ブルックナー
交響曲第四番Es-dur「ロマンティック」(第一稿)

01/23/'07 10:28 last modified.

録音:1982年9月フランクフルト、アルテ・オーパー
演奏:フランクフルト放送交響楽団
指揮:エリアフ・インバル

 実は、私は最終稿をよく知らない。初めて買ったブルックナーの交響曲第4番がこのCDだった。最終稿を聴いたときに、最初に気がついたのは、第三楽章が全く別な曲であるということだった。この曲を知る大多数の人が最終稿を聴いているはずである。第一稿の第三楽章がどんな曲なのかは、文字では説明しにくいが、最近買ったスコア(勿論第一稿)によると、拍子は最終稿と同じ(だと思う)四分の三拍子である。冒頭にホルンのソロがあるのも同じだが、主題は全く違う。しかも、四分の三拍子にもかかわらず二連符で書いてあるので、そこだけ聴くと、二拍子にきこえる。その後、四分の三拍子の中に、トランペットだけが四分の二拍子で、「付点八分休符−十六分音符−四分音符」というリズムを演奏する。また、スコアを見て気がついたことは、この版にはテューバがない。そのため、バストロンボーンに、テューバの分まで非常に過酷な音符がかかれている。交響曲全体の話に戻ると、この交響曲は第三稿が最終稿であり、小節数だけで比較すると、

第一楽章第二楽章第三楽章第四楽章
第一稿(1874)630246336+132+26616
第二稿(1878)---------477
第三稿(1878/80)573247259+54541
となっている。三楽章は、Sehr Schnell(336)-Coda nach dem Trio.(26)-Trio(132)である。表をみて判るように、第一稿は、とても長い。スコアも、厚さで1.5倍くらいある。一度演奏してみたいが、四楽章の四拍五連符など謎の音符が多い。(版の解説になってしまった...)
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