迷走録 2001年2月

 

平成13年2月25日

今日先生から電話があった。「今夜 NHK Educational で、イギリス映画の Room at the top をやるから、見ろ。その後には、Anthony Hopkins の番組がある。イギリス英語の発音に興味があるなら、録画したほうがいいかもな。」ということだった。

これで、今夜は楽しみが2つ増えました。それに、先生と電話で話したので、これって無料英会話レッスンって感じで2倍得した気分です。

電話での会話は、音質が悪いので、リスニングのいい練習になります。最初先生は、手加減なしで言ったので、Rumour: the top のように聞こえ、「???なんじゃ、(噂、その頂上?)」って感じで1回目は意味不明でした。

再度、Room で軽くポーズを置いて、at the top と続けてもらって、聞き取れました。『おいおい、電話なんだから手加減しろよ!さては、晩酌を済ませていい気分で電話してるな?』と、そっと心のなかで呟きました。

ここに、そんなこと書いて大丈夫かって? 先生の日本語の読み書きは、超・ウルトラ・ビギナー・レベルだから、例え見られたとしても大丈夫です。

後で、冷静に分析すると、 Room at のところがつながって、しかも /t/ の破裂がなくなり軽いポーズのような状態になったので、Rumour: the top のように聞こえたのだと思います。

これも、rumor でなくrumour とイギリス発音が自分の頭のなかにあったからこそ、起こり得た聞き違いとすれば、イギリス発音の進行状況もまずまずというところでしょうか? 今日は、満足・満足。

 

平成13年2月18日

今日は『クレージー・イングリッシュ(瘋狂英語)』(アップリンク)を見ました。独自の英語学習法を掲げて、中国全土を講演旅行しているヤン先生のドキュメンタリーDVDです。

内容どうのこうのより、ものすごいエネルギーです。何万の人が一堂に会して、ヤン先生の指示で英語を斉唱(絶叫?)する様は圧巻です。うーん、人民パワーはすごい。

その圧倒的なパワーを引き出すヤン先生のカリスマ性もすごいですが、独自のメソッドの有効性も中国でこれほど話題になった一因と思います。

彼のメソッドで強調されるのは、筋肉を鍛えて中国語的筋肉を英語らしい発音が可能な国際的筋肉に改造することです。そのために、『できるだけ、大きく、速く、明瞭に』という「口腔筋トレーニング3原則」に従って発音の練習をします。

彼は観客参加型の講義をするうちに、音声表記を示すジェスチャーを編み出します。それが、”クレージー”なジェスチャーを交えながら学ぶという、現在の”クレージー・イングリッシュ”メソッドの始まりとなったということです。

確かに、筋肉を鍛えることも必要と思います。また、大観衆の前で講演すれば、遠くの人からは、口の動きなんかは、よく見えないので、手を使ったジェスチャーも有効なのでしょう。やはり、必要は発明の母ということでしょうか?

特典映像として、ヤン先生の日本滞在記録&劇場予告編も収録されています。中国人と日本人の両方の”クレージー・イングリッシュ”の練習風景が収められているので、聞き比べてみるのもおもしろいと思います。

それから、万里の長城の場面では、イギリス人がほんの一瞬だけでています。ヤン先生が、万里の長城に集まったみなさんに何か一言をといった後、 Do you want to speak in Chinese? と続けると、彼は、 I'd love to, but I can't. と答えています。なんとなく、イギリス人っぽくないですか?

 

平成13年2月14日

今日は気分がいい。ここ数日おたよりをいただいて今日は、1700th GET のメールももらったし。『巷では、今日はなにかと騒々しいようですが、ボクは切支丹でないので全然平気です。』(ここで、「おい、キリシタンちゃうやろ!クリスチャン!!」と突っ込みを入れて欲しい。)『バテレンの風習なんか関係あらへんねん!』ここで、『バレンタイン・デーにチョコ送るなんて日本だけやで〜』とちゃちゃを入れた人。残念でした。このおかしな日本の風習は、チョコレートで有名なベルギーに逆輸入されて、ちょっとしたブームだそうです。どこの国も商魂逞しいことですな。

イギリスなんかでは、名前を秘して手紙を送ると聞いたことがありますが、「R.E.」とあったら、「Roy Evans?」それとも、「Rie Eguchi?」って、頭を悩ますのだろうか?一度でいいから、イギリス風バレンタイン・デーも経験してみたいな。

 

平成13年2月13日

おたよりのコーナーで少し紹介しましたが、elocution school について書いてみます。

あやさんから、「ハミングバ―ドのような、イギリス英語の発音矯正は、ないですか?」というおたよりをもらったので、インターネットで elocution を検索するとけっこういろいろな情報にヒットしました。いろいろな俳優が発音等を学んでいるようです。 

元首相のサッチャーさんも、elocution school で発音・話し方を学んだことがあるという話しを聞いたことがあるような気がしますが、探せ出せませんでした。

検索したなかでは、ロンドンの London Language and Drama School という学校に、Speech-training Course がありました。

ホーム・ページからするとCourse syllabusには2つの module があって、かなり系統立ったトレーニングを行うようです。シラバスを下に引用しておきます。特に1は、みなさん興味があると思うので少し多めに引用しました。アドレスも載せておきましたので、興味のある方は直接見てみてるといいと思います。

Course syllabus:

1 - Relaxation Techniques & Voice Exercises

     Relaxation ( Alexander Technique:)

