平成18年1月9日
今回は、昨年に予告しましたように、夜にとっているネイティブによるアカデミック・スキル(主にライティングとプレゼンテーション)の講義の話しを書こうと思います。
前々回の話しですが、Supporeting an argument というのをやりました。問題文が、Complete these sets of statements using a reinforcing idea of your own. Then link the statements in each set together. というものでした。で、1つめの、問題は、
1 Education for women
is a waste of time.
a Most women become housewives.
b
でした。たぶんかなり古いイギリスのテキストの問題だと思うのだが、これはちょっとという感じだよなあ。結構いい説明や問題があるんだが、この問題は答えに窮するよなあ。特に差別を意識しない時代に作られたのだと思う。むしろ次の問題が、
1 Education for women
is essential.
a Women have the greatest influence on the family.
b
となっているので、きっと当時としてはバランスのとれたいい問題だったのだろうと思う。
そんなことを、考えながらぼーとしていたら、私が一番に当てられた。いつも、むずかしいのは自分にくるんだよなあ。
開口一番、(下降上昇調で)「I am not a sexist...」とやったら受けました。そして「This is not my opinion, but I would say...」として「Even if women have jobs, their jobs do not require special knowledge.」といいました。これはOkでした。
次の essential の方は最後に当てられました。英語で文章が浮かばなかったので、まず日本語で考えて、「戦争を起こすのはたいてい男だ。よく戦場に子供を喜んで送り出す母親はいないともいう。女性の教養レベルが高まれば、平和運動もよりアピールするものになるだろう」とアイディアが沸きました。
で、訳せるような長さの文にしました。「ふつう戦争を起こすのは男だから、女性は社会の平和にもっと貢献できるかも知れない」と。これを日本語から英語に訳しました。それで答えたのですが、ネイティブの先生に分からないといわれました。それは次のような文でした。(*のマークは非文のしるしです。このマークを見たら、そういう例は頭の中にいれないようにしましょう)「*Women may contribute to peace more in society, because men usually begin wars.」
それで、自分のアイデアをひとつずつ説明したら、分かってもらえましたが、まず「may」があるので何がいいたいか余計分からなかったそうです。最終的に先生がまとめた文は、「Moreover, it is women who are the peace makers in the world.」でした。ちょっと舌足らずのような気もしますが、 a の「Women have the greatest influence on the family.」と比べれば、そんなもんかとも思います。
実は、自分が文を作るときに、確か「contribute」がとるのは「to」だったよなと思いながら辞書で確認しました。英語で考えるときは、あいまいなものははじめから文として浮かんでこないのでふつう辞書は引きません。しかし、和文英訳をやったので、そちらに気が行って辞書を引きました。私が言った文を先生が板書したら、ひとりが辞書を引きました。
ここで、師匠を思い出しました。もし師匠がいれば、文の意味が分かる分からん以前に、「クラスでは、みんなの分かる表現を使うように」とお叱りを受けるところです。師匠なら、例えその場ではいわれなくても、後でしっかり皮肉っぽい口調で言われたりしそうです。プライベート・レッスンなら、覚えたてのむずかしい表現をガンガン使っても、師匠からしかられることはありません。クラスは、みんなのものだから、自分のことだけを考えずに、みんなのことも考えるようにというのが、師匠のポリシーでした。何年も師匠のクラスに出ていないので、つい過ちを犯してしまいました。
ほかにも、これを書いているうちに師匠の教えを思い出しました。離れてからの方が、よりよく分かるということもあるのだなあと思います。忘れないうちに書いておこうと思います。次回以降、いつか、そのうちに書きますので、あまり期待せずにお待ちください。でも、次回は前回のアカデミック・スキルの話しになりそうな予感が、・・・。
平成18年1月15日
