迷走録 2001年1月

 

平成13年1月28日

昨日は、2時間英語のプライベートレッスンをして、夜にはDVDを2本見ました。合計すると4時間21分英語に費やしました。さすがに疲れた。でも、これくらいで疲れるようになってしまったとは! 情けない。

数年前は、英会話学校だけでも週に、最低でも3時間程度は行っていたし、その中の半年ほどは、週6時間25分(気が向けば、もう1〜2時間ほどプライベート・レッスンを追加)レッスンを取っていたので、休みの日が英語漬けでも、なんともなかったのに、・・・。

さて、DVDの話しに戻りますが、昨日はを字幕なしで見てみました。理解度が低いのは、前と変わりませんが、音は前よりよく拾えるようになりました。特に子音がよく聞こえるようになったので格段に楽になりました。

一本目にアシッド ハウス、二本目にファイナル・カットを見ました。一本目は、馴染みのない英語だったので、ほとんど理解不能でした。二本目の英語は、今までに見た映画の中では、自分がロンドンでよく聞いた英語に一番近かったので、聞いててしっくりきました。この映画では、顔のアップのシーンが多用されているので、口や歯のかみ合わせよく見えます。その点では発音の勉強に向いているかも知れません。ただ、英字幕が入っていないので、どこかでスクリプトを捜すか、聞き取れるまで辛抱強く繰り返す必要がありそうです。

ファイナル・カットは気に入ったので、繰り返して見てみるつもりです。でも、どこかにスクリプトないかな?

 

平成13年1月23日

昨日先生からメールが来ました。ちょっとおふざけモードでおもしろいので、肝心のP.S.のところだけ引用します。


 Did U C page 16 in Monday's Daily Yomiuri ? 
 Jolly hockey sticks, eh, wot wot ? !

早速 The Daily Yomiuri (22 Jan)を見ると、1月7日に紹介したL A TIMES の記事が載っていました。ヘッドラインが Study Finds the Queen's English Has Acquired Common Touches で、Ho, ho, ho, Henry Higgins, the queen's English ain't wot it used to be. と続くものです。この記事は、ウェブ上では出だしのところしか見えず、続きは有料になっていたので、勿体ないという気持ちと、めんどくさいという気持ちもあって保留にしていたのですが、労せずして、しかも無料で読めてラッキー って感じでした。

 

平成13年1月21日

前回書いた「準備のポジション」について、昨日のレッスンで先生に聞いてみました。「アメリカ英語については分からないが、・・・」と断った上で、「今説明のあった発音の仕方は、私と同じだ。」と答えてくれました。

イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いについて書かれた資料はほとんどありません。あっても「母音・R・L・T」についての説明くらいで終わっているのがほとんどです。その中で、ピーター・ラディフォギッド(Peter Ladefoged : 現UCLA名誉教授)の「音声学概説」(A Course in Phoneticsには、参考になる記述がたくさんありました。

そのピーター・ラディフォギッド(Peter Ladefoged)の「音声学概説」(A Course in Phoneticsを参考に練習しているうちに、イギリス英語の「準備のポジション」に気づきました。この「準備のポジション」については、「大発見かも」と喜んだのですが、先生の反応からすると、どうも当たり前のことのようです。却って当たり前すぎて、誰も書かないということなのでしょうか?

いろいろ考えるのは楽しいですが、実際の会話に反映されるようになるには、かなりの練習が必要のようです。

 

平成13年1月14日

先日、突然子音の発音が楽になりました。今まで、イギリス英語とアメリカ英語の発音の使い分けは、口のかみ合わせ方を変えるだけで、ただ漠然とやっていたのですが、舌の位置も全然違うことに気がつきました。個々の発音のときの舌先の位置だけでなく、発音していないときの準備のときから全然違います。

「最小限の労力でそれぞれの発音のポイントに舌先が行きやすい」のが、準備のポジションだとすれば、r, th, s 等の位置は、(少なくとも私の練習している)イギリス英語とアメリカ英語では全然違うので、準備のポジションも全然違っても不思議ではないと思う。むしろ、準備のポジションがそれぞれ違っている方が理に適っているように思われる。

