」
と思いながら、遥か向こうの水平線を見てサハリンを探しました。
しかし、残念ながらサハリンは見えなかった(見えるんですって)。
流れて来る♪ハマナス揺れるーー宗谷の岬・・・♪の歌を聞いて、
国境の地に、しばら〜く立っていました(実際は宗谷岬の北にある弁天島が最北端です) 。
記念に「日本最北端到着証明書」を買いました。

宗谷岬を後に稚内市へ・・・そして、ホテルに荷物を置いて、稚内港へ。
稚内市は「みなと南極祭」でした。利尻・礼文航路の船が発着する利礼岸壁では、
産地の食べ物の屋台がいっぱい出ていました。早速、待望のウニ丼を・・・。
1,800円だったが、店のお兄さんに「2,000円でウニを多めにしてくださ〜い」と注文。
さすが、ウニの多さで、ご飯は見えないくらい・・・「最高のバフンウニ」
これが「うまい!  うまい!」。
それと、浜汁という、カニの味噌汁もうまい。ホタテ貝・エビ・カニを浜風を受けながら、
網で焼いて・・・浜焼き? かなぁ? うまかった。

夏でも涼しい稚内は、今年は例外で暑い。と言っても東京のように蒸し暑くはなく、
さらっとした暑さで風は冷たくて、水も冷たい水が出る。東京のようになまあったかい
水とは、全然違う。
普段の年は気温18度位と聞いていたので、半袖を持って行かなかった。
タクシーの運転手さんにシャツを買いに連れて行ってもらった。その運転手と交渉して
稚内西海岸からサロベツ海岸の抜海(ばっかい)へ夕日を見に連れて行ってもらった。
残念ながら、海からの霧が濃くなって夕日どころか、利尻富士さえ全く見えなくなった。
運転手さんは気の毒がって「ノシャップ岬が晴れているかも・・・」
と寄ってくれたが、ここも濃霧でダメでした。
宿に帰って夕食。ウニやホタテやエビ・カニ・・・さすが道北、海の幸で満足。
風呂に入って、サロベツ原野へ明朝6時30分に発つ準備をして、早寝。

8月8日
6時に朝食をして、予定どおりサロベツ原野へ。晴天。
ノシャップ岬から海に浮かぶ利尻富士を右に見ながら、オロロンラインを南下。
遅咲きのハマナスやナデシコが咲く原生花園越しに、日本海に浮かぶ利尻富士が
クックリ。昨夜の濃霧がウソみたい。
何度も何度も車を降りて、足元に広がる花と海上に浮かぶ利尻富士を借景に入れて
写真を撮った。
ネムロコウホネが咲く湿原浜勇知から見た利尻富士も撮りました。
サロベツ原生花園は、南北28キロ東西6キロの広大な原野です。その原野を部分的に歩く
ことが出来る木道があって、歩いてきました。花の時期には遅かったので、花は少な
かったけど、広い広い原野の向こうの利尻富士を見ているだけで、とっても気持ちが
よかった。花の最盛期に行くともっと、いい気持ちになるでしょう。
行ってみたい、ぜひ。
この「サロベツ原生花園」がいちばーん、北海道らしい光景のところだそうです。

豊富から大規模草地牧場へ行った。ここも広ーい。草地の山・谷がいくつかある
乳牛の牧場。ここに来る人を全員、チェックイン・チェックアウトしているとか。
それは、広い牧場内で迷子にになって、閉じ込められないように。
ここで、牛追いを見ました。牛を集めて追って牛舎(囲いの中)に入れるのです。
「はーい、はーい」と大声を掛けて牛を追う・・・馬に乗って牛追いをやると
洋画みたいに思える光景でした。緑の丘の上から谷間の囲いへ、牛が入って行く
・・・一頭もはぐれないで・・・そんな、珍しい光景にも偶然めぐり逢えました。
朝きた道をこんどは、利尻を左に見て稚内港へ向け、オロロンラインを走ります。
ここでは、この混んでいる時期でさえ、車間距離が数百メートル開くのです。
対向車も少ない。

昼食抜きで、稚内港を13時05分に出航し礼文島へ。
利尻富士を見ながらデッキで・・・海がきれい・・・みどりの海・あおい海・・・
そして、ぐんじょう色の海に砕ける白い波・・・礼文島 香深(かぶか)港に
14時50分着。
『酒壷』という店で、ウニ丼を食べる。3,500円だが、ウニでご飯は見えない。
バフンウニという最高のウニで、鮮度がよくてコロっとしている。これが、うまい。
これを食べるために、昼飯を抜いておいた。
宿に行って、驚いた。正面に港が見える・・・その向こうに利尻富士がクッキリと。
利礼航路の船も見える・・・うれしくなっちゃった。
部屋には冷房がない。夏でも涼しいので、冷房はどこにもないそうです。
少々暑いが、サラッとしているし、風がヒンヤリしているので、我慢ができる。
ここでの夕食も海の幸。僕の大好物です。さき程、食べたウニ丼でお腹はすいて
いないが、ホテルの食事も全部、食べた。

