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コックニーの英語


コックニーの英語とは・・・・・

コックニーとは、ロンドン下町っ子。もともとは、イースト・エンドにあるセント・メリー・ボウ教会の鐘の音が聞こえる範囲で生まれた人、というのが定義だとか。でも、ロンドン以外に住んでいる人にとっては、ロンドンっ子=コックニーという感覚です。

コックニーの英語はあくまでも庶民の言葉。シティーで働くビジネスマンたちは使わないようです。江戸っ子べらんめぇ言葉みたいなものですかねぇ。わたしも、コックニー英語を身につけようとは思ってないんですけど(笑)、スラング等がおもしろいので、知識としてはいいかな、と。


 

発音の特徴

☆ “ei (エイ)”が “ai (アイ)”になる

何でも、学校で「エー・ビー・シー」を「アイ・ビー・シー」と教わるんだそう(笑)。make(メイク)は(マイク)、take (テイク)は(タイク)、station(ステイション)は(スタイション)、today(トゥデー)が(トゥダーイ)。オーストラリアの英語もこうなります。

☆ “h”を発音しない

母音の前の“h”は無音化するので、have (ハブ)は(アブ)、hear(ヒヤー)が(イヤー)。フランス語とかイタリア語とかもhを発音しないですよねぇ。おもしろいのが、反対に、つけなくてもいいところにhをつけたりすること。ever が hever になったり、up が hup になったりします。変なの^^

上の2つは、とにかく有名な特長です。映画『マイ・フェア・レディ』でも、ヒギンズ教授がイライザの発音を治すのに苦労していましたよね。


☆ “th”の発音が“f”や “v”になる

“th”といえば、「は〜い、舌をかんで〜」というあの音ですね^^。 とか の音。コックニーの英語では、 が“F”、 が“V”の音になります。“father”だったら“far ver”(ファーヴァー)、“everything” だったら “everyfink”(エヴリフィンク)。

☆単語の途中、最後の“T”を発音しない

“T”をすっとばすものだから、やったら小さい“ツ”が目立つ音になります。“What”が「ウォッ」ってな感じ。いきなり、うぉっ言われてもねぇ(笑)。
T”が有名なんですけど、“P”とか“K”とか“D”も(?)そうなるみたい。
“but”が「バー」、“and”が「アン」って。
 ・network → ne’work
 ・a drink of water → a drin' a wa'er
 ・a little bit → a li'le bi'

コックニー英語にはなじみはないけど、この「すっとばし“T”」は分かる気がする!これは、
エスチュリー英語にも受け継がれてるようだから、イギリス英語でもけっこう広まっているらしい^^。

“〜ing”の“g”もすっとんじゃうみたいです。
going→goin'

※まだまだあるでしょうけど、とりあえず今はこんなもんでお許しを^^;。


 

スラングがおもしろい!

コックニー英語には押韻俗語がたくさんあります。早い話がゴロ合わせ。昔、果物や野菜、魚を荷車で売る行商人が違法に商売をするとき、暗号としてコックニーを使い始めたのだとか。だから、食べ物がらみも多いんですね。たとえば、
  • Apple&pears(リンゴと梨)→ Stairs(階段)
    ・・・・ペアーズとステアーズの押韻
  • sugar&honey(砂糖とはちみつ)→ money(お金)
    ・・・・(ハニーとマニーの押韻)


現在でも、どんどん新しいフレーズが生み出されているんですって。多くは有名・著名人を基礎にしているのだそう。ちょっとおもしろいものをピックアップしてみました!

  • Winona Ryder(ウィノナ・ライダー)→ Cider(リンゴ酒)
  • Kate Moss(ケイト・モス)→ Toss(投げる)
  • Calvin Klein(カルバン・クライン)→ Fine(元気)
  • Blitney Spears(ブリトニー・スピアーズ)→ Beer(ビール)