実感としては、子音への舌の移動がものすごく楽になりました。動きに余裕がでてきたので、発音の微調整のために、自分で聞きながら舌先の位置を微妙に変えるのも、格段に楽になりました。まだ、新しい位置で練習をやり込んでいないので、成果はゆっくり話すときだけです。もう少し正確な位置が定着したら、練習をやり込んでみようと思っています。

子音については、発音が楽になったら、練習をしていないのにもかかわらず、同時に聞き取りも楽になっていました。一般によく言われる「発音が上達すればリスニングも上達する」ということを初めて実感しました。ただ、これも、ゆっくりのときは進歩が顕著ですが、早いスピードになるとあまり違いが感じられません。まだまだ、目標に到達するのには時間がかかりそうですが、これで少し希望が持てました。

 

平成13年1月7日

昨日のレッスンで、12月31日に紹介した記事の中から、自分の分からない箇所やおもしろい表現について質問したり、自分の意見を言ったのですが、録音を失敗しました。後で聞き返そうと思っていたので、メモも取っていなかったし全然細かいところが思い出せません。でも、気を取り直してしっかり覚えているところだけでも、書いてみます。

一番「ほほー」と思ったのが、L A TIMES のものです。ヘッドラインで Study Finds the Queen's English Has Acquired Common Touches と内容説明した後、Ho, ho, ho, Henry Higgins, the queen's English ain't wot it used to be. と続きます。ヒギンズ教授がイライザに 'h's ( = aiches)の発音を教えるとき、まず "Ha, ha, ha" とHの音を練習させ、次に、"In Hartford, Hereford and Hampshire, hurricanes hardly ever happen." 文の練習をさせます。その後に "Poor Professor Higgins ・・・ "という歌詞のある歌が来ます。この辺をもじって、"Ho, ho, ho, Henry Higgins" としている訳です。クリスマスに関係あることなので、笑い声も、"Ha, ha, ha"から Father Christmas (サンタ・クロース)の笑い声の "Ho, ho, ho" に変えてあるわけです。(笑い声だけは自分が気がつきました。えへん。)

ちょと脱線して、"Ha, ha, ha" は本当におかしいときの笑い声ですが、"Ho, ho, ho" は本当にはおかしくないときの笑い声です。Father Christmas (サンタ・クロース)もおかしくて笑っているわけではないでしょう?ついでに "Hee, hee, hee" とくると childish です。それから"Ha, ha, ha" といえば、"Funny ha ha, or funny peculiar?"(=おかしいって、おもしろい?それとも変?)という表現もあります。

後半の The queen's English ain't wot it used to be. ですが、これは The queen's English isn't what it used to be. を訛って言ったものです。先生によると、what it used to be. という表現も My Fair Lady のなかにでてきたと思うとのことです。XTRA Entertainment Yahoo News のヘッドラインは Queen's English Not What It Used to Be で、ずばり what it used to be が入っています。

ヒギンズ教授が「どうしてイギリス人は正しい英語の教育をしないんだ。」となげいていたのを、新聞は「ヒギンズさん、とうとう女王ですらも正しい英語を話さなくなりましたよ。」と皮肉っぽい表現をしているわけです。

BBC News のヘッドラインに RIP RP とあります。RIP は、墓標にある Rest In Peace (安らかに眠る)で、「Recieved Pronuncation は、すでに絶えた。」と言っているわけです。

Guardian Unlimited のヘッドラインは、The Queen's English of today My 'usband and I でした。女王が初めに言う My husband and I をコックニー訛りで言ったものです。 My husband and I は、他にもでていました。

まだまだ、たくさんあるのですが、今日はあと一つでお終いにします。前に、blimey について書きましたが、4つ見つけました。3つのパターンがありました。

Independent
Cor blimey! Even the Queen no longer speaks the Queen's English.
Telegraph
Blimey, what became of the Queen's English.
Boston Globe Online

LETTER FROM LONDON
The queen no longer speaks the Queen's English

Commonness creeps into royal accent
LONDON -
Blimey, 'er royal 'ighness is a right oul' one of us.
The queen, incidentally, will be spending Christmas at 'ome, with the 'usband.
CNN.com
Britain's Queen 'don't speak proper'
She is hardly "
gor blimey" these days,

Blimey は、スラングで、 元は God blind me です。 God と言うのを避けて、「Gawd」「Gor」「Cor」とバリエーションができたようです。「Sh*t」が「shoot」「suger」と変わっていったのに似ていますね。

書ききれなかったことも多いので、もし希望が多ければ、「マイ・フェア・レディ」ネタだけでコーナーを作ってもいいかなと思っています。とりあえずこのネタはこれで終了とします。

以下に新聞等の「ヘッドライン」と「記事のうちでおもしろそうな表現の一部だけ」紹介します。

YORKSHIRE POST
’Definitely not as plummy’ The Queen making her traditional Christmas Day broadcast.
Actress Elizabeth Richard, from Durham, who does Queen impersonations, agreed: “She’s definitely not as plummy as she was.”

