平成17年11月1日
10月30日の迷走録が面白かったとメールをいただいた。やっぱりメールをいただくとうれしいもんです。今月は都合がつけば、久しぶりに師匠のレッスンを受けようと思っています。どんな厳しいお言葉が拝聴できるか、今からどきどき、わくわくです。
ほかにも、少しだけ書きたいことがあるので、ぼちぼちUPできればと思っています。
平成17年11月8日
高知に行ってきました。カツオのたたきがおいしかったです。って、(いや、食べたけど、・・・)じゃなくて、11月4日の英語音声学一日講習会(←公式サイトに日本語訳がないのでChikashi訳です。原題は One-Day Workshop on English Phonetics) と11月5日・6日の 日本英語音声学会第10回全国大会(English Phonetic Society of Japan 10th National Conference) 兼 第1回英語音声学者国際会議(First International Congress of Phoneticians of English 2005)に行ってきました。
Professor John C. Wells の Choosing the Right Tone(4日)とUsing Intonation to Highlight your Message(6日)、それから、Dr Patricia Ashby の Spotting the Nucleus(4日)と Phonetics in Pedagogy: W here do we Draw the Line?(6日)が面白かったです。Mr Michael Ashby の English Pronunciation in the Global Context (5日) もよかったです。ほかにもいい講演や研究発表もありましたが、上に書いた5つが特に印象に残りました。
Wells 教授は Longman Pronunciation Dictionary や Accents of English で有名ですが、来春あたりに English intonation を出版されるそうです。Wells 教授のサイトで一部読めます。サイトの情報や先日のレクチャーからすると、すばらしいテキストになると思います。Longman Pronunciation Dictionary は English Pronouncing Dictionary とともに発音辞典の定番ですし、Accents of English はアクセント(方言)についての名著です。English intonation もイントネーションのテキストの決定版になるのではないかと思います。
Michael Ashby 氏は、Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English の著者として有名です。WEB上に今回の講演に近い内容のものを見つけました。こちら
Patricia Ashby 博士の講演で一番印象に残ったのは、プロとしてやっていくには、トップ・バレリーナが毎日の練習を欠かせないように、音声学者(学徒も含む)には、イヤー・トレーニングが欠かせない と話されたことです。音の情報の記憶は、頭に長く残らないので、多くの学生は、レッスンがすんで教室をでるとそのままなので、折角学んだ音の情報が頭から全部抜けてしまうそうです。
私についていえば、セミナー等を受けて終わりではなく、(単音や限られた単語で)個々の音と(限られた録音教材で)イントネーションについて、自分でもかなり継続して訓練しました。しかし、ストレスについてはほとんどやっていないので、かなりひどい状況ということがわかりました。 また、落ち着いてやれば、個々の音やイントネーションは、そこそこできているのですが、使い慣れていないので、いったん崩れるとすべてがハチャメチャになり完璧カタカナ発音がでたりすることも判明しました。
休憩時間にある有名な教授とお話をさせていただく機会がありました。私は特にストレス(強勢)について弱いので、『自分で単語の発音記号とストレスを書いてみて、辞書と答えあわせをするというとこ ろから徹底的にやり直してください。』というアドバイスをしていただきました。また、英語をいろいろな状況でもちゃんと使えるように、普段から使用する機会を増やして徹底的に訓練したほうがいいという一般的 なアドバイス(要するにまだまだ全然ダメということ)もいただきました。その先生とは以前にほんの少しお話を させていただいたことがあるだけにも関わらず、一介の院生の私に丁寧に説明してくださいました。辛口ではありますが、温かみのある非常に貴重なアドバイスがいただけました。それが、今回の一番の収穫だと思っています。
それから、いつもメール等でご指導いただいているT教授にもご挨拶をしなくてはと、チャンスをうかがっていたのですが、次から次へと大物学者が訪れてお話しをされているので、畏れ多くてなかなか近づけませんでした。チャンスを窺うのに疲れてちょっとぼーっとしていたら、T教授の方からこちらにこられて握手してくださいました。いやーほんと恐縮の極みでした。
