迷走録 2001年8月

 

平成13年8月26日

昨日、フォルティー・タワーズのビデオを見ました。しばらく在庫切れになっていましたが、最近ジョン・クリースのインタビューが追加されたバージョンがUSAで発売されました。

購入した The Complete Collection FAWLTY TOWERS(4巻セット)の箱に、JONE CLEESE stars as Basil Fawlty, the sharp-tongued, short-fused innnkeeper of Fawlty Towers, Containing all twelve classic Fawlty Towers episodes, this newly remastered collection includes exclusive interviews with Cleese as he recalls hilarious behind-the-scenes stories from the series' most unfogettable moments. If you're looking for an accommodating comedy, it's time to check in! "What I like to do more than anything else is to really laugh." John Cleese とあります。

昨日は、1巻目を見たのですが、ケースに、Aprox.120 Minutes と書いてあるのに、150分ほどありました。ケースの時間は、どうもインタビューを追加する前の時間のようです。ところが、カセットをよく見ると、Aprox.110 Minutes となっているではないですか。なんといい加減な!気になって他の巻も見てみると、紙のケースはすべて、Aprox.120 Minutes となっていますが、カセットには、それぞれ、2巻目は、Aprox.120 Minutes 、3巻目は、Aprox.115 Minutes 、4巻目は、Aprox.111 Minutes となっていました。日本では、考えられないような杜撰な表示ですね。

ジョン・クリースというとモンティ・パイソンを思い出して、どこがギャグなのか分からないのではと心配する人もいるかもしれませんが、フォルティー・タワーズは、見ただけで説明なしでも、笑えるギャグがほとんどです。(字幕なしで見て、結構聞き取れないところがあっても、笑えました。)

クローズド・キャプションをオンにしても、知らない表現がかなりあったので、レンタルショップで、日本語の字幕のビデオを借りて、もう一度見てみようと思っています。こんな調子では、音声だけでストーリーが楽しめるようになるのはいつのことやら。

 

平成13年8月19日

今日、やっとカール・R・トゥーヒグの『イギリス英語 Total Book』(ベレ出版)を購入しました。まだ、本文にざっと目をとおして、CDを半分ほど聞いただけですが、結構楽しめました。

大筋としては、自分が今までに、何人かのイギリス人の先生から聞いたことのあることでしたが、いくつか "That's new to me" と眉をひょいと上げ、冷ややかに読み飛ばしたところがあります。

このなかのいくつかは、翻訳のせいかもしれません。『'estuary English'(入り江で話される英語)』は『'Estuary English'(河口域英語)』とされるべきでしょう。もし説明だとしても、たんなる入り江でなく、テムズ河流域としてほしいものですな。テクニカル・タームくらいは、しっかり押さえてほしいと思います。

音声学上の説明には、口の悪い先生なら、『もし、翻訳のせいでないとすれば、・・・』と、ことわった後で、著者の経歴を聞いて、"He is an amateur." とでもいいそうです。

CDの録音も、同様に楽しめました。標準英語と標準米語を対比しているところでは、思わずスキップ・バックして聞き直して、"That's unusual." と呟きながら、発音辞典を調べたところがありました。そして、"sniff" しながら、こころのなかで、"It would seem that his pronunciation was inappropriate." 呟いて黙殺を決め込みました。

CDのなかのカジュアルな表現は、それにふさわしい発音で録音されて(いると思)いますが、その説明がありません。例文によっても、訛り具合にかなり差があります。その違いが分からない人は、ディクテーションやリピーティングの教材にはしないほうがいいかもしれません。

全体としては、バランスよく、いろいろな情報を網羅していますので、イギリス英語好きを自認する人で、いままでに類書を読んだことのない人ならば、読んでみても損はしないでしょう。英国通の人(特に音声学的知識のある人や、'English-centred' でない人)は、あら探ししながら、読むと楽しめるのではないでしょうか?(反可通の私がいうのもなんですが、・・・。)

ここらで、ぼろのでなういちに、今日のところはきりあげるとしますか。それにしても、自分もかなり、小憎らしいイギリス人的態度(これは、私の偏見???)が、板についてきたようです。

 

平成13年8月12日

今日から、1935年に出版された Current English; A study of Prsent-day Usages and Tendencies, Including Pronunciation, Spelling, Grammatical Practice, Word-coining, and the Sifting of Meanings という本を読み始めました。

アメリカで出版されたものですが、1917年にEPDが出版されてから20年足らずのうちに、(少なくともアメリカでは、)IPAのいろいろなバージョンが現れたようです。Preface から少し引用します。

Even the carefully worked-out phonetic alphabet recommended by International Phonetic Association dose not fit every need of every language student; and almost every book on phonetics that has appeared during the past few decades has had slight differences of its own in phonetic symbols, which is not surprising if the further fact is recalled that no two people pronounce the sounds of English exactly alike or hear them alike when others pronounce them.

Current English も現在よく見るIPAとは少し違う表記をしていますが、表記以外で興味深いのは、fair が二重母音でなく、長母音として取り上げられていることです。確かにイギリスでは、フェアーをフェーのように発音する人もいますが、当時のアメリカでは、フェーのように発音する人が結構いたということでしょうか?しかも、fair には、lower higher があるとしています。lower fat と同じ記号+長音を表す補助記号付き、higher fell と同じ記号+長音を表す補助記号付きで表されています。

他に、fur にも lower higher があるとしています。lower fuss と同じ記号+長音を表す補助記号付き、higher further後ろの母音)と同じ記号+長音を表す補助記号付きで表されています。

お盆休みは、Current English を読んで過ごす予定です。

 

平成13年8月5日

1925年に出版された Everyday Word-Traps A Guide to Correct Spelling and Pronunciation という本を入手しました。まだ、しっかり見ていないのですが、Word MisspeltAmericanism があり、Now that so many magagimes and technical works published in the United States are read in this country, the use of Americanisms is becoming a frequent source of error.と書いてありました。例として、Cheque(bank form) v.s. Check Centre v.s.Center 等がありましたが、Programme v.s. Program は、現在では Programme(except for PC) v.s. Program のはずで、時代を感じさせます。

ところで、これを読んでいるみなさんで、上の引用の中の magazine (mag a ZEEN イギリス式)を、つい MAG a zeen (アメリカ訛り)と読んでしまった人はいないと思いたい。もちろん、例外もあると思うけど、イギリス人は、日本人が mag a ZEEN と発音すると「おーっ、イギリス式だ」と思うようです。(ちなみに、すべてのイギリス人が mag a ZEEN と発音するわけではなく、MAG a zeen と発音する人もいるということです。)

あと2・3日は、 Everyday Word-Traps で楽しめそうです。

 

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