XTRA Entertainment
Queen's English Not What It Used To Be.

Winnipeg Free Press
Egads! Her Majesty's not speaking Queen's English.
No one, however, suggests the Queen is dropping 'er aitches like Eliza Doolittle and requires the help of a modern-day Prof. Henry Higgins.

The Times
Queen's English is not as it was spoke.

The Australian
Queen's accent becomes more common

The Age
Bed news on royal vowels
Standard speech in southern England has been influenced by Cockneys. But the Queen has yet to use the glottle stop - purists will be reassured that her "Hice of Windsor" will not become the "Ouse of Windsor" in the foreseeable future.

Sunday Mirror
IT AIN'T 'OW YER SAY IT, YOUR MAJ, IT'S WOT YER BLOOMIN' WELL SAY
Having said that the idea of Her Maj opening her Yuletide speech with the immortal words "'Ello me old cocks. 'Ow's it goin?" requires a gigantic leap of the imagination.

ABC.NEWS.com
Study: Queen's Accent Moving With The Times
Will Her Majesty one day, like Eliza Doolite, need some 'elp from an 'enry 'iggins?
No one, however, suggests the queen is dropping 'er aitches and agrave; la Eliza Doolittle, and she's unlikely to require the help of a modern-day Professor Henry Higgins.

BBC News
Queen's speech 'less posh'

The standard accent of England - modern, received pronunciation - has been subtly influenced by the Cockney accent, for example, leading to some people dropping the "l" from milk.
And Estuary English has a glottal stop, dropping the "t", as in "a li'le bi' of breab wiv a bi' of bu'er on i'".

He told BBC News Online: "If you look at the way Spitting Image and other professional mimics might stereotype the Queen's speech with words like House pronounced as 'Hice', that is something she would be likely to change to reduce the distance between herself and other people.
"But she is not likely to start dropping her aitches or using glottal stops."
So for the time being at least, the House of Windsor is unlikely to become the 'Ouse of Windsor'.

ITN
Queen's English turning cockney.

Yahoo News
Queen's English Not What It Used to Be

Nature
phenomena: The Queen's English dethroned

L A TIMES
Study Finds the Queen's English Has Acquired Common Touches
Ho, ho, ho, Henry Higgins, the queen's English ain't wot it used to be.

Independent
Cor blimey! Even the Queen no longer speaks the Queen's English.

Guardian Unlimited
The Queen's English of today My 'usband and I.

CNN.com
Britain's Queen 'don't speak proper'
She is hardly "gor blimey" these days, but a scientific study of Queen Elizabeth II's accent shows she no longer speaks the Queen's English, and is instead starting to sound like a cockney.

Boston Globe Online
LETTER FROM LONDON
The queen no longer speaks the Queen's English

Commonness creeps into royal accent
LONDON - Blimey, 'er royal 'ighness is a right oul' one of us.
The queen, incidentally, will be spending Christmas at 'ome, with the 'usband.

Telegraph
Blimey, what became of the Queen's English.

Anorak
You Wot?

平成13年1月6日

今日は、12月31日に紹介した記事のヘッドライン等の読み比べを書く予定でしたが、明日に延期します。・・・というのも、今日のレッスンに、主な記事や、自分の分からない箇所やおもしろい表現の抜粋をプリントして持っていったのですが、説明を受けると、ちょっとしたヘッドラインにも二重の意味があったりして、纏めるのに時間がかかりそうだからです。

レッスンのなかで、おもしろい話しがあったので、今日はそれについて書きます。記事を捜すうちに Anorak というサイトを見つけました。そこは、ロンドンの Tabloid と呼ばれる大衆紙のおもしろい記事を紹介するサイトです。そのサイトの説明を先生にしているときに、「Anorak の意味は知っているか?」と聞かれました。

