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カブトエビ 生きている化石
  カブトエビ Contents  

カブトエビの不思議と感動

カブトエビの進化 
   ・なぜ、恐竜は滅び、カブトエビは生きられたの?
   ・生きている化石とは
   ・なぜ、2億年前から進化しなで、絶滅しなかったの?

カブトエビの生活・生態

 生態1 産卵・幼生  ・活動期間と生活 / 産卵行動 / 卵 / 発生

 生態2 脱皮・成長  ・
カブトエビの脱皮 / 成長 / 寿命
            ・なぜ、大きな体が小さい殻に入れたの?

 生態3
 形態と役割  ・背甲 / 複眼・単眼
            
歩脚・腮脚(さいきゃく)・尾
            ・採食生態
            ・
何を食べて、どのような生活を.....?

           稲作に役立つカブトエビ

カブトエビの利用など  ・カブトエビが最も恐れている天敵は...?
            ・
カブトエビを利用した米づくり
            ・カブトエビを保護・対策
            ・世界のカブトエビ4種と生息地

カブトエビ
歩いているカブトエビの成体

カブトエビの進化

2億年前、カブトエビは既に進化していた。
カンブリア紀(約5億7000万年前〜5億年前) カブトガニもカブトエビも祖先は、大繁栄していた 三葉虫と考えられる 。
デポン紀(約3億9500万年〜3億4500万年前)カブトガニの祖先は、カンブリア紀よりも、カブトガニに近い形になった。
ジュラ紀(約1億9500万年〜1億3600万年前)カブトガニもカブトエビも 現在の形態とほとんど同じに進化していた。
約2億年前の地層からカブトエビの化石も発見されています。


その『カブトエビ』は節足動物で、エビやカニと同じ仲間ですが、最も近い仲間は「ミジンコ」の仲間です。

三葉虫の化石
上の写真2枚は、ケンミジンコの顕微鏡写真

なぜ、恐竜は滅び、カブトエビは生きられたの?
約2億年前、カブトエビは現在と同じような体形になって、恐竜と共に生きていました。
お互いに激しい環境の変化をうけましたが、恐竜は滅び、カブトエビは生き残りました。

恐竜が絶滅した説は数々ありますが、例えば、気温の低下で絶滅したと考えた場合・・・
恐竜は、体が大きい温血動物... 多量の食料を必要とし、低温化と食料不足に耐えることができず滅びた。
カブトエビは、体が小さい冷血動物... 少量の食料で生きられる生物。
そのうえ、真冬を卵で過ごせる。卵は極めてに低温と乾燥に強く、卵のままで数年生きられる。
それで、カブトエビは絶滅しなかった、と考えられます。

生きている化石・カブトエビ
「生きている化石」とは、何億年前・何千万年前に大繁栄し、今なお当時からの特徴を持ち続けながら生きている
系統の生物のこと。 「生きている化石」生物は、学問上、非常に貴重な資料となっています。

シーラカンス、オウムガイ、メタセコイヤ、イチョウなど、多くの動植物が「生きている化石」と呼ばれていますが、
「生きている化石」という言葉は、イギリスの生物学者 E. R. ランケスター氏(1847〜1929年)が、カブトガニに
初めて使った言葉です。

なぜ、カブトエビは進化しなかったの?
他の生物は進化したが、カブトエビは2億年もの間、なぜ進化しなかったのでしょう。

 環境が変化する場所で生息する生物は、絶滅しないために進化・移動をします。
   1. 生き残るためには、変化する環境に適応して進化していく。
   2. その生物の生活環境にあった(似た)場所へ移動する。 
      例、気候の温暖化に伴って高山へ移動した...(雷鳥・ライチョウ
   3. 進化も、移動もしない場合は、絶滅する。

カブトエビは、上記のどれにも該当していませんが、絶滅しなかった。

それでは、なぜ、進化もせず、移動もせず、絶滅しなかったの? 不思議?
約2億年前から現在まで、カブトエビの成体は静止水域・淡水域で生息しています。
カブトエビは、その生息域で産卵します。その卵は極めて低温・乾燥に強いため、数年間、生きていられるのです

それで、移動・進化しなくても生きることが可能だったので、進化も、移動も、絶滅もしなかった。
と、いうことは、2億年前、カブトエビは既に進化していたので、進化する必要がなかったのです。
『備えあれば、憂いなし』・・・備わっていたカブトエビの知恵に感動です。

絶滅せず、生きてきたカブトエビでさえ、
   
「生活できる環境」がなければ絶滅する。

カブトエビに適した生息環境とは...

   1. カブトエビは、淡水生物。 活動期には水をはった水田が必要
   2. 幼生の成長期や脱皮時などは、波のない穏やかな水域(水田など)が必要
   3. 幼生・成体の生育場所と産卵、採食できる環境の水田 が必要

3つの生態系が汚染されてない好条件でなければ、カブトエビを絶滅に追い込んでしまいます。
それでは「カブトエビの生活・生態」をとおして、彼らの命に最も必要な「生活の環境」を見てみましょう。

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