8月9日
朝、8時に出発して、高山植物を撮影に行った。
この礼文島は高いところでも400メートルそこそこですが、北にあるため島全体で
高山植物がみられます。別名『花の浮島』といわれています。
さっそく礼文林道と呼ばれるところへ・・・やはり、花の時期に遅かったけど、
ドライフラワーになっている、シシウドやレブンシオガマが多くあった。
花期のきれいさが想像できるし、それを思うと、また、来たくなりました。
そのなかにレブンソウが、たくさん咲いていました。林道から花越しに見える
利尻富士がとてもきれかった。
林道から降りて、桃の形をした桃岩を見ながら、猫岩も見て、元地へ。
そして、地蔵岩へ歩いた。
元地のメノウ海岸では、メノウの原石が拾えるので、探している人が大勢いました。
僕は記念にメノウのタイタックを買ってきました。
15時35分 元地発のバスで香深(かぶか)へ。今日は香深の「味の祭典 海峡祭」。
港で花火大会があるのを聞いたので、すぐ、風呂に入って夕食。
カモメも啼いてすぐ近くを飛ぶ。陽が落ちて利尻島の海岸線の町に灯が灯る。
利尻を入れた港の夜景を撮りながら、祭の花火を待った。
花火は海に映ってとても、きれいな夜でした。音は腹にどーんと響く・・・
やがて、花火は終り、島がもとの静かな波の音だけに・・・。

8月10日
今日は利尻島に行こうか、礼文島の見ていないところを巡ろうか。
朝一番に利尻へ行っても、帰りの船まで2時間しかいられないので、結局、
礼文島内にいることに決めた。礼文最北のスコトン岬へ行くことにしました。
ここも、これより先は日本でない。サハリンである。
岬からの眺めは、冬にトドが来るトド島が見え、その向こうは地球の形をして
まーるく見える。
眼下には海のそこまで見える緑やあおい海。足元は高山植物の群落で、
来てよかった・・・と思いました。
トドの置物を記念に買って、いま、プリンターの上に置いています。
スコトン岬を11時20分に出て香深へ戻り、また、『酒壷』という店で
ダブルウニ丼を食べました。ご飯とご飯の間にもウニが入った二段重ねの
ウニ丼、5,000円を食べ、それから香深の「海峡祭」へ行って、ホッキ貝の
焼いたの(300円)とホッケの塩焼き(200円)+ ほっけの汁(サービス)
ジャガイモを食べ、ホテルの夕食も全部食べ・・・よく食べました。
カモメの啼く港で、島の綱引き大会も見せていただきました。
なにかにつけて楽しかった礼文島とも、今夜が最後の夜になりました。

8月11日
香深港を8時00分に出て、稚内港へ10時05分に着きましたが、その間
いつも見ていた朝の利尻富士、花の浮島・礼文のウニ漁コンブ漁の小舟を
後にして、近づくノシャップ岬の灯台、そして、稚内の「みなと南極祭」の日、
利礼岸壁で食べたウニ丼のことが懐かしく思えました。
稚内港から稚内空港へ・・・
稚内空港を13時55分に千歳空港へ飛び千歳空港着14時55分。
雷雲の発生で機体はよく揺れた。小さなエアーポケットもあった。
千歳からバスで札幌へ・・・70分。そして、ホテルへ。
夜の散策?といっても札幌は初めてで判りません。タクシーで狸小路へ
連れて行ってもらいました。何を食べようか迷ったあげくの果て、
旭川ラーメンを食べました。

稚内や礼文ではホッケが200円だったのに、札幌は700円だった。
利礼は安いし、うまい。
大通り公園の拓銀本店前の噴水を見ながら、トウモロコシとジャガイモを
450円で買って食べているとき、にわか雨が降ってきて、ホテルへ戻った。
札幌の夏は暑いので、ホテルに冷房を常設してあった。

8月12日
千歳空港、16時35分発まで時間がある。
ホテルを出たところで拾ったタクシーを借り切った。
はじめ北海道大学(北大)ポプラ並木から旭が丘、大倉山シャンツェ、藻岩山
展望台、羊が丘ポプラ並木、クラーク像・・・時計台、植物園をまわって
1万2千円で契約したが、従姉妹が千葉県浦安にいるという運転手と話があって、
さきほどの市内観光+支笏湖廻りで千歳空港まで2万8千円で。
8時から14時30分まで観光ができた。大倉山シャンツェの角度にはびっくり。
おかげでリフトにも乗れた。大倉山シャンツェはよかった。
18時05分 羽田に着いた。
                        08/13 越智 伸二




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