Anorak は、アノラック(フードつきの防寒服)の意味以外に、「おたく」の意味があります。OALD6 には、2(Bri, informal) a person who spends so much of their time learning facts or collecting things that most other people think they are boring とありました。その意味も知っていましたが、アノラックとのつながりは、想像もつきませんでした。Train spotting という言葉は知っていると思いますが、spotter たちが防寒着に着るのがアノラックなのです。アノラックは、寒いイギリスで train spotting するには、perfect だが、全然 cool ではない。格好を気にせずに、全然おもしろくないことに長時間費やす人たちが、アノラックを着ているので、「おたく」いう意味ができたそうです。

ちなみに www.anorak.co.uk に紹介されていた記事のヘッドラインは「You Wot?」でした。

 

平成13年1月5日

今日はコックニー訛りについて書きます。

コックニーの定義は、ボウ・ベルの音が聞こえる範囲(ところ)で生まれた人ということです。Cockney London には、「A Cockney is, by definition, a person born within the sound of the Bow Bells - the bells of St. Mary-Le-Bow Church (also known as Bow Church) - in Cheapside, London EC2.」と書いてあります。

コックニー訛りは、一般に、「'A' (エイ)の発音が 'eye'(アイ) になるのと、'h' の発音が、抜けること」等が、よく知られていますが、日本では、rhyming slang については、あまり知られていないと思います。

発音の方では、自分が聞いた中で一番印象に残っているのは、「It ain't 'alf 'ot today」( = It isn't half hot today = 今日の暑さは半端じゃねーぜ!)です。「イッ アインッ アーフ オッ トゥダイ」くらいに聞こえて、最初は全然分かりませんでした。

発音については、The Cockney Internet に、いい説明があるので引用します。
「Cockney is only partly the famous rhyming slang. It's also dropped 'H's at the beginning of words and syllables (be-ave yerself), 'th' replaced by 'f', dropped 'G's at the ends (listen ere, darlin), and glottal stops in the middle replacing 'T's and other unimportant consonants (a drin' a wa'er). I really can't describle the glottal stop, it's a consonant that ordinary English just doesn't have. Except sometimes; one example is the t in Gatwick, which just about everyone uses a glottal stop for.

And the vowels are different, usually longer. "down" is "dahn", "out" is "aht". It's hard to spell them phonetically, but if you're really interested, there's a good web site.

Rhyming slang の方で、印象に残っているのは、Trouble And Strife = Wife )と Apples And Pears= Stairs )とAdam And Eve( = Believe )です。
たぶんコックニーじゃないと思いますが、ライムでは、"See you later, alligator." "In a while crocodile."印象に残っています。
Rhyming slang については、下のお勧めサイトを覗いてみてください。

以下は、お勧めサイトです。

Cockney London
簡潔で分かりやすいので、最初に読むといいと思います
Mary-Le-Bow Church の大きな写真あり

The Cockney Internet
一番詳しい

Cockney Online
RHYMING SLANG のページは分かりやすい
他は、ロンドン情報が主

Cockney Rhyming Slang
このサイトは、「A slang dictionary with an innovative twist - it is compiled not by linguists but by slang users ourselves.」が、ウリのようです。

 

平成13年1月3日

昨日の Henry Sweet 編に続き、 Professor Henry Higgins (ヒギンズ教授)ネタ その2 Daniel Jones 編について書きます。

『イギリス英語のイントネーション』によると、最近の研究では、ヒギンズ教授のモデルは、 Jones という説が出ているそうです。(Beverly Collins, The Eary Career of Daniel Jones, University of Utrecht)今井邦彦,「『マイフェアレディ』の謎」,『言語』,1991年7月号,参照。『イギリス英語のイントネーション』 P.330より

Daniel Jones は、 発音辞典として権威のある English Pronouncing Dictionary を1917年に出版した人です。また、英語の発音記号(Intenational Phonetic Alphabet: 国際音声字母)を制定した人としても知られています。

発音記号そのものは、19世紀末にフランスで作られました。しっかり調べられませんでしたが、どうも発音記号は、1886年にヨーロッパの当代一流の音声研究者が集まって発足された世界音声学会(Intenational Phonetic Association)で作られたようです。Daniel Jones が IPA に参加したかは調べられませんでした。

