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エスチュリー英語


エスチュリー英語とは

Estuary English(エスチュリー英語)とは何ぞや?「エスチュリー」はテムズ川の河口のこと、「エスチュリー英語」とは、その辺で話される英語ですよ〜というわけです。といっても、いまやテムズ川河口域だけでなく、ロンドンを中心とした広い地域で話されている新しい種類の英語になっているよう。

音声学者の間では、「河口域英語」という名前が定着しているようです。でも、「えすちゅりー」の方が絶対かわいいと思う!(声を大にして!)あ、そんな問題じゃないっか^^;。

このカテゴリーができたのが1980年代というから、かなり新しいですよねぇ。この「エスチュリー英語」、上流階級の英語、
RP (Received Pronunciation:容認発音)とロンドン下町英語、コックニーの英語の中間に位置づけられています。

わたし的には、貴族ちっくな発音、RPにあこがれているわけですが(笑)、メージャー元首相が唱道した「階級なき社会(a classless society)」が少しずつ実現しつつあるというわけです。そうそ、アクセントで階級を決めつけたらダメですよ〜んって。

コックニーとしては、他の人にも分かるように発音しようとし、RPを話す人は、「気取ってるぅ“posh”」と思われないよう、庶民に近い英語を話そうとする、その歩みよりともいえるカテゴリーかしらん。

そんなこんなで、「エスチュリー英語」はコレだい、と100%定義するのは、まだ難しいのではないかと思います。(どのみちわたしの理解力じゃ無理だしぃ^^;)。RPよりの人もいれば、コックニー英語よりの人もいるでしょう。一般的に言われてる特徴だけ、以下に挙げときますね♪


 

発音の特徴

☆単語の途中、最後の“T”を発音しない

これは、コックニー発音の影響をうけてますよねぇ。(ココ参照)。おんなじ説明になりますけど、“T”をすっとばすから、やったら小さい“ツ”が目立つ音になります。なんか、つまった感じの音。“football”が「フッボール」。
 ・network → ne’work
 ・a little bit → a li'le bi'

そういえば、わたしもよくこれするなぁ。何となく、友達(イギリス人の女の子)の発音がうつったんだけど。何か謎が解けた感じ(笑)。

何と、あの故ダイアナ妃(元だけど)が、この「エスチュリー英語」だったとか。まぁ、もちろんRP寄りではあったでしょうが、とりあえず“T”はすっとんでいたらしい。それも、上流クラスの人たちにけむたがられた理由の一つですって。


☆語尾の“l”が“w”になる

つまり、「ル」が「ウ」になるというわけ。“tell” なら “tew”(テウ)、“kill”なら“kiw”(キウ)という感じ。「キウユー」といわれたら、とりあえず命の危険を感じてください(笑)。語尾の“l”と書きましたけど、最後の子音結合(連続する子音)の“l”もそうなるから、milkが「ミウク」。


 

語彙や文法の特徴

「特徴」というほど、たくさんの例は知りませんが^^;、「ありがとう」の意味で使う“Cheers.”がそう。他に、よく使われる“basically”は、「基本的に」という意味よりも“well”(ええと)ってな意味。

あと、“Here you are”のかわりに“
There you go”などなど、アメリカ英語の影響も受けているそうな。まぁ、「エスチュリー英語」が新しいカテゴリーだとしたら、アメリカ英語が混じってきても何ら不思議はありませんものねぇ。