21.ウイングレット
今回はウイングレットについて、ご紹介しましょう。 まず、次の2枚の写真を見比べてみてください。2枚とも「ハイテクジャンボ」と呼ばれている B747−400 です。上の写真は成田空港、下の写真は羽田空港で撮影したものです。 良く見ると、主翼の先の部分が違っているのが分ると思います。 B747-400 (NRT) B747-400D (HND) この主翼の先端部分を拡大してみると、成田空港の方は小さな翼が上を向いて付いている のが分かります。この翼のことをウイングレットと呼んでいます。 また、主翼の長さも上の写真の方が左右に約 2m ほど長くなっています。
ウイングレットは小さく見えますが、縦の 長さは 180 cm ほどあります。 それでは、この小さい翼はどのような役割 をしているのでしょうか? 飛行機の場合、主翼の上を流れる空気 は速く、下を流れる空気は遅くなるため 揚力が発生する仕組みになっています。 しかし、主翼の先端部分では下から上へ 空気が逃げ、空気の渦ができてしまいま す。ここにウイングレットを取り付けると、 発生した渦が拡散されると同時に、前向きの揚力が生まれるのだそうです。 この空気特性の向上によって、燃料の消費が 約 3% 従来よりも減少するそうです。 ただし、国内線の場合は飛行距離が短いため、ウイングレットのない B747−400D と いった機種を使用しています。(Dは"Domestic"の意味) つまり、B747−400 のウイングレットは、国際線の証でもあるのです。