Daniel Jones は、 Henry Sweet の業績を受け継ぎ、University College London (ロンドン大学ユニヴァーシティーコレッジ)に Department of Phonetics and Linguistics (音声学科)を開設し、ロンドン学派を形成し、世界の音声研究をリードしてきたということです。
University College London Department of Phonetics and Linguisticsホームページ

(またまた、本日分も未完成なので、後日一部改訂予定です。今回は分量が多すぎて整理しきれないので、当初予定していた「ロンドン学派編」は、またいつか書きます。)

 

平成13年1月2日

昨日に続き、今日はやっと本題の Professor Henry Higgins (ヒギンズ教授)ネタについて書きます。

My Fair Lady (1964)の Henry Higgins 教授のモデルは一般に Henry Sweet だったと言われています。そこで今日は Henry Sweet についての蘊蓄を、・・・。

Henry Sweet はロンドン生まれのイングランド人で、音声学の基礎を築いた人です。もう少し正確にいうと、philologist で、事実上の English Philology の創始者ということです。幻の名著といわれた A Handbook of Phonetics 「音声学提要」(1877)の復刻版が三省堂からでています。

劇と違い Sweet は Oxford 教授職の選に漏れ、 Reader (準教授)だったということです。名前と違って本人は、あまり sweet な人ではなかったようです。もともと人付き合いの上手なほうでなく、希望していた教授職の選に漏れてからは、一層不機嫌になり、 Bitter Sweet というあだ名がついていたということです。

Sweet は、初めはドイツのハイデルベルク大学に学び、後に Oxford の Balliol College で学んだ人です。彼は、自分の論文のなかで、「ドイツの学者は勉強家ではあるがペダンチックで大言家である。」といっているそうです。Pedantic な My Fair Lady の Henry Higgins 教授と違って、かなり堅実な人柄であったようです。

(本日分も未完成なので、後日一部改訂予定です。)

 

平成13年1月1日

12月24日に「マイ・フェア・レディの Henry Higgins 教授のモデルは Henry Sweet だった」と書きましたが、ちょっと蘊蓄を披露したいと思います。

My Fair Lady (1964)は、Audrey Hepburn 主演のミュージカルです。 Hepburn は、ヘップバーンと読みますが、 Hepburn 式とくれば、ローマ字のヘボン式です。イギリス発音とすれば、ヘボンのほうが原音に近いのでは?

閑話休題、原作は George Bernerd Shaw (バーナード・ショー)の戯曲 Pygmalion 「ピグマリオン」です。Pygmalion (ピグマリオン)とはギリシャ神話に出てくる彫刻家の名前です。その神話とは、自分の彫った女性の彫刻に恋をしてしまった男性の思いが神に通じて、彫刻が人間になってしまったという話です。

教育学の用語にも、「ピグマリオン効果」というのがあります。教師の理想像の影響を受けて、生徒が教師の望む様に変化するという効果です。

あ〜〜〜っ、全然閑話休題になっていない!!

その「ピグマリオン」が、先ず Broadway で「マイ・フェア・レディ」としてミュージカルになり、後に George Cukor (ジョージ・キューカー)監督によって1964年に映画化されました。

Broadway では、Julie Andrews が Eliza Doolittle (イライザ)の役をやったようです。個人的には、Julie Andrews のほうが見てみたいかな。Professor Henry Higgins (ヒギンズ教授)のほうは、Broadway も映画も Rex Harrison がやったそうです。

粗筋は、コヴェントガーデンの貧しい花売り娘イライザが、音声学者のヒギンズ教授の指導によって洗練されたレディーに変身するというミュージカルです。

がさつで身分の低い花売り娘イライザをヒギンズ教授が自分の思い通りにレディーに仕立て上げていく姿をピグマリオンの神話に重ね合わせています。

しかし、私としては、訛りのひどい花売り娘を躾け直して、一流のレディーにできるかどうかまで賭けにしてしまうのは、ちょっとどうだかなあという気もします。それじゃあ、いかにもイギリス上流階級のステレオ・タイプそのまんまじゃないかい?まあ、映画にはよくありがちですが、・・・。

それから、タイトルの「マイ・フェア・レディ」は、高級街である「メイフェア」をコックニー訛りで読むと「マイフェア」になるということとひっかけているそうです。

今日はここまでとします。本題に入る前に力尽きた・・・。(本日分は未完成なので、後日一部改訂予定です。)

 

 

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