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カブトエビの採食生態

カブトエビは、水田で何を食べて、どのような生活をしているの?

背甲の下面には、歩脚に囲まれた口(くち)と(あご)があります。

採食生態
カブトエビは動物質も植物質も食べる雑食性です。水につかるところで採食します。
気ぜわしく泳ぎまわったり、背泳したり、水草などにつかまって静止したり、泥を掘ったりしながら採食します。
植物質は葉芽・葉・茎・根などを食べ、動物質は水生昆虫などの死骸やプランクトンなどを採食します。

←↑ 強い顎で草の茎を食い切る。
草を食べるカブトエビ

カブトエビは、田んぼに水が張られる頃から活動をはじめ、孵化した後、採食休息脱皮などと、産卵など、生活の全てが水田で、行われています。

田んぼでカブトエビの成体や幼生が、稲に有害な雑草などを採食してくれるので、農業の方たちはカブトエビを「田んぼの草取り虫」と呼んでいます。

食い切る歯
写真は、頭部の抜け殻。 強靱な顎(あご)が見えます。
脱皮ごとに顎も新しくなります。

カブトエビの顎にはノコギリの刃状に、鋭い強靱な歯が並んでいます。 いとも簡単に草の茎を食い切ることができます。

くちへ運ぶ腕と歯
顎の歯と、一番前の歩脚に挟まれて、歩脚と逆向きについている腕(うで)が見えます。
この腕は、顎の歯で食い切った食べ物を、くちに運ぶ働きをしています。
腕の先端にも歯が並んでいます。

抜け殻の写真でも、それを確認できます。

得意な背泳をしながら大きい草は食い切り、
歩脚で、かかえ込んで食べる。
カブトエビに たくさん付属しているヘラ状の脚を巧みに動かして水流を起こし、周囲に浮いている食べ物、水の中の食べ物を、水流に乗せて、歩脚の方へ集めて食べます。

水流に乗ってきた不要なものは、ヘラ状の脚で水流の方向を自由自在に変え、後方に移動させて捨てます。

浮いているものを集めるときは、得意な背泳をしながら集めます。ヘルメットの形状をした甲殻は、背泳に適しいます。

カブトエビは、静止しているかと思えば、猛スピードで泳いだり、急にターンしたり、くるりと背を下にして背泳したり、オタマジャクシのように泳いだり、しなやかな泳ぎをします。

水草を食べているカブトエビ。
食べている草の後に見える草は、次に食べるために用意して抱えている草です。
左右の歩脚の基部は、草などが挟めるように後方まで溝状になっています。
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