自分としては、かなり進歩していると思って参加したのですが、まだまだ勉強(訓練)不足であると実感しました。でも、少しは進歩していると思うので、師匠に会って聞いてみたくなりました。さて、どんなお言葉が頂けることやら、・・・。
平成17年11月13日
前から欲しかった絶版本の竹林滋著『英語のフォニックス―綴り字と発音のルール』(ジャパンタイムズ)をついに入手できました。竹林氏の他の音声学の本同様読みにくい。音声学の本は詳細な研究プラス著者独自の見解というパターン。この本もそういう予感。発音記号がほとんど使っていない。フォニックス表記を覚えて発音できるようになりなさいということらしい。まあ、さっと一通り読んでみるか。
巻末に、基本語一覧(1810語)がある。綴り字+フォニックス表記+意味が載っている。しかし、それ以外の語の発音を知ろうと思ったら、普通の辞書から発音記号で理解するしかないのでは?フォニックス表記を覚えるのは2度手間だと思う。スペリングと発音のルールだけ覚えて、あとは発音記号のお世話になるのが正攻法だと思う。
要するに学習者本人が発音ができないのに記号だけ正しくできるようにしてやろうというところに問題があるのでは?日本語の発音とかな表記はほぼ一致していて、母語話者なら日本語の発音をほぼ間違えなくカナで表記できるんだから、それと同じで、英語の発音も自分ができれば、後は発音記号との対応を覚えるだけだと思う。
一番役に立ちそうなのは巻末の基本語一覧(1810語)かな。これで、高知 でアドバイスをいただいた『自分で単語の発音記号とストレスを書いてみて、辞書と答えあわせをするというところから徹底的にやり直してください。』をやってみようと思っています。もちろん、発音はLPDやEPDで調べますけどね。
平成17年11月25日
日本英語音声学会第10回全国大会(English Phonetic Society of Japan 10th National Conference) 兼 第1回英語音声学者国際会議(First International Congress of Phoneticians of English 2005)の話をもう少し。
Michael Ashby 氏は、講演のなかで自著のOxford Advanced Learner's Dictionary of Current English の第7版についても語られました。これで3版めだそうです。通常売り上げが落ちると著者が変えらるのだが幸い売り上げが伸びているので今回も担当できたと 余裕のジョークがでるほどの自信作のようです。今回の版ではCD-ROMの内容をすべてハードディスクにインストールできるそうです。また、すべての発音に英音と米音の音声が収録されています。そう説明されながら、PCである単語の英音と米音をクリックして実演されました。「これが英音」click。「これが米音」click、「同じだ。phoneticallyには同じだ。当然だ。」とちょっとおどけていわれました。
前のCD-ROMでは、英音と米音で発音記号の違うもののみ英音と米音の両方が収録されていて、ほかは英音のみでした。 今回の変更は、日本からすべて米音もつけろといった要望がでたのではないかと想像してしまいました。きっとケンブリッジも英音と米音の両方が収録されているぞとかいわれて、「なんで?同じじゃん」とか思いながら作業されたのではないかと想像してしまいました。OALDは英語中心で米語の勉強には向かないという風評を打ち消したいという意向が出版社にはあったのではないかと思います。まあ、すべては私の憶測ですが。
あと発音記号もLPDやEPDとは違う方針で決められているそうです。LPDやEPDの発音記号の意味するところを全て正しく理解して使っている人は少ないだろうとのことです。OALDでは詳細な記述より一般の学習者に分かりやすい記述という点に留意されたそうです。まあ、気になる人はCD-ROM版で実際に音で確認するか、発音記号だけLPDやEPDで確認すればいいことだし。
いずれにしても今度のOALDは買いだと思います。
平成17年11月29日
今日、師匠に偶然会った。お互い急いでいたのでほとんど話はできなかったけど、・・・。
実は、かなり前に私のPCが壊れたのですが、そのときに師匠のメールのアドレスごとハードディスクはお亡くなりになりました。その壊れたPCよりもうひとつ古いPCには師匠のアドレスが入っていると思うのだが、荷物の山の後ろにあるので、なかなか取り出す決心がつかなかった。
そのことを今日話したら、師匠がメールしてくださるとおっしゃった。でも、まだ届いていません。おーい!師匠、メールお待ちしておりますです。メールが届いたら、レッスンの予約しますです。師匠のファンのみなさま、最新情報はもうしばらくおまちくださいませませ。
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