迷走録 2006年2月

 

平成18年2月2日
 

修士論文提出しました。1月31日5時が締め切りでした。4時45分に持参できました。締め切りぎりぎりでした。2月に審査会があって、その結果により合否が決定されます。不合格だと、6月までに再提出して、また審査があります。

データの分析に思ったより時間がかかり、実際に論文を書く時間が全然足りませんでした。実験の結果はいいものが出たのですが、文章がめちゃめちゃで、誤字脱字だらけでした。今回は、ちょっと危ないような気がします。例え、お情けで合格にしていただけたとしても、大幅な修正を要求されそうです。

修了に必要な単位はすべて取れると思います。論文が不合格でも、残りは論文だけです。でも、論文だけでも、授業料は半額納めなくてはいけないので痛い。あとは運を天に任せるのみ。

 

平成18年2月5日
 

師匠の教えで思い出したものを書きます。まず、板書。板書は、だれでもすると思います。師匠の違うところは、説明しているときは、板書を写させないことです。書いているときは聞いていないというのが理由です(上級者なら別ですが、・・・)。あとから写す時間をあたえるから今は聞くことに集中しろというわけです。

そうはいっても、注意されても生徒は書いてしまいがちです。何度注意しても止めないと、写すのだったらもう板書はしないといいながら、師匠は板書を消してしまったりします。注意された生徒は、きょとんとしていたりします。周りの生徒は、今日はもう板書をしてくれなくなるのではないかとはらはらしていたりします。書いている生徒は、まさに師匠の「あとで写せ」という指示すら聞き漏らしているわけです。板書が消されて、びっくりして手を止めて、ようやく師匠の説明が頭に入るわけです。ここで、その生徒はしっかり諭されて、普通は、また板書を使った説明が始まります。

あるときなどは、師匠はおこって生徒のペンを取り上げたことがあります。そしたら、しばらくして生徒は、かばんから違うペンをとりだして書き始めました。師匠も、このときばかりは、半分あきれながらも切れまくっていました。

それから、同じ理由で、辞書を引いたり、となりの生徒に聞くことも、注意されます。辞書を引いているときも、となりの生徒に聞いているときも、師匠の説明は聞こえていません。わからないことがあれば、教師に聞けというわけです。

これは、最初は、自分にとって、カルチャー・ショックでした。学校の先生に、辞書や参考書ですぐ分かることを質問すると、それくらい自分で調べろとしかられたりします。師匠の場合、辞書は家でも引ける。でも、せっかくここに教師がいるのだから、ここで今聞けというわけです。まあ、理にかなっています。わからないまま聞いても効率悪いですから。

それから、なにかの本で読んだのですが、海外のあるクラスで、日本人が授業中に辞書を引くなといっても引くので、その生徒たちの辞書を取り上げてしまったそうです。そうしたら、次の授業のときには、となりのクラスの子の辞書を借りてきて使ったそうです。まあ、どこでも似たようなことが起きるのだと思います。

これは、日本式とイギリス(欧米)式の文化的な違いでしょうね。イギリス人にしてみれば、テニススクールで、インストラクターの説明中に、生徒がルールブックをだしてチェックし始めるくらい奇妙なものかも知れませんね。日本の場合、英語は実技としてよりも学問として学ばれる傾向が強いのだと思います。しかし、話せるようになるためには、実践が必要だと思います。そういう意味で、師匠のやりかたは理にかなっていると思います。

 

平成18年2月12日
 

本日、修士論文の審査会でした。口頭試問がありました。かなり突っ込んだ質問がいつくかありましたが、それなりに満足していただける回答ができたと思います。なんとか、通りそうな感じはしています。それでも、結果がでるまでは、安心できません。後で、主査(指導教授)から別室に呼び出されて、訂正の指示をいただきました。今回、通るにしろ通らないにしろ、直さなくては完成しないので、とにかく今は合否のことは考えずにやるだけです。

前回、師匠について書いたところ、質問のメールをいただきました。

> ところで、今回のお話の中にはChikashiさんは登場されていませんが、「ペンを取り上げられた生徒」と
> 「今日はもう板書をしてくれなくなるのではないかとはらはらしている生徒」がいる中で、
> 達観されていたのでしょうか??