     Voice & Speech-training

     Stage 1 - Working With The Body

     Stage 2 - Working With The Breath

     Stage 3 - The Voice Workout

     Stage 4 - Speech

     Stage 5 - The Individual Voice

2 - Presentation Techniques for Public Speaking & Business Presentation

トップ・ページ
http://www.startek-uk.com/index.htm
シラバス紹介のページ
http://www.startek-uk.com/alextech.htm

 

平成13年2月11日

最近、英語の学習法の本をよく読んでいます。鄭讃容(チョン チャンヨン)『英語は絶対、勉強するな!』(サンマーク出版)は、おもしろく読めました。タイトルの横に「学校行かない・お金かけない・だけどペラペラ」とあります。帯には「韓国No.1ベストセラー! TOIEC最低のニッポン人よ、天才の学習法より、落ちこぼれ仲間の秘策を盗め。」とあります。

ところで、「TOIEC 最低のニッポン人よ」とありますが、日本が最低なのは TOEFL では?それともここでいう「ニッポン人」とは、法律用語の「日本国民」とは違って、一時流行った「在日日本人」みたいに、なにか言葉の遊びのような要素があるのでしょうか?(帯は著者が書いたのではないと思いますが、・・・。まあ、どうでもいいか、・・・。)

さて、肝心の中身ですが、方法は、日本ででている書籍や有名なホームページに書いてあることと、大きくは違いません。著者は、先ずリスニングを徹底的にやることと、母国語の干渉を徹底的に排除することを重視しています。これだけなら、そう珍しくありませんが、著者は「ノウハウ」ということを強調しています。「誰でもできそうで、できない」。そこにノウハウがあるのだとして、理論と実際の手順を説明しています。(著者の言葉では『だれにでもすぐ理解できるのでは真のノウハウにならない。』とあります。)その辺に興味があれば、一読の価値はあると思います。

また、特にノウハウに興味がなくても、読み物としてもおもしろいと思います。著者の英語力を頼ってきた女性が、実際にノウハウに沿って学習して、英語の進歩に一喜一憂しながら、師匠とともに成長していく様が、わりと軽く書いてあります。構成も文体も気に入ったので、結構感情移入して読めました。

次は、独自の英語学習法を掲げて、中国全土を講演旅行しているヤン先生のドキュメンタリーDVD『クレージー・イングリッシュ(瘋狂英語)』(アップリンク)でも見てみようかな?

 

平成13年2月10日

昨年の12月17日に注文したCD-ROM CIDECambridge International Dictionary of English on CD-ROM)をやっと今日入手ました。 まだしっかり聞いていませんが、イギリス英語の発音は自分の好きな声質でないので、ちょっと残念。アメリカ英語は、ちょっとゆっくりで明瞭に発音しすぎのような気もします。これからしばらくは、他のCD-ROMの発音と聞き比べをして楽しめそうです。

なんだかんだといっても、自然な発音(イントネーション)という点では(少なくともイギリス英語については、)さすがケンブリッジという感じです。ここ数年のうちに出版されたものは見ていませんが、コースブックのテープの発音を聞き比べてみると、オックスフォードやロングマン等のものよりも、ケンブリッジの発音のほうが、実際の会話に近い気がします。ケンブリッジのものは、初級から自然な発音(イントネーション・スピード)で手加減せずに吹き込んであるので、リスニングだけ考えると一番むずかしく感じられると思います。

 

平成13年2月4日

昨日と今日で、新書を2冊読みました。平澤正夫『通じる英語・上達のコツ』(洋泉社)と晴山陽一『日本人のための英文法』(ちくま新書)です。ところどころに、おもしろいことが書いてあり、それなりに楽しめました。

『通じる英語・上達のコツ』の方は、帯に「発音のルールがわかれば あなたの英語は、必ず通じる。」とあったので興味を持って手にとってみました。

その本の「この本の利用法」には、
「 本書は英語発音とその学習法について書いたものである。しかし、CDもカセットテープもついていない。それで発音が勉強できるのか?
 疑問をもたれる読者もいるだろうが、心配はご無用。発音の学習にいちばん重要なのは、カナメとなる発音の法則を知ること、そして実際に声に出して、自分の耳でたしかめるてみることなのだから。」
とあります。

読後の感想は「そりゃ、そうだけど、それができりゃ苦労はしないよ。」というところでしょうか?専門書以外では、音声学的見地からもしっかり書かれた、数少ない一般向けの(実用書?)ものだと思います。かといって是非読まなくてはということもないと思います。読めば蘊蓄は確実に増えますが、練習しなければそれだけのことという意味ですが・・・。

『日本人のための英文法』は、途中までは買って損したかなと思いましたが、後半は一気に読めました。特に7「文型」か「文形」か?8道具としての「5文型」は、おもしろいと思いました。晴山氏の著作は、切り口がおもしろいのでなかなか読ませます。『TOEIC必勝の法則』(特集アスペクト 36)と『英語上達7つの法則』(PHP研究所)は、特におもしろいと思います。

最近読んだ新書本では、岸本周平『中年英語組』(集英社新書)が一番おもしろかった。カバーに「英語を再勉強する人がふえている。若い頃とちがって、中年・熟年で始めると覚えにくい。しかし若くないからとこそできる勉強法もある。コレクトコールをかけたくても英語が通じず、マクドナルドでの注文もままならなかった著者が、めきめき英語力をゲット。実践の場では大人の知恵と度胸でカバー。その体当たり学習法や苦労・失敗体験記は、すぐに役立つ、説得力あるものばかり。そしてついに、名門プリンストン大学の教壇にまでたった!」とあります。内容も参考になりますが、読みものとしてもおもしろいのでお勧めです。

 

 

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