先日電子辞書を買いました。SEIKOのSR-E10000です。上級者用です。別に上級者でなくても買えます。そういうわけで自分も買ってみました。サイトに「研究者、実務家、上級者をサポートする」とあります。「院生=研究者」なので一応自分も購買層には入っているかと思います。
最後まで悩んだのは、OALDが入っていないことです。でも、ODEと研究社の和英大辞典が入っているのが購入の決め手になりました。使ってみた感想は、起動が少し遅いのと、液晶画面の文字が他社と比べると荒いかなという点がちょっと残念なことくらいで、他はかなり気に入っています。ただ、どの辞書も自分のニーズから少しずれているので、ジャンプして最低でも3つくらいの辞書を見なくてはいけません。時間は少し余計にかかりますが、最終的には、まあ自分の納得する情報が得られるので満足しています。とりあえず、これひとつで一応満足する情報が得られるという点がいいと思います。普通の人は、たとえ好みの点で物足りなさがあったとしても、調べたい情報が引き出せなくてもやもやすることはほとんどないと思います。
私の通常の使い方は、最初はODE。ほとんどのエントリーで発音記号が入っていないので、G大かCOBへジャンプ。発音が分からないと読む気が失せます。で、発音に納得して戻って来ても、今度は、ネイティブ向けのODEでは、意味の面でもやや不安があることが多いです。すると確認のために、英和やCOBで定義を見たり、納得する例文が出てくるまで辞書の間をさまようことになります。結果として、前に持っていた電子辞書のOALD+プログレの2つだけ (他にも和英とかあったけど、ほとんど使わなかった)の組み合わせより、たくさんの定義と例文を見ることになるので、頭の中にイメージとしてよく残るようです。まあ、結果オーライということでしょう。
希望としては、OALDのカードを出して欲しいことですね。でたら絶対購入して、SR-E10000に差し込みっぱなしで使うと思います。それから、OALDの発音記号は絶対省略してほしくない。SR-E10000の発音記号には、ESLでよく使われているタイプのものがひとつもありません。これでは、「研究者」の「サポート」は十分といえませんな。あとは、できればカードは音声入りで。さらにできれば、英音と米音の両方で。まあ、普通の人には、どうでもいいことだと思いますが、・・・。
今週は、アカデミック・スキルのクラスの話しと師匠のお話しは、お休みです。期待されていた皆さん、すみません。また、来週以降に書くつもりです。
平成18年1月22日
ついにアカデミック・スキルのクラスも終わりました。今月は、あわただしいので、アカデミック・スキルのクラスの話しと師匠のお話しは、来月以降に書くつもりです。どちらも書くには気合がいるので。この2つは、どうせ書くならしっかり書きたいので。
先日M善に行きました。英語のコーナーでは、英語のCDが流れていました。それをBGMにしながら立ち読みしていました。すると、とつぜん「Kick me. Kick me...」と聞き覚えのある声がしました。続いてあの有名な「(?) Don't think. Feel. It is like a finger pointing the way to the moon. Don't concentrate on the finger, or you'll miss all the heavenly glory.」の台詞がきます。完全に本を読むのを中止して聞き入っていました。『燃えよドラゴン(Enter The Dragon)』でブルース・リー(Bruce Lee)の吐いた名台詞です。
一応暗記していたのですが、念のためネットで検索すると、「like a finger pointing the way to the moon」のところが、「pointing the way to the moon」と「pointing a way to the moon」と「pointing away to the moon」の3つがありました。自分は「the」で覚えていたのですが、「a way」と「away」が圧倒的に多かったです。辞書で調べると「point the way to the post office(郵便局へ行く道を教える)」という例文がのっていたので、自分の覚えていたのは文法的には誤りでないと思います。
「moon」以下の台詞もネット上には、ちょっとずつ違うのがありました。自分は「the heavenly glory」でなくて「the heavenly glories」だったような気もするのだが、・・・。ネットでは「that heavenly glory」が一番多かったのですが、・・・。
書名を忘れましたが、そのうち買おうと思っています。買えば分かると思います。買ったら正解をお知らせします。
Top Page おまけ 迷走録バックナンバー目次 翌月分 先月分