以下のとおり回答しました。

クラスはレベルの低目のを取っていたし、録音もしていたので、苦にはなりませんでした。
師匠の反応のほうに興味がありました。すべて英語なので、教科書の解説よりある意味参考になりました。
生の英語なので。

英会話学校のレッスンは録音して、あとで聞きなおすと効果的だと思います。クラスの場合は、他のクラスメートが緊張したりするかもしれないので、隠し録りの方がいいかもしれません。録音に際しては、その学校の雰囲気で判断するしかありませんが、クラスの先生には許可を取っておいたほうがいいかも知れません。

許可を勝ち取る際の秘訣があります。大将直伝です。絶対に'May I record your class?'のように、録ってもいいですかと聞いてはいけません。では、なんと聞けばいいのでしょうか?それは、'Would you mind my recording your class?'のように、録音すると支障がありますかと聞くのです。

録ってもいいですかと聞いた場合、通常'Why?'と聞かれます。そうすると、こちらが理由を答えなければなりません。教師は、積極的に認める理由がなければ拒否する可能性があります。なんとなくいやだからとか、自分がミスしても残ってしまうとか、・・・。とにかく、積極的にOKという理由がなければ、とりあえず安全策でNOという可能性が大です。教師は、普通、すぐに答えられないという状況を避けようとしますので。

逆に、録音すると支障がありますかと聞いた場合は、教師の方が断る理由を考えなくてはいけません。教師の側が、瞬間的に、生徒を納得させるだけの理由をみつけて、説明しなくてはいけません。こちらが圧倒的に有利です。しかし、断る理由がみつからなくても、なんとなく許可したくない場合には、'No, but why do you want to record .... ?'と逆襲してくることもあります。この場合は、'Just for my review.'とでもいっておけばいいでしょう。ついでに’I think it will be very effective.'とくらい付け加えておくとさらにいいと思います。そうすれば、教師のほうが、録音で復習することは必要ないとか効果的でないとかの理由を探さなくてはいけません。そんな理由が瞬時にそうそう見つかるはずがありません。

「録ってもいいですか」のあとで'Why?'と聞かれても、'Just for my review.'と答えれば同じじゃないかと思った人。残念です。大将や私の考えでは、どちらの聞き方をするかで大きな違いがあります。ここには、その理由は書きません。自分で理解できなければ、本当の意味で使えないからです。

師匠の教えもすばらしいですが、大将の教えも深いものがあります。どちらも実用的ですが、師匠の場合はがんがん実践するコツが多いです。大将の場合は、自分が優位に立つための奥深い心得のようなものが多いです。対象は、テストだったり、教師だったり、クラスメートだったりします。特に、大将は私にいろいろなことを教えてくれました。私は大将からたくさんことを学びました。今でも、大将と話しをすると知的興奮を味わうことが多いです。師匠と大将は性格も教え方も全然違いました。ライバル意識もあったようです。普段は半分冗談で、「オレ様が最高の教師だ。分からないのは全部生徒が悪い」とのたまう、あの師匠が真顔で(ただ一度だけ)ほめた教師は大将だけです。(もしかしたら、次回の迷走録は師匠と大将のライバル意識編かも知れない。)自分はいい先生に恵まれていたと思います。イギリス・ブームがもう少し早く来ていれば、師匠と大将の学校が閉校にはならなかったかもしれないと思うと残念です。

 

平成18年2月19日
 

最近、ときどきボキャブラリーをなんとかしなくてはと、いろいろ方法を探していました。単語力というウェブで少しやったのですが、音が出ないのが不満でした。ところが、PSSというソフトを使うとネイティブの音声で練習できるのです。PSSには単語力の問題もあります。

ネイティブの音声を使用するには、コウビルドの4版が必要です。コウビルドの4版さえあれば、ただで単語の練習が音声付きでできます。まだ、あまり使い込んでいないので、詳しいことはよくわかりませんが、音声は、同じ綴りのもについて一つしか音声化されないです。たとえば、addの音声が/eɪdiːdiː/しかないというのは、ちと情けないが、ただだからしかたないか。

できれば、ケンブリッジの音声がよかったのだが、・・・。いや、オックスフォードでもいいのだが、・・・。コウビルドの発音少し変な気がする。発音記号自体変だし、音声もおかしいかも。いや、ネイティブに因縁つけてるのでなくて、典型的なRPやエスチュリーと少し違う気がするという意味ですが、・・・。でも、アメリカ英語でやるより、数段いいので、とりあえずがまんがまん。

 

平成18年2月26日
 

修士論文の訂正に時間をとられています。アップしたいこともあるのですが、ゆっくり考えて書く時間がありません。

今月の中旬には師匠のレッスンも受けたのですが、何を話したかというような細かなことは記憶が薄れてきました。ほかにも書きたいことはあるのですが、・・・。もうしばらくお待ちください。

 

 

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